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2018.07.08

「日本文学盛衰史」を観る

吉祥寺シアター

当初、観る予定は全くなかったのですが、新聞がこぞって評をあげ、
常に参考にしている劇評サイトに「必見」とありましたし、なにより
高校時代、漱石の「私の個人主義」や石川啄木の「時代閉塞の現状」、
さらに何故か広津和郎を宿題にする変わり者の現代国語教諭に
出会ってしまい、おかげで受験勉強そっちのけで、明治から大正の
小説やら評論やらを読みまくって、はまり、ちょっとした思い入れの
ある世界の人々がこぞって登場すると聞き、そして絶妙の?タイ
ミングで追加公演にまだ空席ありを見つけてしまい、ついポチっと
してしまいました(笑)

青年団の芝居を見るのは初めてでしたが、そんな訳でテーマ的にも
登場人物的にも完全にツボ。
もっと事前に情報を入手して、リピートしたかったくらい面白かった
です。

舞台セットはずっと同じ、で、4回、それぞれ文人の通夜の精進
落としの席の場面が繰り返し展開する仕掛け。
最初は透谷、次が子規、そして二葉亭、最後が漱石
その間、田山花袋と島崎藤村と森鴎外は出続け、色んな事を語る。

途中から何故か登場人物が胸に名前を書いた布をネーム板のように
つけて出てきたのは、一人何役もで分かりにくくなってくるからかも
しれないけれど、漱石も独歩も子規も康成も、宮沢も女優さんが
演じたりしていて、かなり最初から解らなくなっていて、それでも
あまり気になってなかったので、寧ろなくても良かった気もします。

どの場も未亡人は同じ女優さんで毎回「重鎮」として最後に志賀さんが
出てきてひとくさり演説をぶち、田山さんは座布団に顔を埋めて
いるのには笑いました

まあ本当にこれだけの人たちが毎回集まったなんてあり得ないし
漱石先生は「LINE」のスタンプを欲しがり、加計学園をネタにし、
皆、リツィートするし現代風俗平気で出てきてふざけているようで
いて、その中で、鴎外先生の脚気話とか、藤村のスキャンダル?とか
ちょこちょこ実際のエピを示唆するセリフが挟まれていてほぼずっと
ニヤニヤしていました。

最後は「文学の未来」が語られたりもしましたが、結局、手紙が
LINEに変わっも、人間は何かしら字や絵でつながっていく生き物
なんですね

タイトル文字を文豪達の直筆から一文字ずつ使うアイデアは秀逸
ですが、デジタル世代には既に直筆、と言う概念はなくなるので
こんなお遊びもできなくなるでしょうし、じきに文学館には「直筆
原稿」の展示はなくなり、使っていたiPhoneとかタブレットとかが
展示される事になるのかも知れません

そう言えばこんなタイミングで我が家で家族の遺品を片付けていたら
この芝居の最後の方に登場した作家さんの「直筆」らしいハガキが
みつかりました。

何か縁を感じました

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