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2024.09.30

映画「侍タイムスリッパー」を見る

お彼岸の三連休、舞台の予定はすでに詰め込んで
いましたが、さらに映画もと目論んでいました

最初「スオミ~」にするか「ラストマイル」にするかと
思っていたのですが、時間確認のためにTOTOシネマズ
サイトを見たら、少し前に、山口馬木也さんが出演の
時代劇自主製作映画が、単館ながら東京でも劇場公開
される、とニュースになっていた映画「侍タイム
スリッパー」が、いつのまにかロードショー館でも
拡大公開されていて、とは言え、期間短いと見逃し
そうなので予定を変更して見てきました

同じような経緯で最終的に大ヒットとなった映画に
因んで「第2の『カメ止め』」と言われたりしていて、
確かに映画を撮影すると言う内容もは似ていましたし、
またメイキングを読めたら随分面白そうなのにパンフ
レットがないとか、監督が他にも10くらい役割を
兼ねている、とか、映画の助監督さんが助監督役として
出演もしているなど、自主製作映画あるあるもたくさん
ありましたが、仕上がりは自主製作映画、と言して
イメージするものよりは随分本格的だったのは、
脚本の内容に共感した京都の撮影所が全面協力された
と言うのが大きいかも知れません

ざっくりいうと、幕末から京都の撮影所にタイム
スリップしてきた、山口馬木也さん演じる侍・高坂が、
時代劇の斬られ役俳優として活躍?する京都の時代劇
撮影所のバックステージもの
時代劇撮影所のバックステージもの、と言えば.川栄李奈
さんヒロイン、本郷奏多さん斬られ役役者若手、
松重豊さんベテラン斬られ役役者による朝ドラの
「カムカムエブリバディ」の第3部で随分細かく
やっていたのを見ていたので、やや既視感があり、
途中ちょっと大丈夫かな、と思いましたが、後半は
違う展開を見せました。
後半登場した冨家さん演じる「時代劇の大御所俳優」
風見さん(実はこの方も…)に相手役に抜擢されての
映画撮影のクライマックスがシーン撮影がこの映画
自体のクライマックスで、まあ、もうそこは山口さんと
冨家さんのかっこよさが炸裂
ここについてはかなり役者さん頼みだったかも(笑)
因みに撮影シーンでの「カメラは止めるな!」セリフは
狙いですね(笑)

映画はまた時代劇映画が作られていく日常で終わって
いましたが、冷静に考えると、高坂や風見のような
「プロの人材」がいないと、時代劇の存続は難しい、
と言う結構シビアなメッセージをも含んだ結論に
なっている気もしましたが、ともあれ、脇でいつも
渋さ炸裂の山口馬木也さんを2時間たっぷり拝見できで
満足しました。

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2024.09.21

代名詞の応酬が難易度高かった二人芝居×2 「A Number―数」「What If If Only―もしも もしせめて」

久しぶりの世田谷パプリックシアター。
いま東京は国立劇場も、Bunkamuraも休館中。更に来年は帝劇も休館予定、ACTは「ハリポタ」専用
劇場化のため、劇場が恐ろしく不足。
この作品もSEPTでの上演 でしたが、実はBunkamuraプロデュース。

だからなのか、チケット高い!(毒)
SEPTの3階で休憩時館込みで、2時間弱が8000円って!
歌舞伎座3B席なら4000円で、少なくとも4時間は
楽しめます
う~む。

美術はおしゃれでした。
頂点を客席に向けた正方形(立方体)の、一部屋の
セットで、「What if if only」はキッチン、「A Number
数~」はピンク色が印象的なソファが二つ置かれた
リビング?でした。

場面転換時は四方と天井?を覆うカバーのようなものが
降りてきて、降りている間はスクリーンになって、
音に合わせた映像が映写されていました

「What if ifo nly もしももしせめて」
25分の短い作品でしたが、演出家さん、浅野和之さんの
「必殺技」をよくご存じで(笑)
ロングヘアに赤いワンピース姿とか、まさか「ベッジ・
パードン」をご覧になった筈はないでしょうが、
思わず笑ってしまいました。
そのせいで最初話がちょっと入ってこず(笑)
さらにワンピースの女性(起きなかった未来の亡霊)と、
黒服の男性(現在)の2役、しかもどちらもとんでも
ないところから登退場の神出鬼没
相手の大東さん、よく近くにいて笑い出さないものと
感心してました
(勿論ポイントはそこじゃない(笑)

こちらの話はまあまあわかりました。
想定外に失った人を悲しむ主人公が、現実を受け
入れるまでの気持ちの変化の内面だなと。

問題は、堤さんと瀬戸くんによる「A Number~数」
クローンが実現した未来に、息子を失った父親が
クローンを作る
するとクローン(1)(2)、さらに本当の息子まで順に
登場して次々父親を追い詰める
堤さんが父親を、瀬戸くんが3人の「息子」を演じて
いるのだけれど、とにかくセリフがわからない。
おうむ返しに代名詞、間とか。
あとから「X」の書き込みとか見ると、パンフレット
(2000円、こちらも高額、Bunkamura価格)を読むと
かなり理解の助けになるらしいのですが、(攻略本、
と言う書き込みも)、攻略本がないと、わからない芝居
ってどうなんでしょう。
予備知識前提なら、チケット購入者全員に、事前に
予習資料配付でお願いしたいです(苦笑) 

役者さんがみなさん上手かったことは間違いないの
ですが、難易度高くて、「はて?」がかなり残った
舞台でしたが、もう一度観るにはチケット代高すぎ
(結局そこ)

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シェイクスピア四大悲劇year、掉尾を飾る「リア王」

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今年は全く「シェイクスピアyear」
特に、内田くんの「マクベス」からはじまって、
吉田羊さんの「ハムレット(Q1)」、横田さん待望の
復帰作「オセロ」ときて、ついに木場さんの「リア王
(の悲劇)」て、一年で四大悲劇コンプリートできろ
と言うレアな年になりました。
(更に夏には「シンベリン」があり、なんと年末には
草彅くんで「ヴェニスの商人」もやる)

今回は「リア王」でなく、「リア王の悲劇」と言う
タイトル
以前に、佐藤信さんの演出、世田谷パプリックシアター
石橋蓮司さんのタイトルロールの時に、このタイトル
のを見ていますが、長かったのと(笑)、階段の多い
役者に負担の大きい舞台セットだったのを覚えていますが
その時はタイトルによる違いまでは理解できません
でした。

翻訳の河合先生のレクチャー文章を読むと、通常の
「リア」はフォーリオとクオートの折衷版で、今回は
フォーリオのみの新訳、と言う事だそう。
それぞれの違いの詳細は、今回の台本の翻訳である、
河合先生の「リア」翻訳文庫の巻末に、
「QにあってFで削除」と
「QになくてFで追加」と
言う、かなりマニアックな比較の付録がついてました。

そして木場さんのリアです
これまで、蜷川さんの「ヘンリー四世」でのタイトル
ロールを演じられていますし、リアをされるに本当に
ぴったり。
他にエドガーを土井ケイトさんがなさるのがどう
見えるか、とか、やんちゃな兄ちゃん役が殆どだった
章平くんの悪役エドマンドは?、そして「デカローグ」で
印象的だった石母田さんのケントにも期待してうかがい
ました
勿論、蜷川さんシェイクスピアの常連だった、新川さん、
二反田さん、塚本さんのご出演は絶対的安心感!

初日の印象としては、土井さんのエドガーの肚落ちは
まだもう一歩でしたが、章平くんのモテモテの策略家
エドマンドがかっこ良かったですし、三姉妹もそれぞれ
個性的でした
因みに今回は、コーディリアと道化を同じ役者さんが
なさるバージョンでした
(役者さんが、蜷川さん演出、平さんリアの時の
内山理名さんにかなり似ていた気が)

因みに、今回は舞台上に仮設客席を作る、とあって、
さい芸の「ネクスト」の時みたいな、三方正面とか
かと思いましたか、舞台の広さもそこまで狭くなって
なく、客席もそこまで違和感がなく、要は藤田さんが
使いやすいサイズにkAATの舞台をリモデルしたと言うか
つまりはkAATの舞台が、これだけやって狭くならない
くらい、そもそも相当広い、と言う事なのかも(笑)

もう一度拝見する予定なので、モヤモヤを解消して
きたいです。

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理不尽と思いながら結局ボロ泣きする「妹背山婦女庭訓~吉野川」

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最近、歌舞伎・文楽作品の中で一番にハマっている
作品が「妹背山」
今月は歌舞伎座で「花渡し」と「吉野川」だけを上演
去年は国立で通しをやりましたが、大判事清澄は
松緑さんで前回と変わらずでしたが、定高を玉三郎
さん!と言う事で、気合を入れてうかがいました
久我之助を染五郎さん、そして定高娘・雛鳥を意外や
立役専門と思っていた、松緑さんご子息・左近くん。

感じたのは、先般、衛星劇場でやっていた、「沓手鳥
孤城落月」もでしたが、玉三郎さんのご出演作品は
「若手役者のための女形勉強会」のような雰囲気が
あって、役者さん、若いうちは大体どちらもできる
ものですが、雛鳥は「動かない系」の我慢のお役なので
(実は久我之助も)、娘役の役者さんでも大変なはず
なのにそして左近さんの雛鳥、全然違和感なかった
のは素晴らしかったです

しかし、この話は何回見ても理不尽さしかない。
それでも吉野川に分かたれた両家の親たちの政治とは
別の決断と悲劇は、結局毎回最終的にボロ泣き。
美しい舞台面だけに悲劇がさらに強調されます

時間と体力があればもう何回でも観たいお芝居で、
今月こそ、例の定額制を利用すべきだったと反省
しました

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国立劇場「夏祭浪花鑑」②九月文楽公演(社会人のための文楽鑑賞教室)を観る

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新国立劇場(小劇場)での初めて文楽を拝見。
舞台構造のためか、字幕がなく、代わりにイヤホン
ガイドの会社によるスマホの字幕サービスを初めて
利用しました。
ダウンロードだけで使えて便利でしたが、外からの
着信などを抑えるために機内モードに設定、一方、
字幕自体は場内の音声をマイクで感知して切り替わる
仕組みなのでマイクはONしておく、など最初ちょっと
まごつきましたが、始まると舞台の音声に従って
字幕が自動的に切り替わるので、席によっては見辛い
舞台両脇や中央上(前方席だと致命的)にあるのと違い、
自分が見たい箇所だけ目を落とせば良いので楽でした
(上演中にスマホを開いている、と言う事自体への後ろ
めたさ?に最後まで慣れませんでしたが)

夏芝居らしく、技芸員さんみんな白の着物に袴、
さらに長町裏の段では太夫さんと三味線さんは団七縞の
裃なのも粋でした 

歌舞伎で観たばかりの同じ場面なので、相違点が
よくわかるのがやはり面白かったです。

そして今回、見方が変わったのが人形の表現。
個人的には、いままで、「千本桜」の大物浦とか、
この「夏祭」とか、人間の身体で見せる演目は、
人の操作をひとつ挟む分、あるいはどうでも人間には
できない姿勢とかが簡単にできてしまう(人形の関節
部分とかが露になるのもあって)文楽では、どうしても
迫力というか、見せ方が微妙な気がずっとしていまし
たが、今回の団七は、長町裏でも人間らしさがあって、
凄くリアリティを感じました。
何より(これは文楽全般ですが)、ビシュアルに無理の
あるキャストが一切いないのが見ていて安心(笑) 
歌舞伎版ではちょっと気になった、磯之丞&琴浦
コンビも頼りなさと初々しさが良かったですし、
そうそう、おつぎさんが意外に?若かった(笑)

「歌舞伎と文楽で同じ演目を一日で観る(勝手に)
プロジェクト」、いろいろ面白かったです


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2024.09.15

国立劇場「夏祭浪花鑑」①九月歌舞伎公演を観る

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今月の国立劇場主催公演は、歌舞伎(中劇場で本公演)・
文楽(小劇場で鑑賞教室)揃って、新国立劇場での公演。
だからか、演目も共通で「夏祭浪花鑑」
同時に両公演買うと「夏祭割」で、ちょっと割引に
なったので、勿論両方を、折角なので同じ日に拝見
しました

まずは歌舞伎。
彦三郎&(坂東)亀蔵兄弟による九郎兵衛/徳兵衛コンビに、
(片岡)亀蔵さん義平次、男女蔵さん三婦に歌女之丞
さんおつぎ。
宗之助さんお梶、そして孝太郎さんお辰、と、歌女之丞
さん以外は初めて観る配役でかなり新鮮でした。

「住吉鳥居前の場」は、なんかちょっと微妙。
初日から暫く経っている割にはなんだかもたもた
したのはなぜ?(笑)
個人的には、みながそのために意気地を見せる、
肝心の玉島磯之丞と恋人の琴浦コンビがちょっと
(かなり)魅力に欠けてて残念

しかし「釣船三婦内」からガラリと変わります。
これまで、余りこれぞ、な役柄を拝見してこなかった
男女蔵さんの三婦が登場するや、左団次パパ譲りの
「規格外」感が炸裂して、三婦の「まだまだ数珠
くらいじゃね」な現役感がリアル
更に孝太郎さんの「かっこいい」お辰さんが登場
すると、舞台がイキイキ動きはじめた気がしました
歌女之丞さんを加えた3人の熱気あふれたやりとりが
落ち着くと、すかさず(片岡)亀蔵さんの義平次が
不穏な空気を醸して登場。
観客は義平次がおつぎが騙しているのを知っている
だけに尚更。
そしていよいよ、ご機嫌に気力パンパンの団七が
登場するも、帰りが遅いのは致命的。
義平次の企みに気がつき、凄いスピードで義平次を
追尾
(新国立の扇形客席に沿わせた変形花道のため、直ぐに
追い付く(笑))

亀蔵さんの義平次は、体の大きさを殺してますが、
ガタイが良いのと、資質、何よりまだお若い分、
性分としてどうしようもなく悪どい、と言うより、
完全に金に目が眩んだ、と言う感じでした
(「道具屋」とかを出してないから、でもある)

彦三郎さん団七は、やはり若さが生む安心(安定)感は、
いくら上手くても、見ているこちらが心配になったり
する先輩役者さんにはない強み。
そして見得の姿の良さ、何より羽左衛門さま以来、
こちらのおうち伝統の声の良さが際立ちました

新国立の、広い横通路を、まるで宝塚のエプロン
ステージのように使って、跳ねる神輿の一行を通ら
せたのは、歌舞伎座や国立劇場ではやりたくても
できない演出で、上手いなと思いました

次は夜の文楽へ

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2024.09.13

「ピローマン」亀田さんが降板!

新国立劇場で10月上演の「ピローマン」に成河くんと
共演予定だった亀田佳明さんが、体調不良のため降板、と
発表が!

代役は木村了さん。
開幕まであと半月のこのタイミング。
超びっくりです。

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2024.09.12

歌舞伎座、来年は気合の「三大名作一挙上演」

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まず三月に「忠臣蔵」、九月に「菅原伝授手習鑑」、
十月が「義経千本桜」

まあ、「忠臣蔵」は12月じゃないのか、と言うツッコミは
したいところですが(笑)
あとは顔ぶれ。
個人的にはいまだにどれも吉右衛門さんなしでは
成立しない気しかしないのですが、松竹さまがどれ
くらい本気をだしてくれるか、配役に期待します。

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2024.09.10

イエローヘルメッツ「シンベリン」を観る

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すみだパークシアター倉

「こどものためのシェイクスピアシリーズ」の後継
シリーズ「イエローヘルメッツ」については、ちょうど
先月31日の毎日新聞夕刊に紹介記事が出ていました。
「こどものための~」と銘打つには中々エグい内容の
作品も多いので(今回のも)、今のシリーズ名の方が
個人的にはヒヤヒヤしなくて良い気もしますが(笑)、
今でもシェイクスピア芝居にしては親子での観劇が
多くて、今回も腕輪や黒子シーンを親子でどう語り
合うのか、気になったりはしました(笑)

勿論、このシリーズが良いのは、シェイクスピアの
敷居を下げて下さっているところで(勿論、入ったら
奥深くて沼、ですが)、できるだけ見逃したくないの
ですが、最近は会場も公演間隔もかなり不定期なので、
今回も危うく見逃しかけました(汗)
また、独自のチケットシステムも私のやり方が悪い
のか、スマホが古いのか、設定に問題があるのか、
何度やっても決済画面に行かず、結局電話予約に(汗)

で「シンベリン」です。
どう考えても難物です(笑)
蜷川さん版で観た時は、源氏物語の「雨夜の品定め」
的なシーンと、ラストの「奇跡の一本松」(公演は
2012年だった)的な場面、浦井くんと川口くんが
兄弟役だった事と、蜷川さんは難しい役はみんな
勝村さん頼みなのと(笑)、そして初めて窪塚洋介さんの
舞台を生で観た事とか断片的にしか覚えてなくて、
今回改めて事前に松岡先生訳を読んだら、観た記憶が
ない場面、聞いた記憶がないセリフもあり、さらに
実際見ても蜷川さん版と同じ芝居とは思えないくらい
印象が違ってびっくりしました
(幾つかの役を纏めているとかは別にしても)

久しぶりの伊沢さんはやはり安定感しかないお芝居と
ハスキーボイス、山崎さんもシレッと別の役で登場
しての違和感のなさ(笑)、若松さんの身体能力、
戸谷さんの「普通」ぶりが凄い。
一人で何役も兼ねるのを逆手に取って(よりによって
矢鱈に登場人物が多い芝居でもある)笑いを取ったり
してましたが、折角なら、ここはポスティマスと
クロートンを同じ役者さんがやる方が、首のない
クロートンの遺体をイモージェンがポスティマスと
間違えるシーンが自然になる気はしましたが。
(蜷川さん版では、阿部さんと勝村さんと全く体格が
違う役者さんがされていたので、大竹さんイモー
ジェン<イノジェン>、何で間違えるかな、と余計に
思ったものです)

しかし「イエローヘルメッツ」版がこの作品で圧倒的に
優位なのは「シェイクスピア先生人形」を出せる事。
それはシェイクスピア作品に時々前触れもなく登場
する「神様」案件で、役者さんが他の役同様に演じる
のは勿論、セリフだけで処理するのも、違和感が
あるので、もってこい
(「お気に召すまま」もクライマックスに突然神様が
登場する。
蜷川さんは巨大な「お多福」の吊りオブジェを出して
ましたが、さすがに何?な感じでしたっけ)

蜷川さん版では、イモージェンとポスティマスの
困難な恋愛道がメインに感じましたが、今回のカン
パニーでは、日常に接して終わらない戦争の不幸が
印象的でした

ちなみに劇場ですが、カクシンハンで伺ってからの
2回目でした
前回は真冬で、寒いなか錦糸町駅から殆ど案内らしい
案内がなく、入口が判らず迷いました
今回はその意味では楽でしたが、web乗換案内とかには、
押上からの徒歩経路が優先で出てきますが、距離的に
は錦糸町からの方が近い気がします。

また建物自体は新しそうなのにロビーらしいロビーも
なく(化粧室問題は切実)、周りも公園と住宅だけ
なので(隣にカフェはある)前後の時間を使う場がない
のが惜しまれます

来年は「マクベス」

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2024.09.03

「奇っ怪~小泉八雲から聞いた話」を観る

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東京芸術劇場
イキウメの本公演、考えたら初めてかもですが、
作品が懐かしくて伺いました。
この作品、元は萬斎さんが芸術監督をなさっていた頃の
連続企画「現代能楽集」の一つとして、イキウメの
前川知大さんが書かれたもので、仲村トオルさんや
池田成志さんが出演されたプロデュース公演でした
(幕開きすぐの役者の登場の仕方や所作、舞台の構造が
能がかりなのは多分その名残)
当時も話題になって、結局3弾まであったはずで、
怪談系苦手の私が全部見たくらいですからかなり
面白かったはず(笑)

今回はそれを劇団での再演で、文学座の松岡依都美
さんが客演(強力な援軍)

ずいぶん間隔をあけての再演なので、こちらの受け
止めかたも変わっていた場合、あれ、こんなだった?
とか、思ってたのと違う、とかあってもいいところ、
見事にアジャスト、あるいは気がつかないレベルでの
アップデートされているのか、全く違和感なく物語
世界に入っていけ、そうそうこれこれ、結局一番怖い
のはヒト、って話、と改めて納得しました

最近ではドラマなどで印象的な役柄でのご活躍も
目立つ浜田信也さんに、安井順平さんがそれぞれ持ち
味を十分発揮されていて、下手すると散漫になりがちな
オムニバスを強靭に支えてさすが。
(袴なしの、いわゆる着流しの着物が似合う現代演劇の
役者さんは貴重)

台風の最初の予報だと完全に再接近日に重なる予定
だったのが、見事に?ずれてくれて無事に見られて
よかったです

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