歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」を観る
一面も強くなります。
劇場前は勿論、幕間の客席とロビーは、あちこちで
記念撮影スポットでしたし、地下の木挽町広場も
いつも以上に大にぎわい。
一方、そんな訳で歌舞伎鑑賞頻度のそこまで高くない
お客様も多く、殆ど仕方のない話ですが、普段起きない
タイミングで拍手が出たり、休憩ではない「つなぎの
柝」を幕間の合図と思って席を立ってしまう方も多発。
結局、暗い中、係員に誘導されて戻ってくる事に
なってお気の毒で、ここは係員が出ていく前に説明
してでも押し戻さないと、座って見ている側の視界も
妨げる事にもなりますし。
「1部」は巳之助くんと児太郎さんで「ゆうれい貸家」
この芝居、それぞれのお父様が、かつて同じ役を
なさっていたそうですが、当代コンビの方が背丈の
バランスが合います。
児太郎くんは幽霊やるにはちょっとガタイが良すぎ
かもですが(笑)、お父さん同様コメディセンスが
ありますし、地声出さずに声色を操れるので、お父さん
より自然で良かったですし、脇もほぼ同世代で固め
られるようになってきて何よりです。
「2部」
勘九郎さんの初役での「梅雨小袖昔八丈~髪結新三」
新三が髪結の所作を見せるところや、鰹売り(今回は
いてうさんが大熱演)の手捌きと話術、大口たたいてる
新三が、結局、口八丁手八丁上手の家主(今回は弥十郎
さん)にまんまと十五両掠め取られるところは見所と
理解はしますし、新三役は、お好きな役者さん多い
ようで、結構な頻度でかかりますから、まあまあの
回数拝見してます
江戸の鯔背(書かれたのは明治になってかららしいので、
ノスタルジーさが偏に出ているのかも)を味わうのが
正しいらしいのですが、似たような生世話ものの
「文七元結」や「魚屋宗五郎」に比べても、何か
個人的には毎回すっきりしません。
笑えないレベルの悪事を堂々と働いている新三が
裁かれもしないし、本人も反省もしなければバチも
当たらない(筋としてはラストで源七に殺られるらしい
のですが上演されない)のがイライラしてしまう(笑)
勿論悪人が主人公の作品は歌舞伎にもあり、好きな
作品もあります。
代表的なのは「霊験亀山鉾」
これも含めて「四谷怪談」に「盟三五大切」「桜姫
東文章」と南北先生作品に集中してかなりヤバい奴ら(笑)が
出てきますが、シェイクスピアの「リチャード三世」も
ですが、自意識に潜む罪悪感が弱みになるとか、
足元を掬われる弱点を相手に握られて、最終的には
「舞台上で」ちゃんと討たれて、「カッコよかった
んだけど、あれじゃ仕方ないね」と思って帰りたい
(個人的に」或いは「盟三五大切」のように散々
悪事を働いていたのも、実は彼らなりに成したい
大望があるとか(これはかなり無理矢理な感じもある
けれど)なんかないとなぁ。
で「新三」です。
勘九郎さんの新三は意外にも、お父様の隠しても
滲む無駄な(笑)可愛げ抜きで、強面前面でした。
幸四郎さんの源七も、まださすがに老侠客には若すぎて
(私のイメージは歌六さまか梅玉さまくらい)新三
くらい軽く一太刀だろ、な殺気が隠せない(笑)
また、忠七の七之助くんの独白?も、新三と勝奴の
二人暮らしの御自宅?シーンも、なんだか舞台の
白々とした広さが気になりました
(新三宅は物理的にも広すぎ(笑))
あと20年くらいしたら、「初役の時に見たのよ~」と、
自慢するかもですけどね。
3部「狐花~葉不見冥府路行」
京極夏彦さんの書き下ろし
外題は「はもみずにあのよのみちゆき」と読むらしいです
京極さん作品と歌舞伎の相性はかなり良いだろう、と
前から思ってしまいましたが、それでも多分クリア
すべきポイントは二つ、と事前に見ていて、やはり
それが課題になった気がしました。
ひとつ目。
京極作品のため、当然ながら話が長い。
同時に書き下ろした同名の小説版に比べたら格段に
短かったらしいですが、それでも200頁あまりあった
ものを、休憩込み3時間にするのはかなり難易度高い。
またそのために、説明セリフが増えてしまい、歌舞伎の
動きが魅力がかなり封じられたのも、折角歌舞伎で
やるのに惜しい。
二つ目
話が分かりにくい
みんなが書き下ろし小説読んでから来る訳ではないのと
文字(漢字)なら見分け聞き分けられるキャラクター、
人間関係が、耳だけ音だけとなると、かなりわかり
づらくなるのを無視した複雑な人間関係を押しきろうと
したこと。
再演繰り返せば変わるようにはなるでしょうが、
かなり取っつきが悪い。
また、七之助くんのキャラクターについて、あとから
「実は」とあかされましたが、歌舞伎なのだから
全然「匂わせ」できたのに。
逆に、染五郎くんがこれまでにない腹に一物ある役柄
だったのが今後頼もしく、なにより、テーマに据えた
彼岸花のセットは非常に美しくよかったです。
あとはとにかく舞台面がずっと暗すぎ(笑)
もう少しメリハリないと、彼岸花が映えないかなと。
まあ夏芝居が守りに入ったらおしまいですが、もう少し
お遊びも欲しかったかな。











