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2019.01.26

「新春浅草歌舞伎」(第二部)を観る

「新春浅草歌舞伎」(第二部)を観る
浅草は10日を過ぎても外国人観光客やらで大賑わいでした。

二部は鶴松くんのご挨拶から。
すっかりシュッとしたイケメン若手歌舞伎役者さんになっているのを
見ると、かつて「野田版鼠小僧」に故・勘三郎さんと屋根の上で
歌っていた、さん太くんがこんなに大きくなったのか、とシミジミ
しました。

「壽曽我対面」
昔は、これが出る度に「なんで面白いんだか」、と陰口叩いていま
したが(笑)、ちょっと前から考えが少し変わりました。
江戸時代とは解釈違うかとは思いますが、個人的には一座の顔ぶれ、
役による座中での位置関係、長時間静止しているのでビジュアル
堪能(「対面」の化粧は結構独特、化粧で意外に顔細い、とか
わかったりする)、など、個人的マニアックな視点で楽しんでいます。

今回、工藤は当然錦之助さん。
声良しな方ですが、工藤は珍しい役柄ですし、また、意外に顔が
お小さくて、思ったよりちょっと迫力少なめ、でした。
松也くん五郎に歌昇くん十郎。
松也くん、「義賢」に続いてこちらも体力出しまくり、迫力はみ
出まくり(笑)、ややオーバーヒート気味。で、あちこちセリフが
判らないし、逆に三宝きれいに壊れずヒヤヒヤ(笑)
お約束事の中での迫力の出しには、もう少しクールにならないと。
歌昇くんは若手随一の勉強家で、最近個人会で様々な成果を上げて
いるそうですが、十郎やるにはちょっと顔が苦味走り過ぎ、今っぽ
過ぎるかなぁ(笑)

巳之助くんが朝比奈
最近、「吉野山」の早見や「助六」の仙平など、この手の役回りが
悉く巳之助くんに集中してます
確かにあまり他にできそうな若手はいませんが、巳之助くんてもう
少し「伊勢音頭」とか「寺子屋」の源蔵あたりに挑んで欲しいです
「女子」はみんな顔付きの衣紋掛けじゃないんだからもう少し
重心が必要(笑)
隼人くんもこう言うのをやるにはまだまだ生々しいし軽い。

「番町皿屋敷」
はい、普通に怪談やると思ってました(笑)
いつまで経ってもお菊ちゃんが幽霊にならないうちに終わってびっくり
しかし、今回浅草ではこれが一番面白かったです。
隼人くん演じる播磨が、ジッと菊の顔を見たまま、刀の鍔で皿を
割る気迫で、いつもはややザワツキがちな浅草の客席にピーンとした
緊張が走っていました。
やはりこう言う、古風に実写映画的な生々しい血を吹き込めるのは、
萬屋さんの家系かも知れません。
お菊は種之助くん。
この人は「車引」の梅王丸で、小さい身体にパワー詰め込みまくって
本当にびっくりしたのを覚えていますが、一方でスルリとこう言う
女役も、化けた、だの「○役相勤候」のうちの一役、とかでなく、
本役としてされるんですよね
確かに梅丸くんとか鶴松くんの方がキレイめ女子としてよさげですが
びくっとしたり、こわごわしたりするリアクション一つ一つが
リアルで、良かったです。
自分の恋心を、菊に皿を割る事で試されたのは播磨には許し難いと
悲劇に至るのも二人の熱演で肚落ち。
播磨が水野十郎左衛門の喧嘩の助っ人に走り出すのも、自分の感情の
やり場を求めてでしょうが、水野と言えば幡随院長兵衛を陥れる
悪役で、丁度新橋で成田屋さんがされてましたね。

部と部の入れ替え時間が、文楽並みに少ないのと、二部最後まで
いると、終演時には夜の早い浅草はすっかり静かになってるのが
残念でしたが、「浅草」がいよいよ世代交替したことを実感しました

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