最近、WOWOWで続けて中村倫也くん出演の映画を
見ました
まずは去年公開の「影裏」。
実は、綾野くん出演というので、ロードショー時に
劇場で見ようかと思ったのですが、原作を先に読んで
みたら、結構地味だったので、映画はどうなんだろう?と
思ったのと、監督が「るろ剣」「ハゲタカ」の大友監督で
およそ原作イメージが違うのが気になって、結局見ない
ままにしていたもの。
で、見たら、やっぱり暗くて地味な映画でしたが(笑)
嫌いな種類のものでもなくて、大友さんてこういう映画も
撮るのかと、いい意味で裏切られました
前置きが長くなりましたが、これに中村倫也くんが出ていた
のは全く知らなくて、途中でいきなり、ものすごく完成度の
高い「女子」で登場したときは、かなりびっくりしました。
「天国と地獄」の、一生くんの内面「彩子さん」芝居を
見ながら、オールメールで上演したシェイクスピア
「から騒ぎ」で、一生くんに男勝りで異様に喋りまくる
勝気女子を演じさせた蜷川さんは全く慧眼、と毎回、
勝手に唸っているのですが、中村倫也くんの「女子役」
「女装役」歴?は今回の「影裏」を含め、その上を
行っているのは驚きです
最初に倫也くんの「女子」を見たのは一生くん同様に、
蜷川シェイクスピア舞台で、「恋の骨折り損」
ただし、この時はデビュー間もなかったので脇役だった
上に、相当台詞も出番も減らされたそうで、目立った
のは、姜くんと内田滋くんでした。
しかし、数年経っての、「ヴェニスの商人」ポーシャ役
では、強烈な猿之助さんシャイロックと堂々わたりあって
(トーク番組でご自身も、頑張って、蜷川さんから
ダメ出しなかったと言ってました)、舞台の中村くんを
認識した時期でした
更に、ある程度遠くから見る舞台と違って、至近距離で
撮影されるテレビドラマでも中村くんの「女子」クオリ
ティは変わらずで、「お義父さんと呼ばせて」でも
「キワモノ」にならないし、そして、そこから「凪のお暇」
だったり「ホリデイラブ」などの役柄の振り幅の広さでも、
「中村くんならあり」が確定。
今回の「影裏」も、あの地味な映画に、あの出方で
普通に馴染んでいたのはすごい、と、かなり感心しました。
ちなみに、もう一本は、ちょっと前、2009年公開の
「沈まぬ太陽」
言わずと知れた、山崎豊子原作の長尺もので、映画館で
途中で休憩が入ったのを覚えています
(途中休憩が入るのは、個人的には「風去り」「ゴッド
ファーザー(2)」「ルードヴィヒ」「ディアハンター」が
印象的で邦画では珍しい感じがしていました。
一部の黒澤作品とかそうらしいのですが、映画館で見て
いないので実感がありません)
とにかく冒頭の、有名な機内で父親が走り書きをする部分で
毎回涙腺崩壊してしまうのですが、今回その父親の息子役が
中村くんだったことに気が付きました
(勿論、まだずいぶん若い)
ついでに言うと、これはさらにクレジットを見て、主人公・
恩地の息子の子供時代が、北村匠海くんで、成長した
娘役が戸田恵梨香さんだったのにもびっくりしました。
そして、ラストに行天の前に立ち塞がる、東京地検
特捜部の検事役が、のちにWOWOWドラマ版(2016年)で
恩地を演じることになる上川さんだというのも、
なかなかびっくりでした
(このあたり完全に忘れてました)
まあ映画においては長尺としても、あの原作から
すればどうしても物足りない部分があって、個人的には
ドラマ版の方が(特にエンディング)面白い気はしま
した。
四月からは、同じWOWOWドラマ枠で、同じ山崎豊子
原作の「華麗なる一族」がオンエアされるのも、期待
しています