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2019.02.19

「二月大歌舞伎」(夜の部)を観る

夜の部は、吉右衛門さんの「熊谷」から。
もうずいぶん見てる、と言うか、最近、吉右衛門さんに限らず、
「熊谷」と「盛綱」両陣屋かかり過ぎじゃないでしょうか(笑)
ちょっと前は「傾城反魂香〜浮世又平」ばっかりかかったり、
「双蝶々曲輪日記〜相撲場」が頻繁にかかったり、と何だか偏り、
成田屋さんと高麗屋さんに気合いが入ると、安宅関が乱発されます(笑)

そのため、正直「再放送」を見るくらいのテンションで見始めたの
ですが、いやいや、なんのなんの、吉右衛門さん、若返りましたか、
な位の凄いパワー溢れる熊谷で、びっくりしました

出から殺気が凄く、また特に制札近辺はブワッとパワー全開な一方、
相模や義経、など他の人たちのシーンでは、目が虚無になり、呆然
と言うか、魂が抜けたようで、熊谷の闇と哀しみが伝わりました
幕切れの入りもとても丁寧で、殺気の出し入れ、被った笠から僅かに
覗く指先の震えまでリアルでした。

魁春さん相模の、特に首の扱いの一連の丁寧さ、歌六さん弥陀六の
本名で呼ばれた時の隠せない本来の姿、菊之助さん義経の「ザ・凛々
しい御曹司」感など、特に後半が素晴らしかったです。

躍りを挟んで、夜の初世辰之助追善狂言「名月八幡祭」
これ、33年前にも初世辰之助が新助、玉三郎さん美代吉、仁左衛門さん
三次は今回と同じ役で(!)されたらしいのですが、まずは新助
だけ息子になってやってるのに、違和感無さすぎる「玉(三郎)孝
(夫/仁左衛門)」コンビの驚異的若さ!にびっくり
そして見てみれば、寧ろいい意味で全然あか抜けない当代松緑さんに
新助と言う役はぴったりだったのですが、これを殺気でまくりだった
初世がやったと言う方が寧ろ不思議でした
(狂気に走ってからはともかく、朴訥な新助は…?)
とにかく、玉三郎さん仁左衛門さんが素晴らしかった。
騙す気なんか、騙した気なんか200%なかった美代吉、たかる気も、
美代吉を困らせようとも思ってない三次、しかしその二人の、あの
時代、場所ならではの「流儀」は、新助には全く通用しなかった
訳で、本当に不幸、としか言えないですね
似た趣向に「籠釣瓶」がありますが、一度故郷に戻った上でリベンジ
すべく計画的に再上京してくる次郎左衛門に対し、帰る故郷も旅費も
ないし、ましてや「籠釣瓶」「伊勢音頭」のように、都合よく殀刀も
登場しないので、新助は逃げ場と言うか、余裕がなく気の毒、でした。
松緑くんのちょっと陰な感じもですが、余裕ある先輩二人に比べたら
まだまだなところが、そのままキャラクターの力関係にも写し
出されたようで、リアルでした。
歌六さん、京蔵さん、歌女之丞さんなど、脇もガッチリで、映画を
見るような感じでした

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