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2020.10.31

「罪の声」を見る

見終わってすぐに、これが、まさに純粋な意味での日本版
「コールドケース」だと気がつきました

原作との差異はあるけれども、これはこれで、一つの完成度を
見ていると思いますし、タイトルの出しかた、「声の罪」
と言うセリフの言わせ方のセンスは見事でした

源くん、旬くん目当てに見に来たファンの中の、元となる
事件を知らない世代には、当時の雰囲気とか判りにくい
かも知れませんが、そこには子ども世代の苦悩が伝わる
でしょうし、事件を知る世代には、あの後ろ側に何が潜んで
いたのかと言う謎解き的見方もできます。

何より、オープニングのニュース放送の声に、松平定知さんを
起用している時点で、この映画は事件を知ってる世代を
確実に「あそこ」に連れ出している訳で、間違いないと思いました
脱帽です

お目当ての川口くんは、宇崎さんと言うより、確実に豊川
悦司さん似ではありますが(今回長髪を見たらまさに)
じわっと光雄家族に近寄る、見た目クールな中にただならぬ
物を秘めた感じが良かったです

まあ、回想パートだけに、長いセリフがなくて、川口くんの
持ち味の美声があまり堪能できなかったのは残念ですが。

そして漫画原作の、20代若手役者が代わる代わる高校生を
演じるだけのアイドル映画がまだ量産されるトレンドの
邦画界で、主人公に数字を取る役者を持ってきた配慮以外は
こんなに地味で息苦しい140分の映画を作り、公開
する事にした制作の意欲が感じられて良かったです

相変わらず手堅い土井監督、野木さんの脚本、佐藤さんの
音楽、と「好物」ばかりでしたし(笑)

若干複雑で説明不足気味の部分を含めてもう一度はみる
つもりです

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2020.10.30

「スパイの妻」は時代が人の心を乱すサイコサスペンス

ベネツィア映画祭で賞を取る前から、蒼井さんと一生くんの
顔合わせと知って、見に行く予定にしていたのですが、第二次
大戦直前が舞台と言われても、こんなにダークな内容になると
思っていなかったので、ちょっとびっくりしながら見ました

一生くん演じる優作が握る「軍の秘密」設定に微妙に違和感も
ありましたが、一心同体と見えた夫妻に、実は微妙にずれが
ある事がラストにコンゲーム的どんでん返しをもたらし、
まさに蒼井さん演じる聡子のセリフ通り「お見事!」でした

更にエンドクレジット前のテロップも一捻りあり。
何より、冒頭の、金持ち社長夫婦の道楽と見えた自主映画製作と
それを忘年会で上映するという設定が、後に聡子が自力で金庫を
開けられ、自分で8ミリの上映セッティングができ、内容を確認
できる事につながる上に、その映像自体が、ラストで聡子を救う
伏線になっていたのも巧妙でした

一生くんと蒼井さんがはともかく、正直なぜ大役で起用され
続けるのか良さが判らないと思っていた東出くんですが、狭量な
(職務に真っ当なともいう)憲兵隊員は、夫妻には大きな障害に
なるのですが、その長身と低温な感じから存在が不気味でも
ありながら、アンバランスな生まじめな感じとかが、妙なギャップを
生んでいて、いい「出し抜かれれ」っぷりでした

聡子がラスト近くで、笹野さん演じる野崎に、私は狂っていない
それがこの国にとっては、狂ってるということだというセリフが
あって、印象に残りましたが、それはまさに先日見たばかりの
「博士と狂人」でも感じたことですし、次に書く予定の舞台の
感想にもつながっています

そしてそれは、この春先まで当たり前だと思っていたことが
当たり前でなくなった、2020年の今、見ると、はまる理由かも
しれませんし、ホラーを得意とする黒沢監督にすれば、
時代に翻弄される人間心理こそ、ホラーの正体なのかも
知れません

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2020.10.28

11月の「100分de 名著」は「伊勢物語」

今月の武者小路実篤を読む吹越満さんのもなかなかでしたが
来月は、「伊勢物語」を萬斎さんが朗読するそうです

サブタイトルも
「みやびを体現する男」
「愛の教科書、恋の指南書」
「男の友情と生き方」
「歌は人生そのもの」
となかなか掘り下げどころ?ツッコミどころ?満点で
楽しみです

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「麒麟がくる」の新章「京・伏魔殿編」プレマップのナレーションが大塚さん。

真夜中に「遅咲きの桔梗の花、40代にして歴史の表舞台へ」と
いうナレーションが流れていたので画面を見たら(なぜ
真夜中にテレビを見ていたかは別項)「麒麟がくる」の
新章「京・伏魔殿編」の「プレマップ」5分版でした

元・光秀(笑)の小朝さんの超悪そうな高僧姿もイン
パクトでしたし、こわいものなし、に見えた
松永弾正にも、
順慶という若手ライバルが登場と、キャラ立ちしまくりの顔ぶれ。

しかし個人的なポイントは、ナレーションが
大塚さんだったこと。

世間的には大物声優さん!なイメージですが、前半で、
堺の商人役で出演されていた通りに役者さんでもあって、
鋼太郎さん劇団AUNでシェイクスピアに何作も出演されて
いるのを拝見してます
(スパッと台詞を飛ばされたのを目撃したこともありますが)
しかも、教育テレビ(Eテレ)の私の激推し番組「ねこねこ
日本史」につい先日、声優として出演されたのですが、
そこでやっていたのがなんと、弾正だったので、大笑いしました

それで今度はナレーション。
さすがにいい声ですよね。

いよいよ玉三郎さんも本格登場の気配ですし、次回
予告では、帰蝶さんも久々登場の模様。
「本能寺」以来若干盛り上がりに欠けていたのですが、
期待できるか!?

で、この「麒麟」の関連番組?なのか、およそNHK
らしからぬアプローチでの5分番組を見るために、この
日真夜中に起きたのですが、それは次項。

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2020.10.26

大工事中の東京メトロ銀座駅

Ginza_20201026160201

いままでなかったところに柱ができたり、天井に幾何学状に
骨組みがされたりしているなと思ったら、一部ができてちょっと
雰囲気がわかりました

柱は銀座線周辺には、銀座線カラーの黄色のライトで
覆われ、四丁目交差点の真下の天井には写真のような
「オリエンテーションサイン」と名付けた地上の位置
関係がわかる写真?がまるで万華鏡を覗き込んだような
ゆがみ方で見えていたりしていました
(それでわかるかと言われると微妙ですが)

あとは、コンコース(改札外)にコンセント付きのワーク
スペースができていたり(充電用になりそうですが)
徐々に全貌が見えてきました

まあ、結局、一番切望していた、歌舞伎座
真下までの
通路は、浅草線の下を全部くぐる不便な構造に変更、改善の
ないままにおわりました
(これは多分、都営線側の問題)

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「偽義経歌冥界」をゲキシネを観る。

Act

去年大阪と長野公演が先にあり、間を開けて、今年3月に
赤坂ACTシアター、4月に福岡と回るはずだった生田くん
主演の舞台「偽義経歌冥界」

「ピサロ」同様、開幕、途中休演、再開、を経て、結局
福岡まで行かずに中止になったのが、ゲキシネに早々に
なって上映開始されたので、早速行ってきました

ステアラ版「髑髏」が、上演から2年ごしてやっと去年
「ゲキシネ」化された事から比べたら、コロナ禍対応とは
いえ、パッケージまでが早くなって有難い限りです

さて、前置きが長くなりましたが、全く予習せず、
タイトルの意味もあまり考えず見はじめたため、生田くん
演じる「偽」義経が、一幕幕切れに呆気なく殺されて
しまった時にはびっくりしましたが、二幕、全身(顔も)
白づくめで再登場した時、漸くタイトルの意味も含めて
これ、完全に文楽・歌舞伎の「義経千本桜」の世界を
下敷きにした、「中島版千本桜」なんだと気がつきました

元の「千本桜」は、「義経」と銘打ちながら、「狐忠信」
「大物浦」「いがみの権太」など、平家の滅びの美学が
これでもか、と描かれていくわけですが、こちらは
源氏と連携することで、平家による支配から東北を
守ろうとしていた平泉藤原氏(芝居では奥華<おうか>と
称する)の物語。
奥華の元にいた頼朝の弟・遮那王牛若をはずみで?
殺してしまったことを隠すために、奥華側が当主・秀衡
(橋本さとしさん)の長男・国衝(生田くん)を「偽義経」に
仕立てる。
まずはここまでは「影武者」的
そして、さらにその偽義経すら殺されてるも、その魂が
抜けた肉体と、歴代の奥華の当主まで蘇り、東北に迫る
頼朝軍、殺されたのに同様蘇った遮那王、さらに祖先の
蘇りを善としない、秀衡の妻で、巫女として祠を司る
黄泉津の方の四者が、それぞれの利害で戦うという
こういう亡霊の活躍が非常に「大物浦」的でした。

ストーリーは相変わらず、中島さん流に風呂敷広げまくり
でしたが、大陸の歌うたい、としてなぜか登場している
静歌(藤原さくらさん。偶然とは言え、苗字が藤原という
のが絶妙)の歌がアクセントになったのも良かったですし、
やはり、義経記の世界は馴染みがあるので、いつもよりは
わからなくならず、楽しめました

ちなみに写真はまだ上演していた3月に、近くを通って
外観だけ撮影した時のものですが、今となれば、この時に
当日券ででも見ておけば良かったです

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「空に住む」を見る

Sora

青山真治監督は高橋洋くんはほぼご出演ですが、前回、
高橋くん目当てで見た監督作品「東京公園」は
ほぼ何を描き
たかったのか、東京の公園のPV程度でわざわざ映画にする
よくわからなかったし(暴言)、今回も、多部さん主演とはいえ、
宣伝もちょっとホワっとした雰囲気だったので、そんな環境映画に
なるのかな、動く高橋くんさえ見られれば、くらいで、
見に行きました

後で知ったのはこれが、もともと、曲の歌詞、そして
その世界観の小説化だったといういことで、まあそう
いう意味では全編やっぱりPVっぽさはぬぐえません
でしたが、多分、かなりの部分、多部さんのおかげで、
絵空事でも感情がリアルという、不思議な着地点の映画
でした。

投資用のマンションを持つ叔父伯母のおかげで、支出
なしでタワーマンション暮らし、弱小出版社に勤めながら、
(いや、オーナーさんのおかげで会社のサイズよりずっと
給与が良いのかもしれないし、すごい遺産を相続したの
かもしれないが)ぜいたくな食事に常に赤ワインを足つきの
ブルゴーニュタイプのグラスで飲む日常に、人気イケメン
俳優が同じマンションに住んでいて呆気なく関係を持つ
ことになるというのは、完全におとぎ話。

しかし前半薄っぺらいアラサー女子の恋愛もの、かと
思っていたのが、後半突然変調、物語に感情がこもりました。

それが、対人間でなく、対愛猫、というのが、逆に妙に
リアル。
タワーマンション暮らしという極端な環境変化のスト
レスかて、主人公直実の愛猫・ハルが、体調を崩して、
直実がペットロスになる部分が一番感情が直接表現されて
いて、多分、ペットを飼っている人にはかなり刺さり
そうな気もしますが、何よりハル役の俳優猫(笑)が、
人間をしのぐ超名演技でびっくりしました。

さて、洋くんですが、直実の勤める出版社の上司役で
さほど主筋にからみませんでしたが、台詞のテンポとか
ニュアンスがものすごくおもしろくて(話をしながら
爪を切るシーンが絶妙)印象的でした

それにしてもこの映画、脇のキャストが豪華でびっくり

猫の葬儀屋さんが永瀬さんなのはともかく、直実の同僚役
岸井さんは勿論絶妙な味わいでしたし、直実が担当の
作家役が「わたナギ」のナギサさん臭一切ない大森さん、
直実の同僚には、これも単独のシーンがないのに、土井
ケイトさん、更に、作家の奥さん役が、セリフが全くなく、
直実が道で見かけて挨拶するだけなのに、 片岡礼子さん
だったのは正直、贅沢すぎるレベルでした。
トレンディ(死語)恋愛ドラマと思ったら、猫が助演女優
賞の、「ちゃんと地に足を付けて生きろ」なドラマだった
ギャップには驚きましたが、となれば、タイトルがこれと
言うのは、逆になかなか皮肉が利いていました

もう一言言うなら、直実があの後、叔父叔母の援助を返上
して、タワマンから出て、川の向こうに引っ越ししたり
何か変化したかが、ちょっと気になるところですね

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2020.10.25

「十月大歌舞伎」まとめ

202010kabuki

今月は結局、3部と4部のみ拝見。

「梶原平三誉石切」
七ヶ月ぶりに、生で仁左衛門さんを拝見。

仁左衛門さんの「梶原」は珍しいと思ったら、15年とか、
それ以上ぶりだとか。

そもそも「石切」は吉右衛門さん、白鸚さんの、高麗屋/
播磨屋ご兄弟がよくなさる芝居で、多分、それ以外は、
襲名で彦三郎さんが家の芸の羽左衛門家の型でなさった
以外に、殆ど記憶がありません

しかもここでも何度も書いてますが、個人的には、正直、
殆ど面白いと思った事がない芝居だったのですが、仁左衛門
さん梶原の爽やかさと、明確なストーリー運び、ラストに
最終的には敵役になる事が含まれた潔の良さ、脇の役者の
揃い具合で(とりわけ歌六さんお見事)、殆ど初めて、なる
ほど、と肚落ちし、梶原をちょっとだけ見直しました
(何故か上から(笑))

特に梶原が刀を手にした時の余りに素敵過ぎる立ち姿に、
舞台写真を3枚も買ってしまいました
(単なる仁左衛門さん贔屓でしかない(笑))

石の切り方が、高麗屋/播磨屋兄弟と違っていましたし、
懐紙をブワっと後ろに投げるのも格好良かったです

しかし、そもそもは敵役の梶原、しかも最近「子午線~」の
観すぎで、仁左衛門さんの梶原が今井朋彦さんに見えて仕方
なく、一人苦笑していました。

脇では、梶原方の武将役で出演していた歌之助くんが若いのに
クリアな口跡が印象的でしたし、彌十郎さんの大場に度量が
ありました
因みに梶原の小姓二人のビジュアルが対照的過ぎ、目立ち
過ぎて目が離せませんでした(笑)

4部は前月に続いて、玉三郎さんの一人舞台。
バックステージツアー映像は前月とほぼ同じ。
演目は「楊貴妃」
方士役の中車さんと絡む部分は映像、一人部分はライブに
なってましたが、長さはある程度あったので、それなら
そんなに接近しての形も不要だし、方士も役者出して普通に
上演でも良かった気はします
それにしても、とにかく「傾城の美女」に相応しい美しさでした。

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映画「博士と狂人」を見る

Hakase

辞書作りの苦労にまつわる映画と言えば「船を編む」が
記憶に新しいですが、こちらはスケールもタイムスパン
(初版まで70年!)も、規格外な上に、史実に基づいている
と言うにはインパクトのあるエピソードが中心にあり、
何より、ショーン・ペンとメル・ギブソンと言う、若い
頃は、確実に「ヤバい奴」「火傷上等」だったお二人の共演。
ベテランになったとは言え、タイトルからしてもタダゴト
ではないだろうとは思っていましたが、期待通り?でした

時間に対してエピソードを詰め込み過ぎの感は否めませんし
特にショーンのシーンに不安を掻き立てられずにはいられ
ない場面も多くて、なかなか疲れましたが、久しぶりに
「凄い映画を見た」気がしました

前半は、独学の語学の天才、マレー(メル)が「権威」と
戦いながら、オックスフォード辞典の編纂にあたるまでと
戦場の後遺症から人違い殺人を犯した、アメリカ人元軍医の
ウィリアム(ショーン)の病院での過酷な日々が交わらずに
進むのが、本に挟まれた一枚の紙から、二人が奇跡的に
出会うところが前半の山場
二人が病院中庭で対面し、マレーが「どっちが狂人かな」と
言うセリフが印象的でした。

しかしその蜜月からウィリアムに対する医師の意図的な
「悪化治療」、そして彼の「贖罪」が招く厳しめな後半が
またなかなかですが、友情のために取るマレーの行動は
全く素晴らしい!の一言。

ラストの実際のウィリアムの写真のシーン
まで、ドキドキが止まりませんでした

偶然にも、先日見た「スパイの妻」(別項)同様、「何を
正常と呼ぶのか」「何が幸せなのか」と言うのが、強く
刺さる映画でした

開館が少ない事もあってか意外に混んでいて、見上げる
席になったための身体的な部分を含めて、ちょっと疲れ
ましたが、見応え充分でした

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2020.10.20

新国立劇場版「リチャード二世」に合わせた、河合先生の朝カル講座はオンラインで実施

朝カルのシェイクスピア講座がZnomで実施されました
「Zoom」は会社ですっかり慣れていたので、違和感なし。

当日画面に出る資料は事前にPDFで提供されて予習できるし
受講者は音声のみ参加、質問も匿名で出す仕組みで、非常に
スムーズでした。

まあ、時間ぴったり終了目指されたためか、質問okだった
割には質問の回答(扱い自体)があっさりで残念でしたが。

会場の挙手質問より質問内容次第で取捨選択できる分、効率的かと
思いましたが、質問自体も少なかったのは、する方も内容を聞き
ながら、スマホで質問を手打ちするのを面倒に感じた(私も)
からかも知れません
事前募集したら良かったかも。

お約束の原文読み上げ(最近、河合先生講座では長くなり
つつあり)と、翻訳ご意見部分が結構ありましたが、個人的
には英文科大学の講義ではないので、英文のリズムの
話より、歴史的背景、戯曲と史実との差異や戯曲ならではの
ダイナミズムの話がもっと聞きたかった気はしました

その点で、グロスター公トマスの暗殺計画にまつわる、
モーブレーとボリングブルックの決闘のいきさつなどは
聞けて次の観劇時に非常に役立ちました

私は見納めましたが、公演はいよいよ後半。
改めて総括感想をあげます

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「芸術新潮」10月号は、シェイクスピア歴史劇鑑賞の参考になります。

202010geishin

表紙はエリザベス一世肖像で、特集はまさに上演中の新国立
「リチャード二世」にも関連する、「名画は語る!王と女王の
英国史」

王室系図やら戦い、城の地図、そして各論で、小分類には
「首斬り王と首斬られ王」「外国人ですが、それがなにか」
(絶妙)など、特徴ある王たちのエピソードを、肖像画と
共に紹介。
なかには、「7days Queen」のレディ・グレイのエピソードも
あって、いかに英国の王国史が、歴史的にも、文化的にも
頻繁に創作の源泉になったか(ネタにされた、とも言える)
良く判り、更に興味が湧き、久しぶりに「芸術新潮」購入
しました
開催中の『King & Queen展』行くか迷っているのですが、
これでちょっと満足してしまったかも(笑)

因みに、「Pen」最新号の表紙は鋼太郎さんで、特集が
「読書」
とくれば、本文の鋼太郎さんのインタビューの内容は読む
前から「シェイクスピア」と想像がつく訳で、実際その
通りでした。


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WOWOW「劇場の火を消すな~本多劇場編」は、荒川さんの講談が見もの

「MANSAI◎解体新書」話、続き。
伯山さんは、裕基くんの狂言を生でご覧になったそうで
親子が師匠と弟子なのはどんな感じか、伝芸は全て最初は
真似から入る、みたいな流れから、WOWOWの番組のために
伯山さんが荒川良々さんに講談を指導したエピソードに。

伯山さんが、さすが役者さんは、真似て見せるのが本当に
上手い(誉めてる)と言っていたのが耳に残っていたので
WOWOWのその番組を見てみさしたが、びっくりするほど
ちゃんとした長さの話を、荒川さん、普段のイメージとは
違って(笑)、真面目に、講談されてましたが、確かにそこ
ここに、伯山さんぽい手つきとかがあって、これの事を
言っているのかも、と思いました

タイトルは新作「本多劇場物語」で、良々さんによれば、
「宮藤官九郎さんがwikipediaだけをもとに作った」そう
ですが、番組には他のコーナー(松尾さんなどへの「俳優
へのダメだし方」とか)ありましたが、荒川さん講談が
結局一番面白かったです

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2020.10.17

「MANSAI◎解体新書 その参拾壱~『伝』~語と読に通底するもの(トランスバーサル)」で、初めて生で講談を聞く

Shinsho

本当に久しぶりの世田谷パブリックシアター

確実に「今をときめく」と言う言葉か当てはまる、講談師の
神田伯山さんが「解体」ゲストと聞いて、遂に「解体」の
皆勤賞もストップするか、とかなり覚悟しましたが、何とか
皆勤は継続、また、生まれて初めて生で講談を拝聴しました

萬斎さんによる「講談風・奈須与市語」もなかなかでしたが
「与市」も一人語りの間狂言だった事で、狂言と講談、同じ
語り芸と言いながらも、違う部分をちょっと感じた気が
しました

細かい事、正確な事は判りませんが、狂言の一人語りでは
登場人物の動き、セリフ、ト書きの繰り返しで進むので、
芝居の戯曲を読む感じがしますが、講談では、間に「今で
いうなら何とか」とか「この男、やや思い込みが強い性格で」
みたいな、さらに物語世界を俯瞰する第三者の目線が入り、
まさに小説を地の文から読み聞かせる、感じがしました
勿論、伯山さんの方が随分若く、異業種の強みで、和泉流の
家元はどうなっているのか、プロ講談師に女性はいるが、
狂言は特定の家にしかプロ女性狂言師がいないが、どう
言う感じなのか、とか、まあ、なかなか聞きにくい質問を
ズバズバ萬斎さんに「ゲストがこんなに質問したらダメ
かも」とか言いながら、萬斎さんを苦笑させまくっていました

その、伯山さんの講談、映像とかでは聞いた事はありましたが
生は初めてでしたが、はやり「耳ごこち」が極めポイント
だと思いました
聞いている方もつい一緒に息を詰めてしまい疲れてしまい
ました(笑)

それにしても、今回はまだ席を市松売りしていましたが
間が空いたところで、結局、その分、知り合い同士だと
身を乗り出して大声でしゃべり合う、いかにも「関係者」
「お友達」な年輩グループをあちこちで目撃。
年齢による聴力低下は致し方ないとは言え、席配置の意味を
理解してないのに呆れました。
スタッフも遠慮か注意しない。
ルールやマナーと言うと、何かと「若者」がターゲットに
なりますが、「だけじゃない」ですね

さあ、いよいよ次は、久しぶりにパブリックシアターでの
「観劇」
来年の「子午線~」まで無事に進みますように

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仁左衛門さんの「石切梶原」

正直、殆ど面白かった事がない「石切梶原」ですが、仁左
衛門さんのおかげか(贔屓だし)、歌六さんのスーパーサブ
ぶりのおかげか、殆ど初めて、なるほど、と思え、やる
じゃん梶原、と思いました(笑)

登場人物をちょっと減らしたり、話をちょっと刈り込んで
いるのも良かったのかも知れませんが、十何年ぶりとは
思えない、鮮やかで軽やかで、勿論、その先の悲劇も匂わせ
ての一幕でした。

「十月歌舞伎」、また改めてちゃんと書きます

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2020.10.13

「九月大歌舞伎」まとめ

202009kabuki

観たのは2部以外で、1部は「寿曽我対面」、3部は「双蝶々
曲輪日記~引窓」、4部は玉三郎さんによる、映像と実演に
よる「鷺娘」でした

元々、踊りは苦手と避けているのですが、今回4部で玉三郎
さんが、何やら映像版歌舞伎座バックステージツアーをされて
いると聞いて、後からチケット追加。
結局、4部が一番印象に残りました

何と言っても、バックステージが、普通の劇場の比ではなく、
特に大小様々な迫り(セリ)は想像以上。
更にいくら慣れているとは言え、玉三郎さん、結構スッパリ
下まで抜けている大迫りの、すぐ脇で淡々と説明されて
いるので、見ているこちらがゾワっとしました

「鷺娘」をフルでは「踊り納めた」との、ご自身のお気持ちも
あり、映像とリアルを繋いで一曲と言う仕掛けでしたが、
正直、どちらを見たら良いのか、なかなか難しく、また、
過去映像と現在の違いがわかってしまう点で、ちょっと
残酷と言うか違和感はありました。

それでも、映像/実演前の口上の背景に、同月の歌舞伎座の
外観を絵にした物を見せたり、舞台側から見た客席(開場
前の空席)を描いた巨大なパネルが用意されていたりして、
それらが動く、でも仕掛けがあるでもないのに、シンプルに
何か有難い気がしました

無論、本題の「鷺娘」は 正直相変わらず綺麗だ、以外は
解説なしで判らないもどかしさが拭えず、でしたが(苦笑)

「対面曽我」は、五郎にはガッカリしながらも、梅玉さんの
工藤が絶品。
ただし、この手の様式美が全て、みたいな芝居では、個人的
には最近変なクセの人がいてイライラする大向うも、流石に
こればかりは、かからないと、締まりがなくなる事を実感。
特に工藤が上手の座につくために、一度、平場に下りてきて
客席に向かって一礼するところで、客席が全く静かなまま
だった時の変な空気感は、滅多にない「寒さ」でした。

「引窓」は吉右衛門さんと菊之助さんの顔合わせ。
安定感はあり、楽しめましたが、この組み合わせを以て
しても、この話自体は苦手な事には変わりなし、でした。

8月と同じ、市松客席配置に、貸出品なし、筋書なし
でしたが、イヤホンガイドは復活

来月からは桟敷も、筋書も復活だそうなので、歌舞伎座も
少しずつ元に戻りつつありますね

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「ブロードウェイ・ミュージカル・ライブ2020」

Bwml

オーチャードホールは文化村で一番縁のない施設で、久し
ぶり過ぎて、フツーに入口迷子になりました(笑)

成河くんが、アフターライブイベントのスペシャルゲストと
して「King Herode's Song」1曲歌うためだけにに出演される
と知り、贅沢とは思いましたが、チケット取りました
何しろ去年の「ジーザス~」のヘロデ王、2時間余の作品で
わずかこれ1曲歌っただけにも拘わらす(これ自体が既に
かなり贅沢。強烈台風上陸と重なって公演数減りましたし)、
インパクトが余りに凄く(ヘロデが元々そう言う役ですが)、
これは聞き逃せませんでした

本編終了後、司会者からイベントの趣旨を説明して、成河
くん呼び入れあって、いよいよ。

中のシャツの柄が少し違う気がしましたが、去年のオーブと
ほぼ同じ、紫系の青メインの衣装に濃いめのお化粧に、水の
ペットボトル持参してご登場

世界観が完結した、本編のあとと言う事で、やりにくそうに
しながらの挨拶の後、いつもの、やや高めの早口で、JCSと
ヘロデについての歴史的解説と歌のシチュエーションに
ついて、非常にコンパクトに手際よく説明し、何故か司会者を
センターに居残ってもらい、「開幕」

始まってすぐに、司会者を残したのは、彼女をジーザスに
見立てるためだった事が判りましたし、ペットボトルは、
ただ途中水分補給するためだけでなく、「Change my water
into wine」で、司会者に投げる、と言う小道具にもなりました。

オーブのような、ジャングルジムセットがないため、アクロ
バティクな動きは少なめでしたが、それでもステージの
自身の後ろにある段差をノールックで上がっていく身体能力、

最後にはこれも当然のように、司会者からペットボトルを
回収、して、颯爽と退場、相変わらずなショーストップ
ぶりでした

勿論、本編も拝見したのですが、コンサート形式のため
曲ごとに歌い手が変わり、曲もパンフレットを買わなかった
ため、判ったのは、「アニー」と「ボディーガード」くらい。
(それも間違ってるかも)

いかに私の見ている「ミュージカル」のカテゴリーが限ら
れているか、特に今回のテーマだったブロードウェイミュー
ジカルに殆ど馴染みがない事を痛感しました

知らない中でも、先日「Violet」にも出演されていたspiさんの
パフォーマンスが素晴らしかったので、調べたら、「ヘド
ヴィグ~」の曲だったようです

吉原さんは演出、とありましたが、一曲くらい登場されるかと
思いましたが、本当に声だけでした

そんな間にも、また今月末、成河くんのミュージカル系
お仕事の案内がありましたが、来月は国立劇場の歌舞伎で
昼が吉右衛門さんの「俊寛」、夜は仁左衛門さんの「毛谷村」。
どちらも同月の歌舞伎座の演目より(私の好みですが)かなり
上を行くため、悩みどころ、です

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2020.10.12

ロート製薬の「目の愛護デー」新聞広告

Wazato

日経一面広告で、文字が全部裏向きに印刷されていました
タイトルは「わざとですよ」

以下本文には、目は文句も言わずに頑張ってます、と言う
文章が書いてありましたが、本当にちゃんと読めるものです

中の「愚」の文字など、ちゃんとした向きに印刷されている
ように見えてしまったほど。

まあここ1年で極端に視力が落ちたのは自覚しているので
改めて目の有り難みも感じた広告でした
何より、新聞広告でないと出ない説得力かも、です。

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2020.10.11

「麒麟がくる」に廣田高志さんが!

HirotaHirota1

「麒麟~」に陣内さんが登場するとあって録画しながら見て
いたら、織田家家臣の中に、どう見ても蜷川さん(さいたま)
シェイクスピアシリーズでは、ほぼレギュラーな廣田高志
さんが!
思わずリアタイストップして、クレジットで名前を確認
してしまいました

シェイクスピアでは「重臣」レギュラーの廣田さんだけに
家臣団に混じっているだけで、重みが増す気がします(笑)
因みに演じている、村井貞勝とは、一般的には知名度は
高くない(私も知らなかった)人ですが、かなり初期からの
家臣で、京都所司代に任じられたり、二条城の普請をしたり
かなり信長の信任が厚かったようです
(何しろ長く仕えて死なないだけでも判る)

因みに東庵宅外で、藤吉郎に声をかけた三好家家臣役で
出演していたのは、廣田さんと同じ文学座の池田倫太郎さん

長谷川博己さんも元は文学座座員でしたから、戦国近畿に
文学座密集(笑)
(そうそう、家康伯父役の横田さんも文学座)

それにしても、前回の終盤の、朝倉義景の嫡男が毒殺された
エピソードは、野望があった義景が、いわばそれでやる気を
失うきっかけを描いたのでしょうが、どうも、それまでの
「麒麟」における歴代?道三や信長の「毒殺シリーズ」に
比べると、後味が極端に悪い気がしたのは、加害者がはっ
きりしなかったからでしょうか?
更に今回、陣内宗久が茶とか点てるから、また毒がらみかと
ヒヤヒヤしました…

さて、光秀は信長に仕える事を拒否(保留)して、最初に
信長を失望させましたね
ここまで才能を買っていただけに、最初の歯車が狂った
感じがしました
しかも、信長は光秀には「武装しないで入京とかありえない」
と言っておきながら、結局、武装せずに入京しているのだから
義昭の意向だったとしても、光秀としても不愉快だったかも。
いよいよ、色々ややこしくなってきましたね~(ワクワク)

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2020.10.10

「十二人の怒れる男」を観る

Ikari

本当に久しぶりのシアターコクーン。

「Violet」が諦めた、舞台を客席が取り囲むスタイルでの
上演でした。

この劇場で、客席の向かい側に客席が見えるのは、蜷川
さんの「コースト・オブ・ユートピア」以来だったかも。

流石に最前列客はフェイスガード着用、席エリアごとに通路が
限定される導線と言った独自の対策(元々割と不便ですが)が
なされていました

今回も最近コクーンで続く、外国人演出家シリーズでしたが、
コロナ禍で当の演出家が来日できなかったそうで、稽古を
リモートでされたのだとか。
しかし、そのハンディは、元々の作品の完成度もありますが、
全く感じなかったですし、裁判員裁判制度についてのメリット/
デメリットが良く判る芝居でした

とにかく配役が良かったです。
冷静な仕切り役にベンガルさん、銀行員に堀さん、息子との
確執を抱える会社経営者に山崎一さん、論理的な株式仲介人に
石丸幹二さん、ナイフの使い方についてコメントする労働者に
小路勇介さん(唯一全く存じ上げない方でしたが、大人計画
所属とか。顔が見えず、残念)、義理を重んじる塗装工に
梶原善さん、裁判後にヤンキースの試合を見に行く予定の
サラリーマンに永山絢斗くん、問題提議をする建築家が
堤さん、思慮深い老紳士に青山達三さん、居丈高な経営者に
吉見一豊さん、時計職人に三上市朗さん。
そしてちゃらい感じの広告代理店社員を溝端くん。

どうしても、疑念を持つ建築家と、あくまで有罪を主張する
経営者二人の派手なやりとりに目が行きますが、個人的には
映像とかなり違う印象だった永山くんと、蜷川さん/鋼太郎
さんに鍛えられて舞台俳優らしくなった溝端くんに目が
行きました。
また、無個性と言う個性が際立つ堀さん、相変わらず矍鑠
たるセリフ回しの青山さん、先日「リア」の道化を見直した
ばかりの山崎さん、勿論、蜷川さんコクーン芝居では、特に
清水作品に次々主演した堤さん、「コースト~」出演した
石丸さんと、偶然か、蜷川さんに所縁の俳優さんが多かった
ので、ちょっとしみじみしました

吉見さんは、予定通りなら、来年の「子午線~」にお名前が
あり、顔ぶれから、多分、村田さんの代わりに民部をなさると
気配なのですが、あんな民部だとしたら、なかなか手強そう
(梶原だったらもっと嫌かもですが(笑))

そう言えば蜷川さんが10年ちょっと前に、同じコクーンで
この「十二人~」を演出されたのを見ましたが、何か何時もの
ような切れ味ないなと思いながら見た記憶があります

後から知ったのですが、当初、別の方が演出する予定だった
ものを、予定が変更になり、急遽蜷川さんが代打でなさった
のだとか。

確かにこの手の密室会話劇系は蜷川さんで他に見たことが
ないので、やはり蜷川さんには、同じセリフ過剰系でも
魑魅魍魎が出るとか、血で血を洗う系?の方が、馴染みが
良かったのかも知れません

ともあれ、この外国人演出家シリーズ、イマイチ好きになれ
ませんでしたが、今回は良かったです。

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「カツベン」WOWOWでオンエア

初オンエアされてました

ロードショー時、正直、成河くん演じる映写技師しか見て
なかったので(なんてこと(笑))、やっとちゃんと
ストーリーの流れが判りました(笑)

相変わらず、成河くん演じる上映技師さんの超絶技工に
目を奪われましたが、改めて見ると、成田くんをこの映画
あたりから、役、でなくて「成田凌」と言う、俳優さんの
名前で覚えはじめた気がします

先日「窮鼠はチーズの夢を見る」も見ましたがが、所謂
「若手イケメン俳優」さんの中では、ちょっと毛色が違って
気になる俳優さんの一人になりつつあります

更に劇中映画映像とか、作り込まれたセットとか、まだ
数回リピートして味わいたいです

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「エール」に谷田さん

予告通りに、谷田さんが予科練の教官?軍人役で、僅か
1話でしたが、ご出演されました

短時間で人望がある教官であり、そして、予科練の役割と
裕一に与えられた「役割」を、的確に把握している、冷静な
軍人と言うキャラクターが伝わる存在感でした。
しかも歌うとは!(笑)

福島のハーモニカ同好会の館林会長と言い、この濱中中佐と
言い、戦後にまたどこかで登場したりしないですかね…
(単に川口くん、谷田さんが見たいだけですが)

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2020.10.08

映画「ミッドナイトスワン」を見る

「任侠ヘルパー」にしても、映画「台風家族」でも、草なぎ
くんの演じるキャラは現実世界では絶対ありえないのに、
画面の中では、確実にその存在を手触りから掴める気がするし、
なんだか納得してしまうのが凄いです
また、「いいひと」とか「道」シリーズは別にして、舞台で
つかこうへいさんに見込まれたりした事も関係するのか、
早い時期から、アイドルと言うカテゴリーにしては極端な
役が元々多かった気はしますが、環境が変わった今回は
その振り切れっぷりが凄く、特に後半、そこまでやる?と
思うレベルで、ちょっと見るの厳しめなシーンもありました
が、それをさし引いたとしても重たいながら、見所の多い
映画でした

草なぎくんも勿論でしたが、親戚の娘、一果役の服部
樹咲さん、そして、その友達、りん役の上野鈴華さんが、
瑞々しさと危うさに満ちたお芝居で、ベテラン勢も霞む勢い
でした。

りんの「ジャンプ」までの、予想の斜め上を行く展開だった
前半に比べると、若干、説明的に、感傷過多になった分
後半、やや物足りなかったのが惜しまれますが、それでも
久しぶりに顔芸大会でも、学芸会でもない、歯ごたえの
ある映画でした

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2020.10.06

新国立劇場版「リチャード二世」は、蜷川版とはまるで違う芝居に見える。

Richard

タイトル通りです
また改めて書きますが、まずは国家の問題を自分の身の回り
2メートルくらいの問題としか思えなかった内向きで繊細な
リチャード二世王の静謐で悲劇的に滅亡を迎える精神世界を
描いたと思えた蜷川版(内田健司版、と言って良い)と
違って、負わされた責任を自覚できないまま、権力だけ行使
して自滅に至ったリチャードを、かなり俯瞰的に、喜劇的に
カリカチュア的に描いた鵜山版、でした

勿論、演じている役者の印象や年齢が印象を随分変えてもいて、
運命に押し潰された感が強かった、脆弱な内田リチャードに
比べて、良いオトナなんだから、もう少し真っ当な判断力が
あればこうはならなかったんじゃないか、感がどうしても
拭えなかった(笑)のが岡本リチャードでした。

他には、何よりオーマールが意外に主要な役で、亀田くんの
危なっかしい御曹司っぷりが愛おしすぎ(笑)
冒頭からパパ(ヨーク公。横田さん、渋っ!)に頼って
いて、途中一度、リチャード側につくも、最終的には、パパの
いや、ママの(那須さんの破壊力素敵すぎ)力で名誉も回復
する訳で、そこが、孤高の中で生きるリチャードと違いが
でましたし、モーブレーは策士っぽかった蜷川版に比べて
鵜山版はフレディマーキュリー的マッチョでいながら、
リチャードとの関わりが余り濃くなさそうでした
(蜷川版リチャードがはっきりしすぎだったとも言えます)

そしてやはり絶妙だったのが、「宮内大臣一座」ならぬ、
「新国シェイクスピア一座」ならではの配役。
ヘンリー六世からパパ・ヘンリー五世(ハル)に遡って演じた
浦井くんが、さらに遡って、更にその父にして、「四世」で
中嶋しゅうさんが演じ、放蕩児・ハルを心配しまくって
いたヘンリー四世の若い頃を演じていますが、ラスト近くの
「うちの放蕩息子がどうしているか誰も知らないのか」と
言うセリフは多分観客はみなニヤッとする仕掛けですね。
またノーフォークを演じた立川さんは、「四世」の時も
ノーフォークを演じてましたし(その時の息子、ホット・
スパー役は岡本さんだった)、何より、リチャード妃、9歳の!
イザベラを中嶋さんが演じてましたが、イザベラの妹は、
「五世」でヘンリー五世が、しどろもどろになりながら、
口説く、フランス王の娘、キャサリンの姉な訳で、中嶋さんが
どちらも演じていると言うのが腑に落ちました

そして横田さんが演じたヨーク公の孫が、「六世」で渡辺徹
さんが演じた、ヨーク公プランタジネットに繋がる訳で
(あんなに?ママが必死に庇ったオーマールは、後にヨーク
公となって、「五世」で、アジンコートで奮戦の挙句戦死)
こうやって演じられると、因縁(笑)や因果応報的な繋がり方が
より良く判りますね
(但し、横田さんだけは、蜷川版、鵜山版両方に別の役で
出演されているので、時々混乱しまし(笑))

なお、今回「リチャード二世」上演終了した10月下旬から
「ヘンリー六世」「リチャード三世」の上映会が行われる
のですが、「リチャード二世」を見てから録画しておいた
蜷川版「ヘンリー四世」を見たら、リチャード二世への言及
などあり、より内容とリンクしていて改めて面白かったので
ぜひ「ヘンリー四世」「ヘンリー五世」新国版ぜひ上映会
してほしいです

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