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2019.07.15

遂にケン・ワタナベの「王様と私」を肉眼で見た。

KingKing1King3

いや、本当に、まさか、あの2015年トニー賞授賞式パフォーマンス、
王を演じる渡辺謙さんが、アンナを演じるケリー・オハラの腰を
グッと引き寄せて「Come!」と言う、あのシビレる場面を肉眼で
それも日本で拝見できる日がくるとは思いませんでした!

客席はほぼいっぱい。年齢層も組み合わせもさまざま。
そして周りのお客さんの話を何となく聞いていると、「王様と私」は
知っていても、周防監督の映画の「Shall we dance?」の元の曲が
これだと知らなかったとか、「Shall we dance?」だけをあてに
して来たのか、1幕休憩に「『Shall we dance?』まだ?」とか、
意外に内容を知らない方も多くて、逆に言えば、ケン・ワタナベ
ブロードウエイミュージカル出演、だけで、これだけ(公演は8月
上旬まで)客を集められていると言うのも凄い事です。

私にしても先日映画で復習(予習)しておかなければ、自分の記憶の
適当さにびっくりしていたと思います。

字幕は舞台両袖。
舞台に近すぎると逆に見えないのは、文楽と同じで、今回は程々の
位置の席でストレスなし。
その字幕、王を「自己中」とか、同じ「puzzlement」でも、こどもの
台詞だと「超ムズい」とか、単なる翻訳でなく、かなり工夫された
いわゆる翻訳調でない日本語になっていました

ストーリーは特に映画との差はなかったですが、個人的には2幕の
劇中劇が些か私には長く感じたのと(王様に皮肉る劇中劇を見せて
怒らせる、と言う展開は「ハムレット」と同じだとか、雑念が湧き
まくった)、前の席のマダムが上演中にいきなりスマホで時間確認
した以外は本当に素晴らしい舞台でした
(しかもマダム、飽きてるのかと思ったら、カテコでは誰より早く
一番最初に立ち上がってて、まあファンと言うより単なる空気読め
ない「自己中」の目立ちたがりでした)

ケリーさんはもう流石の歌でしたが、謙さんも時にコミカル、時に
暴君、そして悩める王様が実にチャーミングでした。
「ラストサムライ」の勝元や「独眼竜政宗」の政宗、「西郷どん」
島津斉彬など、殿様らしいオーラは今回も存分に発揮されて、正直
幾分か、アジア側からすると、描かれ方に違和感があるこの作品を
受け入れられるのは謙さんキングのおかげだと思います
そしてやはり芝居、から来ている人だけあって、歌は超上手いとは
言えませんが、セリフと歌の境目がスムーズでした。
そうそう、今回の謙さんキングはスキンヘッドではなくて、ごま塩の
三分刈りみたいな感じでした

装置はシンプル(船以外)でしたが、天井から昇降する柱が、
『Shall we dance?』のダンス中に上手から下手に動き、その間を
二人は何事もないように踊るのにはびっくりしました
また、細かい話ですが、それこそ観客が一番楽しみにしていた
『Shall we dance?』をぶったぎるように入ってくる首相役の大沢
さんもタイミングが大変そう。

大沢さんと言えば、「キングダム」の王騎の肉体が従来のイメージ
完全覆す変貌ぶりで話題になりましたが、「王様」でもいきなり
「半裸の人が来る」とルイに言われるクララホム首相役で、その
「成果」を存分に発揮されていましたし、派手な場面はありません
でしたが、存在感は負けていませんでした
(謙さんと大沢さんが英語で会話する、とか何だか不思議過ぎる
シチュエーションでした)
何しろ、プログラムによれば、今夏「王様」のアンダースダディです
ロンドン公演では謙さんが出演されなかった短期間、「王様」も
演じられたそうですし、王騎を見てしまった今、大沢さんの「王様」も
容易に受け入れられる気がします

しかしまあ、やっぱり、ですが、西欧から見るアジアのイメージって
似てくるのか、音楽も踊りも全体の色味(赤)もかなり「ミスサイ
ゴン」に似てました
勿論作られたのは「王様~」が先ですからこう言う書き方は間違って
いて、「サイゴン」が似たと言うべきでしょうが、私が「サイ
ゴン」から見ている為、こう言う印象になってしまいます

特に劇中劇はフォーメーションから銅鑼の音まで、ずっと「モー
ニング・オブ・ドラゴン」を連想してました

他のキャストも恐らく凄い方々(知識不足)で、とにかく最初から
最後まで、素晴らしい3時間でした。

因みにオーブは帝劇より定員ちょっと多いくらいだそうですが、
完全なシューボックス型劇場ならではのスケール感がありました

10月にはここで成河くんが「ヘロデ王の歌」を歌うかと思うと、
鳥肌が立ちます。(結局そこ(笑))


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