

栗山さん翻訳作品には最早常連の、谷田さんお目当てに
水道橋・IMMホールへ
ホールの存在は何とな~く知ってはいましたが、
お笑いやライブ用で、エンゲキをやる会場としての
認識が全くなかったので、GoogleMAPで探しました(笑)
仮設風の建物でしたが、中の座席は予想よりはよくて、
見やすい傾斜は兵庫県立に似ているかも。
ただしロビーは狭く、特に2階には立つスペースのみ。
ACTのロビーっぽい
「血の婚礼」自体は結構よくかかる演目らしいのですが、
私は初見。
スペインの作家の作品と言うだけで、もう濃そうだな、
と予測がつきましたが、その通りで、身内と知り合いで
固まった狭い社会での、内向き内向きな愛憎劇でした
観た雰囲気がギリシャ悲劇風だったのは、やはり
栗山さんの演出だから、でもありますが、特に決闘
からの一連がメタファ表現する(戯曲指定)ところが、
使者の報告で表現するギリシャ悲劇に似ていると
感じた一因かも知れません
さて、トップクレジットは、レオナルド役の中山
優馬さんでしたが、どう見ても、誰がなさっても、
実質的主役は、「花嫁の母親」(レオナルド以外には
役に固有名詞の名前がない)ですが、他の登場人物も、
どこか一筋縄ではいかない人々ばかり。
花嫁は最終的に元カレに走り、花婿はレオナルドと
決闘して、二人とも死んでしまう
花嫁の父は、神経質な母親の神経を逆撫でするような
脳天気な発言ばかり
レオナルドのストーカー気質は言うまでもないですが、
何しろレオナルドの現在の妻は、花嫁の従姉。
源氏のひかるの君にとっての藤壺→若紫、と同じく、
レオナルドはひょっとすると、諦めきれなくて、
従姉に面影を見いだして妻にしたのかも
(結局我慢できないが)
それにしても、レオナルドが変な気を起こさなければ
穏便に運んだというのに、自分の行動を土地柄のせい、
自分のせいじゃない、みたいな事を言っていて、
全く理解不能。
ふと「ハムレット」で、ハムレットがレアティーズ
との仕組まれた剣の試合の冒頭で、レアティーズに
謝罪する
「ハムレットが悪いのではない、ハムレットの狂気が
そうさせたのだ」
と、屁理屈(笑)言うのと、かなり似ている気がしました
結局、双方の親が残される、と言うのは「ロミオと
ジュリエット」風ですが、と言って、大公がいない
ので、両家が和解する(した)かはあやしい。
何とも息苦しさ満杯の(誉めている)お芝居でした
そしてやはり冒頭からラストまで、母親役の秋山
菜津子さんから目が離せませんでした。
花嫁役の伊東蒼さんもレオナルドに徐々に心を乱
される様子を熱演でした
ちなみに後で書きますが、同じ日、昼に演舞場で
「朧の森に棲む鬼」を観たのですが、新・時蔵さんが
魅力的に演じた作品の肝であるミューズ、ツナを、
2007年の新感線版で演じていたのが秋山さん。
何年経っても意思のあるカッコいい役の似合う役者
さんだとしみじみしました
その大感激、「歌舞伎NEXT~朧の森に棲む鬼」については別項にて