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2018.02.07

「二月大歌舞伎」(昼の部)を観る

「二月大歌舞伎」(昼の部)を観る

高麗屋さん三代襲名2ヶ月目。
襲名狂言「一條大蔵譚」
新幸四郎さんの長成ですが、これは高麗屋さんと言うより、
播磨屋さん家の芸で、これを襲名狂言に選んだのは
新幸四郎さんなかなかの冒険です

去年の国立歌舞伎鑑賞教室で菊之助さんがなさったのも、
播磨屋さん直伝でしたが、まあどちらもまだまだ若い。

根が真面目なので作り阿呆の部分にまだまだ振り切りも
弾けが足りません(笑)
いかにも作ってる感ありありで、単に中の人が作っている
だけなのが残念
(素の幸四郎さん→素の長成→作った長成の真ん中がない)

逆に正体を顕した時はすっきり美丈夫で、時蔵さんの常盤さんとの
バランスも良い訳ですが、まとも過ぎても、ですよね〜

孝太郎さんのお京は安定感ありましたが、松緑さん鬼次郎は動き、
形は美しいですが、感情の起伏が薄
まあ何れにしても秀太郎さんの鳴瀬と歌六さんの勘解由の前では
どうやっても太刀打ち不能でした(笑)

しかし播磨屋さんの芸も継承するという意思表明の覚悟は頼もしい
限りです。

「暫」
辛口です
あげ幕中からの声からして、既にカラ迫力なのはどうしたんでしょう
全然声が響いて来ませんし、軽いです
しかもあり得ない事に、貌が売りの筈が茶の装束に完全に負けて
ました。
ストーリーなどあってなきが如くのこれに於いて最も期待するのは
格と姿と声なのに…

「日本昔ばなし」とかホールで「源氏」とかを我流でなさってないで、
素晴らしい先輩方が元気な今のうちに古典きっちりやっておかなくて
本当に大丈夫かしらと余計な心配をしています
頑張ってと思うばかりです。

それにしてもこれだけ大量の役者が出ていると、居並ぶだけなら
目立たないと思いきや、存在感それ自体の差が却ってはっきり判る
ものですね

「井伊大老」
吉右衛門さまと播磨屋ファミリーの独壇場。
しかし、こう言う少人数セリフ劇まで、歌舞伎は大劇場でやらな
ければならないんでしょうか。

芝居には多分それを演じるに相応しい劇場サイズがあるはずで、
蜷川さん「仏壇マクベス」や「ヘンリー六世」はあのセットや熱量に
見合う大きな劇場が、去年観たイキウメの芝居には繊細な心理を
見せるための小さい劇場がそれぞれ相応しい訳ですが、「井伊大老」
なんて、ひょっとしてトラムとか、シアターイースト(ウエスト)で
やったら、歌舞伎ファン以外の演劇好きにもアピールするかも知れ
ませんし(歌舞伎座の雰囲気が歌舞伎を特別難しいものに〜チケット
取りとか含めて)、歌舞伎ファンにしても、当日売りの幕見ではなく、
この演目だけ見たい、と言うニーズもあるはずで、たまにはビシッと
腰を据えて、歌舞伎の演劇としての底力を見せる仕掛けもあったって
良い気はします。

だいたい、「暫」のあとにこれで昼の部打ち上げる、とか、なかなか
理解に苦しむ番組だてではありました。

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