「デカローグ」(7~10)を観る
「デカローグ」第3期。
全話完結しました
これまでと同じ団地セットは、4エピソード、下手に
途中に踊り場付きの折り返し外階段つきと共通で、
「8」では巨大な可動壁が登場しましたが、あとは
ほぼそのまま。
各話の繋がり方が絶妙で、「8」の女性教授と近所
付き合いをしていた切手コレクターの男性には二人の
息子がいて、二人は父の死後の「10」で、父の遺品の
切手を巡って悲喜劇を繰り広げ、また女性教授の
授業の事例に「2」のエピソードが登場しました。
また切手コレクターが住んでいたのは「9」の夫妻
宅の近くで、兄弟が最初に厳重な警備システムを
知らずに父宅に入ろうとして警報音を鳴らすや、
妻の方が飛んできていました。
物語自体は「7」「8」が内容が重ため(特に「8」)
でしたが、「7」は安定の津田さん、「8」ではホーム
グラウンドの新感線の舞台では、超個性的な役柄で
お芝居にスパイスを加えるのを見慣れている高田聖子
さんが、超抑えめ、しかも岡本玲さんのお芝居を
受けとめ続ける静のお芝居が素晴らしく印象に残り
ました。
「9」は本人たちが真剣な割に、「10」は欲に目が
眩んだばかりに、どちらも傍目にはかなり笑えましたが、
オリジナルのドラマシリーズから随分経っているとは
思えないほど、今の日本でも全く同じシチュエー
ションで混迷しまくる人たちがいそうな普遍性を
感じました。
また今期は特別な「キャスト」が登場。
「10」には本物の犬。
出ハケするだけでしたが、出演時間に制限があった
ようで、途中で、「10」の上演順が当初のスケジュールと
入れ替えになったりしたようです。
そして何よりのスペシャルキャストが(笑)、常々、
新国立劇場ロビーでその舞台に関連する様々なコスプレ?を
して私たちを楽しませてくれている、新国クマくん
たちか、なんと遂に「7」に、出演!
小(?)道具として登場し、担がれてグダッとしたまま
退場するだけでしたが(笑)、楽屋入りしてない片割れは、
ロビーで「アンダースタディ、いつでも出演できるよ!」と
アピールしてました
観劇とは別日に開催された、上演台本担当の須貝さん、
演出の上村さんと小川さん、そして全話に登場して
いた亀田さんの4人による、「デカローグ」スペシャル
トークイベントにも参加しました。
1期と3期は二人の演出家が2話ずつで、それぞれ
稽古は別のキャストでしたが、2期だけは共通の
キャストを含んで、小川さん上村さんが1話ずつ演出
だった事や、連続上演のため、本番の舞台をしながら、
あとの期の稽古もしていたので、亀田さんのスケ
ジュールが分刻みでアイドルのようだったとか(笑)、
観ただけでは判らない、シリーズならではのエピソードを
お聞きできて面白かったです
ただ、みなさんはそれぞれのエピソードを2時間ものの
舞台にしてみたい、など仰ってましたが、私は意外に、
今回のような短い方が、観客のイマジネーションを
かきたてるし、テンポよく、主題部分たけにしっかり
焦点があたってダレずに面白いのでは?と言う気は
しました
「1」から「10」まで、まさにオムニバスの連続
ドラマを見るようで、私はとても面白かったです。





