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2019.06.28

ナショナルシアターライブ「アントニーとクレオパトラ」を見る

Ntl

主役のアントニー、即ち、マーク・アントニーを、シェイクスピアは
先行する「ジュリアス・シーザー」では、シーザーを倒して支持を
集めそうになっていたブルータスを巧みな演説で思い切りディスり、
大衆心理を操作してブルータスを追い詰める、憎たらしい程に頭が
切れるヤツとして描き、ブルータス目線で進むストーリーの中で、
ひたすら腹が立つたキャラクターとして見せつけておきながら、
残酷にも、その数年後、クレオパトラに完全に骨抜きにされた、
駄目駄目中年の成れの果てとして、同じ人物をしかもタイトル
ロールで描いています

個人的には、政治家や歴史上の英雄と言ったってこんなもん、と
化けの皮を剥ぎ、等身大の生身の人間として(色恋沙汰のセリフは
そこらの人と大差なし)見せたんだろうと言うのが、「アン/クレ」に
対するイメージですが、さいたまシェイクスピアシリーズでは、
「アントニー」(鋼太郎さんアントニー/2011年)→「ジュリアス~」
(藤原くんアントニー2014年)の順で上演されたため、「あの駄目
駄目アントニー(鋼太郎さんイメージ大(笑))も昔は(藤原くんの
イメージ)ちゃんとしてたんだ~」と一層、その残酷さを痛感した
ものでした(笑)

今回のカンパニーは、その駄目になってからのアントニーを、
「007」現時点の「M」であり、詳しくは知りませんが、「ハリポタ」
シリーズもラスボス?をなさっていたレイフ・ファインズが演じて
います

レイフも今や渋いベテラン俳優ですが、スクリーンに出始めた頃は
「イングリッシュペイシェント」や「シンドラーのリスト」など、
華奢でクールな美男子、で一世を風靡したのをリアルタイムで見て
いるので、ちょっと出たお腹とか、役柄とは言え、政治ほったら
かしで、クレオパトラとダラダラするとか、「レイフ・ファインズ」の
イメージとも隔世の感で、その意味でも時間は残酷、でした(笑)

それにしてもやっぱり、この芝居、舞台転換と説明の足りない固有
名詞、判らない人間関係、地名が多くて、理解してついて行くのは
かなり大変。
細かい事はスルーし、駄目オヤジ(しつこい)と魔性の女との、
結末明白な、ノンストップ共倒れ転落劇を、全く分別のあるオトナが
馬鹿だよな~と見ている分には、良いんですけどね。

今回の演出家は、先月、シアターコクーンで岡田くん主演で上演
された「ハムレット」を手がけた方で、現代的なセット、統一感の
ない衣装(笑)、史劇と言うより、キャラクターの心理をジワジワ
掬い取り、良くも悪くも等身大の人物として描く手法に似た臭いを
感じました

伝令が説明する戦闘シーンはスクリーンで中継映像、戦略や説明
にはスライドを使う、また生きた蛇を使う(確かに作り物の蛇は
どうやっても興醒め)、クレオパトラの死をファーストシーンにして
結末を見せてから、など趣向でしたが、戦闘生中継する世界で、
蛇で自殺するかな、とか、世界観変えすぎて辻褄合わなくなって
いる部分放置なのはちょっと違和感あったかも。
それにしても3時間40分、駄目カップルに付き合うのは結構疲れました(笑)

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