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2017.08.13

「八月納涼歌舞伎」(第3部)を観る

3部は久しぶりの「野田歌舞伎」
正直、私は野田さん作品とはかなり相性良くありませんので以下
辛口です。

と言うか頭の堅い私には、あの機関銃喋りと尻取りみたいな迂回路
みたいな、ヒラヒラした言葉遊びが判らないと本質にたどり着け
なくする仕掛けを楽しめないままに終わる苦い経験を積んできました。

そんな野田作品で良かったと芯から思えるのはとにかくそうした
言葉遊びが最小限で、人間の醜さがストレートに表現された「Thd Bee」。
勿論キャサリン・ハンターと言う名優の存在も大きいですが、なので
今回もそれほど熱くなれないまま劇場へ。

また野田歌舞伎は「研辰」は再演、「鼠小僧」「愛陀姫」は初演を
観ていて、個人的には「研辰」が一番。
「鼠小僧」と「愛陀」は勘三郎さんと言うキャラクターに寄りかかり
過ぎていて、余り面白いと思えなかった記憶があります。

そして今回の「桜の森の満開の下」がこれまでの野田歌舞伎と決定的に
違うのは、歌舞伎のために野田さんが書いたものでなく、野田さんの
「遊眠社」時代の作品がベースになっている事。

つまり遊眠社オリジナルバージョンを見ている層がいて、歌舞伎と
しての歌舞伎ファンの反応と共に、遊眠社ファンの「毬谷さん」
「上杉さん」「段田さん」の記憶を上回れるかと言うハードルも
ある訳です

私は勿論遊眠社バージョンを知らないので、歌舞伎観客として初めて
観ましたが、そこにはやはり私の苦手な野田芝居が歌舞伎役者に
よって繰り広げられ、「ワカラナイ」まま終わりました。

確かに勘九郎さんは素晴らしい身体能力でしたし、七之助くんの
姫は女形が演じることでファンタジー度が増す効果があり、猿弥
さんは「捕物帖」に続いて大活躍、染五郎さんは権力者を美しく
謎なステップを然り気無くするのも凄いけれど、「アオドクロ」見て
しまうと、もっとできるのにと思ってしまいますね。
また、扇雀さん、弥十郎さん、亀蔵さんは「チーム勘三郎」ならで
はの上手さを見せ、巳之助くんは溌剌と、そして久しぶりに我らが
芝のぶさんが、強烈なインパクト(必見)

ラスト耳男の夜長姫殺害?シーンは布を使う仕掛け(「研辰」のロープ
使いを思い出す)は美しかったし、効果的に使われた「ジャンニ・
スティキ」の「私のお父さん」だけが歌舞伎座をあとにする私の頭を
まだ駆け巡ってはいましたが、後はやっぱり難儀でした。
(多分、芸術家の制作の源(ミューズ)の問題、歴史においてオニ
とは何なのかと言う問題がテーマなのだと思いますが)

さて遊眠社ファンにはどう映ったのでしょうね。

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