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2019.03.22

映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」を見る

Mary
メリル・ストリープさん以来、久しぶりに「上手い」でも「美しい」
でもなく「凄い」女優さんに出会った気がします
タイトルロール、メアリー・スチュワート役のシアーシャ・ローナン
さん。
透明な肌、吸い込まれるような美貌、強い意思を示す鼻、そして
悲劇的な何かしらを湛える口元は、まさに「ディア・ハンター」や
「ソフィの選択」の頃のメリル・ストリープを彷彿とさせます
彼女のおかげで、メアリーは、単なる陰謀好きのわがままで倫理に
反した抵抗勢力としてエリザベスに弾圧されて仕方ない、にならず
どうしようもない、権力好きの男性どもに囲まれながら、孤軍奮闘
する一人の女性として魅力が溢れていました
更に、であれば彼女を排除したエリザベスが単なる悪役に描かれて
いるかと言えばそうでないところがこの映画の更に凄いところ。
それは、エリザベスを演じるマーゴット・ロビーさんが、メアリー
とは逆に、自身の「女性」を権力と切り離し、天然痘を厚化粧で
カバーしながら冷静に難局を切り抜けるさまを、実は内面悩んだり
手芸細工に八つ当たりしたりと、あ、この人も血の通った女性なんだ
と言う事を非常に納得させてくれるため。
結婚し、子どもを産みしかも美貌を誇るメアリーが自身の王権を
揺さぶってくるのを苦々しく思うし、認めもしないが、嫌なニュースを
直視しなくもないし、できれば彼女を裁く矢面に立ちたくないと
言うところ、そして互いに自分の立場をいちばん理解しているのは
お互いだと思いあっているところが、権力闘争の当事者同士で
なければ、よい身内でいられたのだろうと思いました。
ストーリーはメアリーがエリザベスに庇護を求めるところまでが
メイン。
(なんか家康のところに逃げ込んだ三成みたい)
架空の、二人の女王の対面シーンが圧巻で、最初は低姿勢だった
メアリーが徐々にエリザベスを問い詰め、最初は迷いのあったエリ
ザベスが、結局メアリーの監禁を命じるのも無理はないと思わせる
展開でした
メアリーはなかなか強気なため、どちらが捕らえた側なのかで(笑)
(これも自身の正統を信じて疑わない、三成そっくり)
個人的にはメアリーが「あなたはヘンリー八世の娘だから(私を
殺す)」と言うところがツボでした(笑)
このところ、アン女王、ビクトリア女王、そして今回と、偶然ですが
英国女王ドラマシリーズみたいなラインナップで映画を見ていますが
今作がいちばん緊張感があり面白かったです
それにしても「レディ・ベス」や「9日間の女王」と言った日本の
舞台、「エリザベス」シリーズ、「恋に落ちたシェイクスピア」
「ブーリン家の姉妹」はじも映画にしても、あの時代は素材として
よほど彼の国でも人気のようですね
日本の戦国時代みたいな感じでしょうか

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