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2025.01.31

国立文楽劇場「新春文楽公演」

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開場40周年で気合の入った演目が続いている文楽劇場。

1月は「新版歌祭文」、11月に七段目まで通した「忠臣蔵」の
続きの「八段目」「九段目」、そして「that's文楽」
演目の「本朝廿四孝」

「新版歌祭文」は、「彦山権現~」の「毛谷村」
同様、「野崎村」しか出ないのが普通ですが、今回、
その前段、どうして真面目そうな久松が「業務上横領」の
疑いをかけられて「自宅謹慎」になったのか、なんで
「野崎村」に久松を連れてくる小助があんなに嫌みな
キャラなのかがよく判る「座摩社の段」が上演された
のがとても良かったです。

「野崎村」だけでもお光が可愛くていじらしくて、
お染ッたら~ですが、「座摩社の段」を見たら、
お染ちゃん予想の斜め上行くイケイケぶり(笑)
久松に強烈な先手を打っていて、あれは忠臣蔵二段目の
お軽といい勝負。
(ほとんどパワハラ(笑)
養父の久作が諭してなくても、お光の泣く泣くな決断が
なくても、久松くん、好きでもあろうけれど、立場的に
お染を選ぶしかない。
(お光ちゃん、ますます憐れ)
横領の上に、社長令嬢と駆け落ち無理心中って、
久松くん!

しかし、同じ娘人形なのに、お染が苦労知らずの
ツンケン我が儘コムスメに、お光が特に覚悟した後半、
老成して菩薩のように見える不思議ですね。

忠臣蔵「八段目」「九段目」
八段目は「道行」
戸無瀬と小浪、義母子による「なんでウチの娘と
結婚してくれないんですか!」と言う、切羽詰まった
決死の談判ツアー。
「結婚してくれないならここで死にます!」とか、
冷静に考えたら殆ど脅迫
なのに道中は(演出上とは言え)のんびり華やかなのが
却ってホラー(笑)
そう言えばあの頃は富士山から煙と語りがある理由、
噴火の影響、とか、さすがイヤホンガイド。

「九段目」
忠臣蔵と言えば五段目から七段目が一番上演頻度が
高いのですが、個人的には随分前に勘三郎さんがお石を
なさった歌舞伎版「九段目」の印象が今でもとても
強いため、とにかくこの「九段目」が一番好き。
(因みにその時の戸無瀬は玉三郎さん、小浪が現・
勘九郎、本蔵が仁左衛門さん!)

勘三郎さん、と言うと、派手な立ち回りとアイデア
満載の、だれでも親しめるような楽しい歌舞伎を工夫
された役者さん&希代の名プロデューサーと言う
イメージで語られがちですが、個人的には、それより、
古典の女形さん役や四段目の判官が好きでした。
還暦前に鬼籍に入られただけに、これから似合う
役柄もたくさんあった筈で、本当に惜しまれます。

さて本題。
今回の「九段目」、所謂「山科閑居」
人形は大星を玉男さん、戸無瀬を和生さん、加古川
本蔵を勘十郎さん、と人間国宝揃い踏みだし、語り
には千歳大夫さんと無敵の顔ぶれ。
話が良くできているのは当たり前ですが、花形役者の
役中心になりがちな歌舞伎と違って、文楽はあくまで
ストーリー重視なので、よりモノガタリに集中できるし、
特にこう言う室内劇は、小さいセリフ、ちょっとした
仕草など含めて、濃密な人間の業やら、思惑やらが
舞台に詰め込まれていて、終わった瞬間、「すごい
ものを見た」と感じました
プログラムの和生さんのインタビューに、ご自身が
師匠の戸無瀬相手に、役では格上のお石を演じた時は
大変だった、と思い出話を語られてますが、今回の
配役で言うと、お石を遣った一輔さん、おそらく
かなり大変だったのでは。
そう言えば、勘十郎さんの左遣いさんがとてもよい
体格で、私の席からは、戸無瀬が後ろに引いた後は
かなり見えなくて、残念でした
しかし、本当に充実したお舞台で、見に来て良かったです

「本朝廿四孝」
少し前に、勘十郎さんが八重垣姫を遣われた時、
ラストで人形が飛ぶのは勿論ながら、何と、遣う勘十郎
さんごと宙乗りされたのを見たことがあって、文楽も
凄いな、と思ったら、後から「あれは勘十郎さん
スペシャル」、と聞かされて納得したものです(笑)
今回、八重垣姫を遣われた簑二郎さんは当然「飛び
ません」でした(笑)

歌舞伎でよくかかるのは「十種香」ばかりですが、
今回は、前段の「道行似合の女夫丸」「景勝上使の段」
「鉄砲渡しの段」がつき、勿論、「奥庭狐火の段」。
まあ見てみれば、確かに特に「上使」「鉄砲渡し」、
正直まあ無くても判るかな~、とは思いましたが、
「十種香~奥庭」だけ観ると、八重ちゃん健気に
頑張る、にしかならない話が、ちょっと全体像が
見えてくると、「彦山~」「~歌祭文」が、見とりと
通しでイメージが違ってくるのと同様、違う世界が
見えてきました。
この話、つまりは道三&謙信&信玄、全員一筋縄では
いかないクセツヨおじさん達の、深謀遠慮と陰謀術数が
入り乱れての盛大な皺寄せが、憐れな八重ちゃん、
そして「十種香」では見逃しがちだけれど、実は道三に
仕えてこちらも重大なミッションで長尾(上杉)家に
潜入している濡衣ちゃんに降りかかっている事が
よく判りました。
そして「狐火」はやはり重力無関係の文楽で観るのが、
ファンタジー感に溢れて一番でした。

家族のつき合いで見始めた文楽。
慣れない頃は、人形の横にいる遣い手が舞台にワラ
ワラいるのが気になったり、女性役と男性役が同じ
語り手の声、と言う違和感とか、舞台と見台と字幕
との目線移動のトライアングルで集中が切れたりして、
しばしば睡魔に襲われたものです

それが最近は、今回など良い例ですが、歌舞伎と
共通の演目だと歌舞伎との演出や違い、文楽人形
ならではの奇想天外さと、逆に能面と同じくに無表情
なのに仕草、頭の角度で目一杯宿る表情、太夫の語り
分けなど、私なりの楽しみ方も判ってきて、最近、
文楽に完全にはまりつつあります。

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それにしても、演劇のチケット代が高すぎる

歌舞伎座に毎月通ってる、と言うと、
「チケットお高いんでしょ」
と言われますが、私の大定番、3階B席など、まだ
5000円を越えていません。
これで4時間、しかも400年かけて観客が篩にかけて
残ってきた、先人お墨付きの人気作品を、百戦錬磨の
役者たちが演じてくださるのですから、コスパ最強です

あとは国立、文楽劇場、国立能楽堂などの伝芸の主催公演
あたりはまだ、席を選べば良心的。

現代劇では、新国立、さい芸、KAATなどの公共劇場
主催公演はギリギリですが、それ以外の最近の演劇
チケットときたら、ミュージカルや大バジェットの
お芝居は軒並み5桁。
それもマチネなど15000とか当たり前に見かけるように
なってきて、卒倒しそうです。
更に当たり外れ不明の、初演系作品を掲げたカンパニー
公演での5桁や8~9000円とか、いくら推しの俳優
さんが出ておられても、もうほとんど博打。
しかも販売開始が早く、一般発売で売切れが普通。
スケジュールが決まってから、とか、ましてや劇評
出てから、なんて悠長な事を言っていたらチケットは
殆ど手に入りません
劇団や二兔社など一部老舗プロデュース公演では
比較的リーズナブルですが、今度は期間が短く、
キャパが小さい。
先般、あの「こまつ座」さんのチケットが遂に5桁に
迫る金額になっていて、風間さん主演なので興味か
あったのですが、手が出せませんでした。

新しい面白いお芝居に出会いたい、とは思いますが、
これではとても無理。

長らく楽しませて頂いてきた現代演劇、ミュージカル
公演ですが、そろりそろりと、元の伝芸畑に撤退する
時期が来たように思います。
あとはいよいよ配信系か。

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2025.01.30

山岸凉子さんの「日出処の天子」が能狂言で舞台化

監修は大槻文藏先生、演出は萬斎さん、と、先般の
能狂言「鬼滅の刃」コンビが再タッグ。
上演は今年夏

「鬼滅の刃」は見ていませんが、聖徳太子を扱って
いる作品として、昭和の新作能ですが「夢殿」と
言う作品もあるので、入口としては親和性があり
ますが、漫画原作自体は、毛人、十市など、キャラが
みな濃厚。
ましてや肝心の厩戸は(笑)

能狂言にどう収めるのか?
かなり興味深いですね

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2025.01.24

:「彦山権現誓助剣」の時蔵くん「お園」に、まだツナ様の面影を見てしまう(笑)

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「国立劇場」の初春歌舞伎は、去年に続いて「新国立」
国立らしく、普段「毛谷村」しか出ない「彦山権現
誓助剣」の通し(部分補綴)
いつも「なんで、ああなの?」と思っていた前段が
判ったのもですが、通しで見たら、六助ではなく、
明らかに、仇討ちの当事者のお園ちゃんが主人公でした

その、女性でありながら、鎖鎌を振り回し、臼を持ち
上げ、脇に子ども一人抱えて立ち回る、歌舞伎では
「女武道」と称される、かっこいいお園を、年末の
演舞場「朧の森に棲む鬼」でのツナの凛々しさが
際立っていた時蔵さんがなさるのだから、もう(笑)
「朧~」の立ち回りもこの作品のためのトレーニング
だった?と思うくらい
何しろ「瓢箪棚の場」では、支える柱を敵に壊されて、
傾斜がついた瓢箪棚の上から、コロコロと丸太転がりを、
あの衣装と鬘をつけたままやるとか、寧ろ「朧~」
越えのアクションにびっくりしました
しかもどちらも女性らしい魅力と正義感があって
アプローチは違っても、多分同じ線上のキャラクター
「朧~」のツナは確かに大股だし(笑)、派手に怒るし
泣くけど、表現が違うだけで歌舞伎の演目に全くない
種類の役ではないな、と思いました
と言うのはほぼ理屈で(笑)、とにかく眼福でした

ここに「気は優しくて力持ち」を絵にかいたような
六助を菊之助さん、最近低音イケボに益々磨きがかかった
彦三郎さんが仇討たれる敵役・京極内匠と、チーム
音羽屋、安定の配役に加え、母親役で吉弥さま、
締めの久吉は勿論「大元締」の菊五郎さん
久しぶりに拝見した菊五郎さん、動きは少ないけれど、
声の張り、お顔の艶が一時期より良かったので安心
しました

また、お園の甥役に秀之介(歌昇さん次男)、大詰、
内匠が討たれるところで、久吉の配下の気鋭の若武者
軍団役に、丑之助、眞秀、亀三郎、梅枝、種太郎(
歌昇さん長男)と、音羽屋&播磨屋の次次世代の御曹司
たちが勢揃いして、初春のおめでたさに華を添えて
いました

勿論、国立初春歌舞伎お約束の時事ネタも登場。
今回は、ぎりぎりダンスに「はい、よろこんで」、
締めが「不適切にもほどがある」でした(笑)

しかしこの話、お園たちの仇討ちが主筋ではあります
が、内匠自身が久吉によって討たれた明智光秀の遺児と
言う設定で、内匠自身も久吉に対してあだを為す
彼なりの正義はあるところがポイント。
途中に光秀の亡霊が出てきて「仇を討て」と秘伝の
刀を与えるシーンとか、まるで「ハムレット」でした(笑)

それにしても観客のマナーは酷かったです。
バスでの団体観劇グループが、殆どテレビを見ている
ノリで上演中構わず延々おしゃべりし、歌舞伎座と
違って上演中にスタッフを客席内に配置しない国立
(新国立)が、珍しく2幕からスタッフを配置して都度
声がけしてましたが、結局最後まで止まらず。
インバウンドのグループ客はスタッフの観劇マナー
説明が十分伝わらなかったのか、そもそも舞台見慣れて
ないのか、ただでさえの長身を、前のめりで観る、
一人知ってるっぽい方は、舞台そっちのけでグループに
説明する、で、この日の2階席はカオスで、集中でき
なくて本当にがっかりでした(泣)

インバウンド客が普段から多い歌舞伎座、国立劇場に
比べて、対応できるスタッフが新国立には少ないの
かもですが、そこは国立から対応マニュアルとか、
インバウンド客用フリップの共有とか、もう少し
何とかしてほしいです
と言うか、ここは借りてる国立がフォローすべきかと。

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2025.01.22

新感線オリジナルキャスト版「朧〜」BS松竹東急でオンエア

昨年末に演舞場で上演、2月に博多座公演が控えている
歌舞伎NEXTの「朧〜」ですが、BS松竹東急では今週24日に
幸四郎時代の松本幸四郎さんライ、阿部サダヲさん
キンタ、古田新太さんマダレの2007年の劇団☆新感線
版のゲキ×シネがオンエアです。
頭は完全に歌舞伎版に埋め尽くされてますが、改めて
オリジナルを見ると、違いが楽しめそう。

実は昨日まで、あわよくば福岡まで見に行くぞ、な
気分だったのですが、歌舞伎座3月の「仕掛け」を
見て、限られた資源は歌舞伎座へ、と思い直し、
また、歌舞伎NEXT版も年末に丸二日、舞台収録して
いますので、こちらはシネマ歌舞伎になるまで待つ事に
します。

しかし、歌舞伎座3月、ガチです〔汗)

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2025.01.21

「新春浅草歌舞伎」(1部・2部)を観る

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浅草公会堂
最初は、獅童くん七之助くん年代を見たくて行き始めた
浅草ですが、いまは、初詣とセットな感じ。
しかし、インバウンドの急増で、行き来の道の混雑が
本当に大変です。

浅草は今年から顔ぶれが大きく変わりました。
橋之助くんが座頭格ですが、年齢で言えば、なんと
鶴松くんが最年長だそうで(日替わりお年玉ご挨拶で
ご本人談)びっくり。

「尼崎閑居」を1、2部役替わりで上演、あとは舞踊と
2部だけ松羽目もの(「棒しばり」)
両部「尼崎閑居」だけ拝見しました

1部
武智を染五郎くん、十次郎を鷹之資くん、初菊を
玉太郎くん、操を鶴松くん、久吉を莟玉くん、正清を
左近くん
(皐月は1、2部とも歌女之丞さん)

前からうっすら気がついてにましたが、染五郎くんは
古典の扮装をなさると、お父様でなくお祖父様に似て
きますね
俳優がみな同年代な浅草のあるあるで、染五郎くんと
鷹之資くん親子役ですが、染五郎くんに無駄に?
華があり、線が細いため、親子に見えない(下手すると
逆、と言うか、染五郎くんは多分十次郎が一番ぴったり)
鶴松くん操と玉太郎くん初菊も、よく見ても姉妹。
仕方ないですが
鷹之資くんはやはり踊りの名手だった富十郎さんの
息子さんだけあって動きが綺麗ですが、十次郎には
ちょっと陽キャすぎか(笑)
玉太郎くんはもう少しキラキラ娘ちゃんキャラが
あったらなぁ。
鶴松くんは文楽の老女形(誤解を招く名称!ミセス、と
言う意味なんですが)頭の人形のような美しさでした
莟玉くん久吉に威厳があり、左近くん正清はちっ
ちゃいけど殺気満々でした

2部
武智を橋之助くん、十次郎を鶴松くん、初菊を左近くん、
操を莟玉くん、久吉を染五郎くん、正清を鷹之資くん

役者さんそれぞれのキャラ(仁)からすると、多分
皆さんこちらの配役が本役。
まず、このところずっと書いてますが、左近くんの
女形が良き。
曾祖父の松緑さんから拝見してますが、こちらの
お家は、ずっと立役一本の家系なので、近いお身内に
女形の師匠がいない中で取り組んでいるのが何より。
音羽屋さんには(立役と女形)兼ねる役者が実質菊之助
さんしかいないので、是非左近くんには頑張って
もらって、菊之助さんと二人道成寺とか見てみたいです 
また、莟玉くんは女形でも若いのに感じの落ち着き
あり
鶴松くんの十次郎にピカピカの鎧兜が重たそうな
悲劇のプリンス感。
一般のお家から入った役者さんなのに、何となく七之助
さんに似て見えるのは、やはり環境でしょう

浅草歌舞伎は、役者さんにはいつもより難しい役に
なり、手に負えない練れていない部分もありつつ、
その分、意外に役者さんの得意な部分が寧ろ際立つ
ところがあって、「何年かしたら歌舞伎座であんな
役が似合いそう」と妄想したり、逆に何年かして
歌舞伎座で「浅草で○の役やってたなぁ」と思い出し
たりする、またそんなところに楽しみがあります

一番若い左近くんなど、まだティーンエイジャー
だそうで、学習塾のキャッチフレーズではないけれど
「伸び代しかない」
皆さんの将来が楽しみです

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2025.01.20

「べらぼう」と「麒麟」はオープニングタイトルが、「べらぼう」と「大奥」は絵が随分似てる

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後者の理由は多分簡単です
チーフ演出が同じ大原拓さんだから。
因みにうっすらそうかなと思って調べたら、拓さんは
昭和&平成の大河演出のエース、大原誠さんのご子息
なんですね~
蛙の子は蛙、とは言え、親子二代で大河演出とか
なかなか特殊過ぎる(笑)

因みに、お鈴廊下と、錠前開けるシーンの画面写真、
どちらかどちらか、最早私も見分けがつきません(笑)

オープニングタイトルの方は、「べらぼう」初回が
始まってすぐ、縦書きの「作・森下佳子」の字に
「音楽がジョン・グラムさんだとタイトルは必ずこれ
なの?」
と画面に突っ込みいれてしまいました。
こちらは背景が違うから、ギリギリなんとかどちらか
判るものの、並べてもやっぱりそっくり。
「べらぼう」と「麒麟」、シリーズものですか?(笑)
くらい似てます

森下脚本だけに、ひょっとしたら、最終回あたりに、
盛大な謎解きが待ってるのかもしれませんが(笑)

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第32回読売演劇大賞 ノミネーション発表

作品賞で拝見しているのは2作品だけですが、「奇ツ怪」は
初演と全く違う印象に、「白衛軍」は今のタイミングで
上演すること自体に価値があると感じました。

男優賞は偶然ノミネート全員、いずれかの(お三方は
両方)作品拝見
成河くんのノミネーションは勿論ですが、荒川さんの
ロパーヒンは絶品でしたし、横田さん目当てで行った
「オセロ」で浅野さんの底力を改めて実感
木場さんはあのパワフルさと洒脱さに脱帽です。
唯一、勘九郎さんは確かにとは思うものの、まだまだ
高みに行ける方。
受賞されるのは今じゃないかなと。

逆に女優賞とスタッフ賞にノミネートされたされた
作品は全く拝見しておらず。
そういえば、スタッフ賞に例年ならお一人は入って
いる、照明部門の方がいないのは偶然でしょうか?
また、最近は作品賞と俳優賞が一致していない事が増えましたね

大賞発表が楽しみです

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2025.01.16

「壽新春大歌舞伎」(昼・夜)を観る

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初春は歌舞伎座から。

今年は松竹のアニバーサリーイヤーだそうで、今月の
チラシも横長とA3二つ降り二種類と気合入ってます(笑)

何より「対面曽我」と言う正統派での幕開けは、
こちらも気分が改まります。
巳之助くん五郎、米吉くん十郎、芝翫さん工藤、
新悟くん虎、宗之助くん少将、右近くん朝比奈。
兄弟役は共に去年までは「浅草」メンバーですから、
まさに清新な顔ぶれ

巳之助くんの身体性については言うまでもありませんが
米吉くんの十郎の柔らかさと共に、特に顔(化粧)が
上手。
これだと「十種香」勝頼、八重垣、濡衣、全役一人で
できますね(笑)

右近くん、新悟くん、宗之助さんは先月の「朧~」の
イメージがまだ残っているので、何だか不思議。
特に傾城役でシュッと座っている、新悟くん、宗之助
さんはとても先月と同一人物とは思えず(笑)
(因みに来月「朧~」は博多座に再降臨!)

「陰陽師」
歌舞伎のシリーズでは、幸四郎さん晴明、勘九郎さん
博雅。
ただし今回は前半の「大百足退治」は、言えば歌舞伎に
元からある「日本振袖始」の書き換え狂言的内容。
晴明の命を受けた藤原秀郷が、三上山に大百足退治に
向かい退治する、と言う話ですが、「陰陽師」と
言うからには最初だけでも晴明出ると信じていたら、
いつまでも出てこないで終わりました(笑)
独立してて、晴明出ないならそう言って~!(笑)

後半は、萬斎さん晴明の映画にも取り上げられた
「鉄輪」
こちらには晴明&博雅コンビがいつものゆる~い
やりとりも健在
「鉄輪」は能にもなっているだけに、歌舞伎との相性は
良く、また壱太郎くんの徳子姫もはまってました
(今月も壱太郎くん、右近くん、昼夜大活躍) 
まあ、人間がやる以上、式神に違和感があるのは仕方
ないですが、であれば文楽でなら解決するかも。
(我ながら名案!(笑))
また道満役で久しぶりに白鸚さん拝見しましたが、
さすがにお年召されてました
吉右衛門さんより年上ですから当たり前ですが。

夜は「熊谷陣屋」から
正月にしては辛気な演目です(笑)
松緑さん熊谷。
う~ん、「吉野川」とか最近古典の大役で活躍が
続いている松緑さんでしたが、今月は昼の「大百足」
共々、力むと声に延びが足りず、芝居が内向きに見える
欠点が顕に。
音量で何とかなるものではないだけに・・・
萬壽さんの相模、雀右衛門さんの藤の方、歌六さんの
弥陀六は大安定だっただけに、なんかモヤモヤ。

「大富豪同心」
NHKでシリーズ化されている、隼人くん主演で、
私も第1シリーズから見ているライト時代劇(笑)が、
歌舞伎化。
テレビ版で既に隼人くんのほか、将軍・家政役で
松也くん、甘利備前守役で幸四郎さんがレギュラー
出演されていて、ドラマ場面でも、歌舞伎役者三人
だけのシーンがあって「歌舞伎じゃん!」と思って
いたので、歌舞伎化と言われても違和感ゼロ(笑)
最近新作、と言えば、私には馴染みの薄い漫画やゲーム
作品優勢だっただけに、ありがたい。
今回はドラマ第2シリーズに登場した「影武者卯之吉編」を
ベースにした劇作
しかも、美鈴に壱太郎くん、銀八に右近くん、清少将に
巳之助、さらに荒波の親分に幸四郎さん、沢田に亀鶴
さん、将軍に新悟くん、出雲守に中車さん、三国屋に
鴈治郎さん、真琴姫に米吉さんと、もうまるで歌舞伎の
ための作品のような適役ばかり(笑)

ドラマのテーマ曲を下座のみなさんが演奏されたり、
何より連ドラのお約束、エンドロールで、みんなで
テーマ曲に乗ってのお揃いダンスが、そのまま舞台で
再現された上でのカーテンコールは、内容と関係なく、
正月気分で盛り上がる盛り上がる(笑)
しかも、めでたしめでたし、でなく、幸千代が本人で
ないと見破った許嫁の真琴姫が、「あなた、誰?」と
言うところで終わり、衝立に「続く」と出る、と言う
斬新と言うか、人を喰っていると言うか、続編織り
込み済みのところが、演出も担われた幸四郎さんの
アイデア勝ち(笑)

内容については、どうしても説明セリフが多くはなり
ますが、それでも歌舞伎にも良く登場する早変わりの
様々なテクニックを駆使して、隼人くんが①卯之吉、
②幸千代、③幸千代の扮装の卯之吉、④卯之吉の扮装の
幸千代を楽しそうにされていたのが楽しめただけで、
ドラマ版知らなくても判るのが成功(笑)

そう言えば、ドラマの卯之吉の定番に、お座敷での
派手な金貨撒きがあるのを意識したとしか思えない
場面が、先日の大河「べらぼう」に登場。
隼人くんは「べらぼう」には長谷川平蔵の若い頃役で
出演されているのですが、第2回で、吉原に初登楼
した平蔵が、花の井(小芝さん)の気を引くために、
盛大にご祝儀を撒いていて、森下さん、間違いなく隼人
卯之吉を意識して書かれたのだろうなぁ、と思いながら
見ました。
平蔵と言えば、長らく吉右衛門さんがなさっていたのを、
幸四郎さんが引き継いでいるだけでなく、平蔵の初
映画版では、若い頃の平蔵〔鐵)を、染五郎くんが
やっている、と、もうこの界隈、歌舞伎役者大渋滞(笑)

正月は、例年、歌舞伎座、(新)国立、浅草、演舞場、
さらに今年は仁左・玉コンビが松竹座でも、といつも
以上に歌舞伎公演があり、当然役者さんの層が
薄く
なるので、それぞれ座組と配役も大変だと思うの
ですが、歌舞伎座についてはほとんど違和感なく
拝見できて良かったです。

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2025.01.14

久しぶりのお伊勢詣り

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去年の積み残しネタです。

伊勢神宮には、随分前に犬山城、明治村とセットで
真夏にお詣りした記憶はあるのですが、余りの暑さと
強行スケジュールが祟って、帰ってから熱中症に
なった方が印象が強い(笑)
それが数年前NHKでやっていた「2時間でまわる~」
シリーズの「伊勢神宮」編を見ていたら、記憶して
いたのと印象がかなり違うし、意味を聞けば改めて
興味が湧いて、晩秋に(結局)弾丸で久しぶりにお詣り
してきました

お伊勢さん行くなら近鉄特急だ!と(うっすら乗り鉄を
発動)近鉄の営業所に伺ったついでに、実際にはどれ
くらい時間をみておいたら良いのか聞いたら、やはり
2時間くらいと。
ただし、早い時間でないと混むのと、「おかげ横丁」に
寄るならもっとかかりますよ、との事。
「おかげ横丁」なんて前はなかったような、と思って
調べたら、平成の初頭に「赤福」さんの肝いりで、
江戸時代にはあった門前の賑わいを再現した、お土産と
名物飲食テーマパーク的路面商店街だとか。
なるほど、前回はなかったのですから記憶にないのも
道理(笑)
何より観光地グルメにとんと関心がないので、そちらは
時間に余裕があったらね、と言う感じで、とにかく
出発地から一番早く到着するスケジュールで出発
伊勢市駅に荷物を預けてまずは外宮
早朝の清々しさはまた格別!人も少なく、参道独り
占め感(笑)

ここまではスムーズでしたが、外宮から内宮への路線
バスからがもう満杯で乗れない方が数名
メインの通りは対面交通だし、アクセスのよい駐車場は
既に満車で、空き駐車場をめざして自家用車がゆる
ゆる進む、で更に混雑。
それなりに早い時間帯なのに内宮には、ガイドや
乗換案内に書いてあるより時間がかかったのには
びっくりしました
それでも内宮の宇治橋の真正面にあがる朝日は神々
しさがありましたし、うっすら記憶していた五十鈴川は
変わらず透明で清らかな流れでした。
ただ、テレビで見た通り、あとはかなりを忘れていて、
特に社域が思っていたより狭かったのが意外でしたし、
歩いていて何だか既視感があると思ったら、明治神宮に
特に参道や社殿の感じが似ている気がしました

内宮を出ると、右手にあったのが例の「おかげ横丁」
バス停一つ分くらいなので歩いてみました。
確かに赤福さんがセンターにどんっとあって、周りに
飲食店や土産品店がならんでいましたし、スタバも
郵便局も銀行も、レトロな雰囲気に馴染ませた外観。
一店ずつの個性もありながら、途中の土産品店が
観光案内にベビーカーの貸し出し、落とし物忘れ物の
窓口も兼ねていたり、フードコート風のエリア、
お手洗いもあり、居心地良くて、時間があれば長居
確定かも(笑)

そう言えば、歌舞伎でお馴染みの「伊勢音頭恋寝刃」は
お伊勢詣り専任ツアーコンダクター、御師・福島貢が
主人公
登場する油屋が、内宮外宮をつなぐ道筋の途中にあった
と言うのも、改めて来てみれは距離感とか、イメージも
沸きました。

おかげ横丁では結局、喉に良さそうな飴(浅田飴風)と
その風味のサイダー、赤福さんで余り他では見かけ
ない「白餅黒餅」の最小サイズを購入しました。

しかしまだ予定より全然時間に余裕があったのと、
余程の事がなければ、なかなか半島の更に先まで行く
事もない気がして、お伊勢さんと並ぶ観光名所、
二見浦まで行く事にしました
こてらは別項

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2025.01.06

「べらぼう」ツアー(その1(仮))

Koshodo

どの道、年末年始遠出もしないので、「べらぼう」に
正月休みに、蔦重ゆかりの地、小伝馬町にある、
耕書堂跡(中央区教育委員会による案内板が立っている
だけですが)に行ってきました

浅草から離れてはいるけれど、スカイツリーがある
程度の大きさで見える距離
今は繁華街と言うより問屋が混じるオフィス街で、
目の前はクリニックビル、通りの向かいは東横インと
アパホテルで、観光、な雰囲気は皆無でしたが、それにしても案内看板一つはちょっと寂しいかも。

台東区は既に「蔦屋重三郎ゆかりの地、台東区」
として、蔦印に「台東」を組み合わせたロゴ、走る
重三郎くんキャラクターのイラストやキャンペーン
ポスターを作って公開中で、台東区の循環バス「めぐりん」の
車両正面に既に重三郎くん付いてましたし、NHKの
恒例「大河ドラマ館」は浅草駅の北、花川戸の区民
施設に来月開館、と準備着々です

ちなみに「ツアー(1)(仮)」とタイトルしたのは、
(2)まではありますが、その先が未定のため。
続くかどうかは「べらぼう」次第です
初回見ましたが、ちょっとまだなんとも。
まあ、「光る君へ」も初回は結構微妙でしたから
もう数回静観です。

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簡易栗きんとん

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このプログには珍しい料理ネタです(笑)
正月料理らしいものは一切食べない(作らない)予定
でしたが、黒豆と栗きんとんだけは一口食べよう
となって、黒豆は、フジッコの個パックで解決したの
ですが、きんとんがなんっともなりません
市販買うと高い上、しかも家には以前頂いた栗の甘露煮
だけはある。
つまり、芋のきんとんだけあればよいのです。が、芋を買ってカットして、蒸して潰して味付けして、
すら私には面倒(笑)
ネットには業務スーパーで冷凍さつまいもペーストを
購入して加工すると良い、書いてありましたが、
業務スーパーに行くくらいなら、市販を買う方が
早くて安い

さて、どうするかなと思ってましたが、見つけたのが、
西友のプライペートブランド「みなさまのお墨付き」
シリーズの「みんなで食べる、さつまいもの甘煮」

皮がちょっと付いてはいるものの、輪切りされて甘煮に
なっているなら、きんとんまであと一息(笑)
密閉されているのを袋のまま湯煎して、更にそのまま
外から軽く手で潰してから封を開け、栗の甘露煮の
シロップを少し加えて、栗の甘露煮を好きなだけ
混ぜれば、超簡単に立派に狙っていた栗きんとんの
味になりました

もうこれからは毎年これでいきます。
と言う自分への覚えのための投稿です
最大のポイントは西友さまが来年まで終売しない事に
尽きます
西友さまよろしくお願いいたします

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2025.01.05

国博×ハローキティのコラボのために、表慶館へ行く(おまけ)

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「ハローキティ展わたしが変わるとキティも変わる」展
東京国立博物館・表慶館

↓文章に書いた、「キティさんと表慶館の最強コラボ」と、
法隆寺宝物館に鎮座の「お友だちたち」の写真です

また、前掲した絵はがきも良く見ると、「三美人」は
団扇に赤もリボン、「あたけの夕立」の、橋脚に
しがみつくキティ嬢の横を行き来する人たちの簑笠
にももれなく赤リボンが付いてます。

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大河「べらぼう」には「大奥」スタッフ&キャストが再集結

新大河「べらぼう」がいよいよ始まりますが、年末
年始にNHKでseason1、CSのファミリー劇場でseason2の
一気見があったので、わかっているのに結局全編見て、
また同じところでウルウルハラハラしましたが、
脚本の森下さんは勿論、「べらぼう」には「大奥」の
主要な役をなさった役者さんが次々だし、また登場
人物に、治済や田沼、歴代将軍など、両作品共通の役も
たくさんいる事を改めて認識しました。

同じ役を違う俳優さんがキャスディングされている
のは(田沼意次が松下奈緒さん→渡辺謙さん、松平定信が
安達祐実さん→寺田心くん、平賀源内が鈴木杏さん→
安田顕さん、治済が仲間さん→生田さんなどなど)まあ
当然ですが、中には冨永さん(吉宗→高岳(「大奥」では
相沢さんがなさっていた筈))、眞島さん(稲葉正勝→家治、
こちらは「大奥」では高田夏帆さん))など、今回も
重要な配役で再登場の方も
また安達さんや木村了さん、中村蒼さんに愛希れいか
さん、原田泰造さんなど、今回も別の役でご出演
されるようで、「大奥」刷り込みが強いので、慣れるまで
ちょっと頭がバグりそう

☆両方登場キャラ
☆両方ご出演俳優

の早見表でも作ろうかしら(笑)

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前回のリベンジ「天保十二年のシェイクスピア」

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去年の観劇録、全部上げたつもりが、まだありました(笑)

日生劇場
写真のチラシは背景が白のが前回、背景が赤いのが
今回です。

藤田さん演出版の前回公演は東京公演千秋楽直前にして
緊急事態宣言が発せられ、私が見に行っていた回が
いきなり実質的な千秋楽に。
カーテンコールで急遽行われた一生くんの挨拶は、
当時、エンタメを取り巻く状況の厳しさを実感させ
られたものでした 

今回は、まさにそのリベンジ。
冒頭の木場さん演じる隊長の「今度こそは千秋楽まで」と
言う御言葉にまず泣きました

「また、どこかで」と言ってくれていた一生くんは
今回一座から外れたのは惜しまれますが、前回
王次
だった浦井くんが三世次になり、新たに大貫勇輔さんが
王次役でご出演。
浦井くんは、新国立版シェイクスピアシリーズで歴代?
王様をされてきた、典型的王子様キャラなので、
一生くん程には悪人さが出てなかった気はしますが、
早口でもセリフが聞こえるのは、さすが沙翁芝居で
鍛えた成果だろうと思います
また中村梅雀さんが十兵衛役で初出演。
梅雀さんの舞台は殆ど拝見した事はなかったのですが、
さすが和ものに長けた方ですし、長い舞台歴口跡よく
(ラップ乗せとか早口はちょっと大変そうでしたが)、
着物の裾さばきとか所作が美しく、異種格闘技的
ミュージカルへも馴染み方がお見事でした。
また大貫さんの登場で、群舞も含めてダンスの
クオリ
ティが爆上がりでした(笑)

この芝居は、蜷川さん版から拝見してますが(木場さんは
蜷川さん版からずっと隊長役!)、藤田さんになって
より音楽劇度が上がりました

井上ひさしさんが既成の色々に抗っていた感じの強い、
ほぼ地上波オンエア不可確実な戯曲の過激さを、
ダイナミックなダンスとパワフルな歌、しかもボサノバ
調あり、演歌風あり、昭和歌謡系、王道ミュージカル
風、ラップなど東西問わず様々なジャンルの曲調に、
シェイクスピア風のややこしい台詞を乗せて、勢いで
見せてしまう演出と対応するキャストの力量は素晴らしい。
王次による、「To be or not to be」翻訳聞き比べも
健在でしたが、やはりこれは藤原くんとか、実際に
「ハムレット」をなさってる方がなさるのがより
趣向かも。

しかし、それにしても攻めに攻めた歌詞なので、
今回が初めの方は、かなり驚かれたかも。

因みにシェイクスピアを「十二夜」以外は紹介した、と
エピローグで隊長がおっしゃっていましたが、プロ
グラムで河合先生も書かれてますが、触れられ
てない
作品はもっとありそうで、これも井上さんの仕掛けか?
また見たら気がつけるか、とかあれこれ探す楽しみが
まだまだありそうで、新感線の「髑髏~」のように
定期的レパートリーとして繰り返しされたら良いなあ
と思います

しかし「朧~」と言い、これと言い、和とシェイクス
ピアのリミックス、個人的にはどちらも大好物なので
楽しさ2倍で12月は本当に楽しめました
ただ、今回気合いを入れてS席にしたら15000円!
いくら楽しくてもこんな贅沢は二度とやってはいけない、と
硬く心に誓いました

ともあれまずは福岡以降の各地公演、無事に千秋楽を
迎えられる事を祈ってます

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2025.01.04

国博×ハローキティのコラボのために、表慶館へ行く

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「ハローキティ展わたしが変わるとキティも変わる」展
東京国立博物館・表慶館

入場料2000円
キティさまが登場してライブショーが見られるでもない
訳で、言い方を選ばずに言えば、会費を払って50歳(!)の
お誕生を御祝いさせて頂く、が2割、あとは会場限定の
グッズ購入の権利のため、みたいな感じでしょうか
でも行ってしまうのが、キティ愛と言うか(笑)

会期のはじめは、混雑の上にグッズの爆買いなど
あったらしいですが、伺った日は冬休み直前の平日の
午前だったからか、入場待ちもなく、一旦会場から
庭に出て並び直してからのグッズ売場も待ち時間なしで
スムーズに入れました
(おかげで表慶館の裏側、初めて回りました)

中は流れている動画以外のものは撮影okでした

キティは初期から知ってますから、一部ガラスケースに
展示されていたグッズを持っていたりして、おおっ、
我が家のアレもトーハク展示レベルの品ならちゃんと
しなくちゃと内心(笑)

トーハクでキティ展をやる意味は正直最後までイマイチ
判らないまま終わりましたが、折角なのでグッズは
トーハクとのコラボを集中的にチェックしました
写楽の「大谷鬼次の奴江戸兵衛」、師宣の「見返り
美人」、宗達の「風神雷神図」、北斎の「富嶽三十六景
~神奈川沖浪裏」、歌麿の「當時三美人」そして
広重の「名所江戸百景~大はしあたけの夕景」、
応挙の「朝顔狗子図杉戸」

「見返り~」は無理矢理感がありましたが(笑)、
一方、写楽のが一番馴染んで見えたのは、キティ
さんも「大首絵」だからですね(笑)
蔦重とサンリオ、目を引くための作戦は同じです。

しかし、最大のコラボは、やはり明治時代に建てられた
クラシックな表慶館のファサードに収まる、昭和の
代表的アイコン、キティ様像?でしょう
あそこにキティ様を鎮座させるって、国博、なかなかな
度量です。

因みに、表慶館の奥、法隆寺宝物館のエントランス
には、マイメロディ、クロミ、シナモロール、ポム
ポムプリンが、今回のキービジュアルと同じポーズで
団体でご鎮座。
(撮影だけなら入館無料)
ひょっとして、毎日閉館後にキティ様と合流して、
慣れない環境でのイベントのお疲れを癒してあげて
いるのか(笑)

まあ文句言いながら、結局年末の自分へのご褒美、と
言い訳をつけてあれこれグッズ買ってしまったの
ですから、まんまと術中にはまりました(笑)
可愛い、は最強

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2025.01.03

2024年、伝統芸能系ベスト10

24年は伝統芸能が大充実でした

(順不同)
☆「梶原平三誉石切」
(1月。新国立劇場)
→菊之助さんの梶原の格好良さ

☆「伽羅先代萩」
(5月歌舞伎座)
→こちらも菊之助さんの政岡。
そして歌六さんの八汐もね!

☆「妹背山婦女庭訓~三笠山御殿」
(6月歌舞伎座)
→襲名興業での新・時蔵さん
素晴らしいお三輪
七之助さんの橘姫も、仁左衛門さんの
おむらもよかったけど、
「小川さん」ご一党(萬屋、播磨屋)の
官女'sが大迫力で花を添えました

☆「摂州合邦辻」(9月歌舞伎座)
→またまた菊之助さん。

☆「妹背山婦女庭訓~
太宰館花渡し&吉野川」
(6月歌舞伎座)
→玉三郎さん定高の素晴らしさ。
松緑さん清澄もよかったけど、
左近さんの雛鳥!

☆「仮名手本忠臣蔵」通し7段目まで
(11月国立文楽劇場)
→あっさりやって下さる太っ腹

☆「壇浦兜軍記~阿古屋琴責」
(12月江東区文化センター)
→勘十郎さんの阿古屋、太夫の語り、
そして琴、三味線、胡弓の
アンサンブルの素晴らしさ。
震えました

☆「天守物語」(12月歌舞伎座)
→玉三郎さんの富姫、七之助さんの
亀姫、團子さんの図書之助、
吉弥さんの薄、芝のぶさんの侍女。
目がいくつあっても足りない眼福S。
至福の時間でした

☆「元禄忠臣蔵~仙石屋敷
」(12月南座)
→仁左衛門さんの内蔵助さんも
勿論でしたが、歌玉さんの
伯耆守が素晴らしかった。
真山作品、面白さわかって
きたかも!?

☆「朧の森に棲む鬼」
(12月新橋演舞場)
→歌舞伎役者さんの底力を改めて
まざまざと実感しました
幸四郎さんの化け物ぶり、松也くんの
エンターテイナーぶり、右近くんの
身体、時蔵さんの潜在能力。
とにかく素敵でした

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2024年、お芝居ベスト5と残念5(伝統芸能以外)

前にも書きましたが、24年は余りお芝居は拝見して
いないと、夏くらいまでは思ってましたが、12月に
上演予定が次々入ってきて、結局、歌舞伎文楽除いて
月間9本(笑)
多分、個人記録です
しかも歌舞伎は歌舞伎座と南座で各2部ずつ、文楽を
見て、さらに実はこっそりリピートもしてるので、
睡眠やら色々日常をかなり削りまくりました(笑)

年間ベストは殆ど伝統芸能で、それを入れると上位が
みな伝統芸能になってしまうので、分けてのベスト5と
残念5です

【ベスト5】順不同
★「中村仲蔵~歌舞伎王国~下剋上異聞~」
(ブリリアホール)
→テレビドラマでは歌舞伎役者が
演じた歌舞伎役者役を、
現代劇役者だけでやりきった大冒険

★「ケエツプロウよ~伊藤野枝ただいま帰省中」
(紀伊國屋ホール)
→那須凛さんに尽きます

★「オセロー」
(紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA)
→お帰りなさい、横田さん

★「奇っ怪。小泉八雲から聞いた話」
(シアターイースト)
→構成が素晴らしい。松岡さんの存在感も

★「テーバイ」(新国立劇場) 
→構築力が素晴らしい。
今井さんと植本さんの芝居合戦も

○補欠「リア王」(kAAT)
→木場さんのご活躍は、「天保~」と
併せ業でMVPです

【残念5】順不同
☆「イアソン」(SEPT)
→ギリシャ神話の迫力皆無。
一回では理解できず

☆「A Number~数」
「What if ifOnly~もしももしせめて」
(SEPT)
→お洒落芝居は一回では理解できず。

☆「夏の夜の夢」(さい芸)
→下手は若さだから、は言い訳できません。
通る声と金切り声は別。
OKした演出家さん、何してた?
美術セットはよかった

☆「テラヤマキャバレー」(日生劇場)
「未来少年コナン」(東京芸術劇場)
「ピローマン」(新国立劇場)
→どれも成河くんご出演で拝見しましたが、
私にはどれも肌にあわず。
自分に反省

(番外)「天保~」で書きましたが、
年間かなり演じられたシェイクスピア
演目たちにも感謝

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2025.01.02

ミュージカル「LION」を観る

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「血の婚礼」のIMMホール以上にエンゲキをやるとは
思わない「プリンスホテル~クラブex」での上演と
聞いてどうなるかと思いましたが、要はアクターが
しているとは言え、中身は完全にワンマンギター
ライブ、だったので、会場の選択としては正しかった
ですが、それ以上にこれはミュージカルだったので
しょうか?(笑)

成河くんのギターの腕前は、以前「COLOR」の時に
ちらっと披露されてましたが、そうは言っても本職は
俳優さん。
しかし今回の演奏は俳優の演技としてのレベルなど
ではなく、猛練習されたとは言え、凄いことになって
いて、演技を見ていると言うより、昔、追っかけて
いた、山崎まさよしさんやスガシカオさんの、ワン
マンライブを聞いているのに近い感じがしました

俳優さんだけに、いわゆるフロアがフラットでは
見づらい、と言う点には気づいてくださり、後方席には
限界はありながら、段差がついていてありがたかった
です

この1年、昭和の演劇人への謎なオマージュ芝居や、
古典アニメの舞台化、2日しかない推理小説のパフォー
マンスと、私には若干ノレない路線が続いていましたが、
素晴らしいパフォーマンスで1年観納められてよかった
です

来年はまずは「イリュージョニスト」完全版から。
短縮化コンサート版ですら、あの素晴らしさだった
作品だけに、今回の完全版、本当に楽しみでしか
ありません

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歌舞伎NEXT「朧の森に棲む鬼」を観て完全にはまる

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新橋演舞場
いや~面白かったです。
12月は南座、歌舞伎座、演舞場と歌舞伎を3座で
拝見しましたが、個人的盛り上がりで言えば、演舞場が
一番、そして年間ベスト5に入る、確定です

実は最初、幸四郎さんライ、バージョンだけチケット
取って観たのですが、余りの面白さに、つい松也くん
ライバージョンを「追朧」してしまい、挙げ句、
時蔵ツナのブロマイドまとめ買いまでしました(笑)

「朧の~」物語の元ネタは、「リチャード三世」と
「マクベス」ちょっと「ハムレット」味もありつつ、
大江山の酒呑童子退治に纏わる伝説を絡めた構成なの
ですが、同じ12月に、同じくシェイクスピア作品を
リミックスして翻案した「天保十二年のシェイクス
ピア」と交互に観たために、悪党が、のしあがって
から死ぬのを、着物の登場人物が演じるバリエー
ションを交互に観る事になって、さすがにちょっと
頭がバグりました(笑)

新感線オリジナルは、幸四郎さん(当時は染五郎)が
出演された公演を観た記憶がうっすらあるのですが
(堤さんで「吉原御免状」、上川さん&堺さんで
「蛮幽記」と、豪華なゲストでのギャグでないバー
ジョンの作品が続いた時期)、正直、今回の「歌舞伎
NEXT」バージョンの方が明らかに面白く、分かり
やすく感じました。
多分ですが、新感線は説明なく大量に人が登場する
上に、高速セリフにギャグが混じり、話に乗れるまでが
ちょっと大変なのに対して(笑)、歌舞伎版は「阿弖
流為」もでしたが、私には見慣れ聞きなれた、歌舞伎
役者さんの身体に乗り、セリフが声になるからか
解像度が上がる気がしますし、何より百戦錬磨の歌舞伎
役者さんの場数と引き出しの多さは全く驚異的。
新感線お馴染みの派手な立ち回りも、基礎があって
付け焼き刃ではないため、仕上がりのレベルが凄く、
まるで、元々歌舞伎のために書かれた作品のように
見えました
(「阿弖流為」もそうでした)
配役もシュテンがオリジナルの女性(演・真木よう子
さん)から男性(染五郎くん)に変更になったのと、
冒頭すぐ殺されてしまうヤスマサだけアクション監督の
川原さんがなさったくらいで、あとはメインキャスト
全て歌舞伎役者さんで配役されていて、それが見事に
はまる素晴らしさ
幸四郎さんは言うまでもなく新感線と歌舞伎を繋いだ
トップランナーですから、馴染みすぎて新感線の人に
しか見えないほどで(笑)、寧ろ松也くんのライの方が
ツケ打ちや大向こうの間が歌舞伎的なのと、幸四郎
ライより、ヒトの気配が残っていましたが、どちらも
遠慮会釈ないやりつくす悪業と、それを倒しにいく
人々のカッコ良さは最高で、「俺を憎みながら、
今ほど俺の事を考えているのはないだろう」とツナに
迫るあたりは、オリジナル?のどの「リチャード三世」
より痺れました
にしても3時間以上、喋って動いたラストに、本水
立ち回りに宙乗りやれる歌舞伎役者さんの体力って
オバケ(笑)
しかも3階席の特権で、宙乗りを間近で拝見しました!

オリジナルでは粟根さんが演じていたウラベは、
もう歌舞伎になると聞いた瞬間に「はい、亀蔵さん
ですよね」と思っていて、まさに、と言うか違和感
なさすぎのはまりぶり(笑)
オリジナルでは高田さんが演じたオオキミの愛妾・
シキブ役の新悟くんのお茶目な女子力(笑)、オリジナル
では古田さんが演じたマダレ役の猿弥さんはスーパー
歌舞伎の下地があるので馴染みが良く、良いオジ
全開の彌十郎さんは癒しの一言
オリジナルでは阿部サダヲさんが演じたライの子分
キンタ役の右近さんは、身体能力の高さを見せつけて
明るい感じが「野田版桜の森の満開の下」の勘九郎
さんの耳男に感じが似ていました。
そして何より特筆すべきは新・時蔵さん
梅枝時代は、歌舞伎でも古典専門、新作歌舞伎には
最近まで殆ど出演なさってなかったのが、今回、
オリジナルでは秋山菜津子さんがなさったくらいの(笑)
歌舞伎には殆どない、強気な上にラストには本格的
立ち回りまである武人の女性将軍にして、ライと
複雑に絡むキーパーソンのツナ。
どんな感じになるかな、と実は想像がつかなかった
のですが、もう全てを超越して、とにかくカッコ
良い上に、古典歌舞伎仕込みの女性としての繊細で
複雑な葛藤も表現されてて本当に見事でした。
(数少ない新作歌舞伎「ファイナルファンタジーⅩ」は
未見でしたが、改めて見たら、ビジュアルイメージが
今回と似てました)
唯一、前髪がやや鬱陶しくて、本来のお美しさが
隠れてしまったのが惜しまれますねぇ

また、新感線お約束の岡崎さんたちのハードロックに
女声のボーカルに、歌舞伎のツケ、さらに義太夫と
三味線、そして数々の歌舞伎鳴り物が非常に見事に
ミックスされていたのも素晴らしかったです
例えば「三人の鬼」(時蔵、新悟、染五郎)とライの
場面では、鬼たちが仮面を付けている時はボーカルか
義太夫、面を外した時は役者が喋る、と言うように
使い分けていたようですが、違和感なく馴染んで
聞こえました

また、新感線の大定番、と言うか、いまや新感線で
なければ殆ど見られない、堀尾さん美術に、原田さん
照明も健在。
三階席の特権「その2」は、凝った床面照明を堪能
できる事で、今回は、時に緑地に森林の木々の枝の
ように、赤地に毛細血管のように、クネクネと一面に
広がる模様の美しさを見せて頂きました

NEXTはカーテンコールが当たり前にあったのですが、
キャストやバンドメンバーだけでなく、鳴り物やツケ
打ちさん、そして三味線方まで登場されて拍手を
受けておられましたが、こう言う機会でもなければ、
なかなかお舞台に出られる事がないので、個人的には
良いなあと思いました

シネマ歌舞伎になったら絶対見に行きたいですし、
円盤も買いたいところですが、ツナさまだけ見られる
マンチアングルがほしいです(笑)

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KERA版チェーホフ完結の「桜の園」

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KERAさん版チェーホフシリーズは、最初の「かもめ」
から足掛け12年、ようやく完結となりました。
思えば「かもめ」は珍しく萬斎さんが主役を外れての
現代劇(着物を着てない、と言う意味で)で、若者の
悲劇とのコントラストで、大竹さんアルカージナと
大人のドタバタ喜劇を演じていました。
(今回のプログラムで、KERAさん、「かもめ」は
やりすぎた、と反省?されてましたが、私としては
額に皺寄せたたようなチェーホフばかりでは面白く
ないので、寧ろ振りきっててよかったんですけど)
「三人姉妹」「ワーニャおじさん」を経てラストの
「桜の園」
前にも書きましたが、実際にはコロナ禍中の2020年
大竹さんラネーフスカヤ夫人で、シアターコクーン
での公演がチケット発売までされていての直前公演
中止。
井上くんのほか、杉咲花さん、蒼井優さん、生瀬さん
など、なかなか見られそうもない豪華配役だった
だけに、中止は本当に残念でした。
今回はそのリベンジ。
一部キャストが変わり、また会場も、延期になって
いるうちに、コクーンが閉まってしまったため、
SEPTに変更になりましたが、漸くたどりついた感じ
です

キャストではとりわけ、優柔不断を絵にかいたような
ラネーフスカヤ夫人を、イメージから一番遠そうな
天海さんだったので、どうなるかなと思っていました
が、背筋のピンと伸びた威厳ある外見と、「だってアタシだめなんだもの~」
とダメ自認する内面の凄いギャップ、え?そこなの?
みたいなところが逆に面白かったですし、あのラネーフ
スカヤならみんな許してしまうかも

また、前の年に見たショーン・ホームズさんの「桜の園」の
時に、初めて家庭教師のシャルロッタの突拍子のなさを
認識しましたが、今回の緒川さんもサラッと見せる
手品が浮世離れしていて、いや、これが家庭教師で
大丈夫かなと(笑)
際立っていたのが峯村さん演じた養女のワーリャで
その気丈さがもう、素晴らしかったです
何よりは、フィールズの浅野さん。
しばしば登場しても何の台詞もなく横切るだけみたいな
演出も含めて、いるだけで最高、でした
そして、これもなかなか案配が難しい。ロパーヒン
今回、宮藤官九郎さんの懐刀(笑)、なイメージの
荒川良々さんで全く想像つかなかったのですが、
卑屈に見えつつ、実はラネーフスカヤを気遣っていた
のに最終的に自分が全て手に入れてしまい申し訳ない、
と一人おたおたする様子がもう(笑)
後半、荒川さん無双、でした

KERAさんは今回、ロシアでの初演を意識されての
クラシックな衣装やセットでされましたが、その中
でも、セットチェンジをキャストが一緒に綺麗な
フォーメーションを見せる(さすがの小野寺修二さん)
ところが見事でした

しかし、シェイクスピア程ではないにしても、まあまあ
リピートされるチェーホフですが、わかったか?と
言われれば微妙ですし、面白かったかと言われても
微妙ですが(笑)、どうも「次こそ面白く、理解度
上がったチェーホフを見た」と期待して見に行って
いる気がしていて、ひょっとするとチェーホフは
観るより演じる方が面白い芝居なのかも知れません

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貨幣博物館「描かれた江戸の商人~販促ツールと商いの秘訣」展を見る

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日本銀行に通常公開している資料館があると言う事を、
しかも土日もやっていて!入場無料の太っ腹!だ
なんて、こちらの企画展に伺うまで知りませんでした。
今回、魅力的な企画展がある、とチラシを駅で偶然
手にして、初めて伺いました

因みに正式名称は
「日本銀行金融研究所ー貨幣博物館」!

しかし、さすがに日本の中央銀行
まず入館時に、飛行機の搭乗時に飛行場で受けるのと
同じ、エックス線による荷物検査があったのには
びっくりしました。
それだけでなく、展示室内水分補給禁止で、ロビーの
給水機を使用
筆記用具の使用に制限はないけれど、撮影は限られた
スポット以外禁止、となかなかな制限
ただし、「(透明ケースの中の)一億円を両手にして撮影」
できたり、パネルの前には「貨幣博物館に行って
きました」とか映え用のフォトプロップスが各種
揃っていたりと、なんかギャップが面白かったです

お目当ての展示は、資料の浮世絵たちが、複製や
部分写真が多かったのが惜しまれますが、拡大しないと
わからない小さな書き込みにも丁寧な解説があったり、
両替屋の道具の実物や銀本位の上方、金本位の江戸の
違いなど、さすが「ご専門」の強みは非常に参考に
なりましたし、國芳先生に、実物を拝見したことが
ない「俳優見立夏商人」と言うシリーズものがある
事が今回わかって(恐らく役者絵を禁じられた國芳先生
ならではの抜け道的作戦な気配が濃厚)、いつか是非
実物を見てみたくなりました

それにしても、一億円の塊、持ってみましたが、
思っていた程重くもなく、とは言え大金。
不思議な体験でした

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名古屋市内観光&3美術展めぐり

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少し前ですが、旅行の当初の予定が悪天候で完全に
狂い、経由地として宿泊するだけの予定だった名古屋で
ほぼ1日足止めをくらいました。

考えてみれば、これまで何度か名古屋は来ていましたが、
ライブや演劇公演に合わせてだけなので、殆ど駅と
会場往復、行って地下街で食事くらい
(それも余り動くと迷うので最小限)
市内(近郊)観光は名古屋城を登ったのと、「源氏物語
絵巻」特別展覧で徳川美術館に伺った以外、腰を据えて
名古屋を観光した、と言う記憶がなかったので、
折角なら熱田神宮や大須観音詣りでも、と気持ちを
切り替えて駅コンコースの観光案内所へ。
しかし、午前はまだしも、午後は更に本降りの大雨に
なる、の予報との事にガッカリ
熱田神宮や大須観音詣りも諦め、結局、市内バス一日
フリーパスを使って、市内のレトロビルと美術展巡り、を
しましたが、これが予想外な面白さでした。

名古屋のレトロビル、と言うのは、市役所本館(現役
らしい)の正面と、名古屋市市政資料館。
いずれも朝ドラ「虎と翼」のロケ地として一躍注目を
浴びて、観光モデルコースにも取り入れられていました
市役所は正面の時計塔がメインでしたが、市政資料館は
内部も拝見
「寅ちゃん」がその角から出て来そうな雰囲気でした
(この日はイベント中で撮影はできず)
因みに地下には留置場の跡もありました

さてここから、大雨のなか、美術展(館)はしご

一つ目は定番、徳川美術館
「源氏~」は模写のみでしたが、和歌や古文書、
雅やかな貴族の衣装や、蹴鞠の実物(平安のスポーツと
紹介されてました)など、「光る君へ」世界をちょっと
感じる展示でした

二つ目が観光地をめぐる市内バス(「メーグル」)の
ガイドさんが車内案内でサラッと言ったのを聞き
逃さなくて良かった!な、旧東海銀行本社跡、現・三菱
USJ銀行名古屋ビル一階の「貨幣・浮世絵ミュージアム」
目当てはそこで定期的に開催されていると言う

無料の美術展で、この時は私の最大好物、広重の
「江戸百」を江戸のお勧め季節別デートコースとして
分類しての展示
「江戸デート大作戦~浮世絵でめぐるモデルコース」
無料と思えない丁寧な解説、摺り状態もみな良くて、
予想以上に素晴らしく、超長居(笑)
しかも東京では考えられないくらい、こんなにゆったり
見ても良いのかくらい快適で、これだけの為に名古屋
には来られないですから、ガイドさん、本当にありが
とうございます!、でした

最後が、若冲の所蔵で知られる相国寺の美術品を
集めた
「相国寺承天閣美術館開館40周年記念~相国寺展。
金閣・銀閣~雪舟から応挙、若冲へ」展
後から知ったのですが、こちら東京では来年春開催
だそうで、東京で、となれば混雑必至ですから、
結果的に名古屋で見ておいて正解でした。
しかも、閉館90分前に飛び込んで閉館アナウンスまで
だったので更に空いてもいて、小さい作品は近づいて
屏風や襖絵などはすきなだけ引いて見てもよく、
いわば完全見放題状態で(笑)楽しませていただきました

前半の南画や雪舟の水墨画は、私にはイマイチわかり
ませんでしたが、文正の「鳴鶴図」や林良の「鳳凰
石竹図」とかは、若冲が模写しそうな感じでしたし、
永公の「墨梅図」の足元の橋とか、躍動感があり、
クロワッサンみたい形状で、とても歩けそうにないのが
若冲さん味(笑)
雪峰の「梅鶴図」など、若冲さんの下絵と言われても
頷きそうなテイスト
また、萬里集九賛の「韋駄天図」は完全にキュン。
江戸美術の「カワイイ」はこっそりしっかり、既に
始まってました(笑)
さらに御用絵師一家なのに、探幽&尚信&安信合作の
「観音猿猴図」はもう猿ちゃんsかわいすぎて、ほぼ
ゆるキャラ
探幽さんの「菫奉図屏風」の右隻の虎ちゃんはあと
25回くらい回ったらバターになりそうでした。
若冲さんとその同世代の作品は、何より「鹿苑寺
大書院障壁画」
カラスが屏風を独占して芭蕉は陰が薄いとか不思議
過ぎる(笑)
「玉熨斗図」は迫力なのに、「竹虎図」は「竹猫図」の
間違いでは?な可愛さだし、「亀図」には謎な黒い塊(笑)
最早なんだかわからないデフォルメ爆発の動植物
たちに、あらまあ、やれやれ、全くもう、と内心
ニコニコニヤニヤしながら満喫させていただきました

浮世絵展も相国寺展も、名古屋で足止めされなければ
行く事はなかったはずで、全く、今回については災い
転じて福、でした
美術館を出る頃は天候が回復して夕焼けが。
翌朝あさイチには次の予定地へ移動しました

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二兎社「こんばんは、父さん」を観る

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来年閉館が発表されていた俳優座劇場
もう伺う事はないかも、と思っていましたが、ギリ
ギリ間に合いました

お芝居自体は前回版も観ていて、その時は父・平幹二朗
さん&息子・佐々木蔵之介さん&金融会社社員・溝端
淳平さんと言う顔ぶれでした。
凡そ、一代で成長した町工場の社長さんには見えない
平幹さんなのに、回想シーンの迫力が印象に残って
いました。

今回は、風間杜夫さん&萩原聖人さん&堅山隼太さんと
キャストが一新

10年以上経っても、お金にまつわる失敗や詐欺被害、と
言った今回のテーマは、持ち物がデジカメや折り
畳み携帯からスマホ一台に置き換わり、トクリュウ
やら闇バイトが登場して、このお芝居の青年の「話せば
判る」ような事にはならない、世知辛くて物騒な
世の中にはなりましたが、結局、見栄とか些細な欲で
人生は簡単に狂い、ささやかな幸せも呆気なく失われる
部分は変わらない、と言う普遍性
つまりは、テクノロジが進んだところで、人間の
本質はそれほど簡単には変わらない、と言う事を、
二回見たおかげで改めて実感しました。

何より皮肉な事には、上司からの業務命令(ほぼパワハラ)に
従っているだけの、この若い「金融会社社員」が、
長い間断絶していた親子が嫌々ながら向き合わせ、
改めて互いを知り、許し合う、と言う結末は、永井
さんのロマンかも知れませんが、小さな希望を感じ
ました。
風間さんはいかにも、社会の荒波にもまれた知恵と
叩き上げ感、そしてちょっとした余裕のない卑屈な
感じがぴったり
萩原さんは、言ってはなんですが(笑)、挫折したり
屈折した背広のサラリーマン役がすごくはまる方で、
今回もならでは、な。
堅山くんは最近、大劇場ものからこうした個性のある
プロデュース公演まで幅広い活躍で、さいたまネク
ストの立ち上げから観ているだけに、親戚のおば
ちゃんのように嬉しいです

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12月の歌舞伎座は「天守物語」に尽きました

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文楽とハシゴの予定が、時間があわず、一部は見逃し
ました

「加賀鳶」
私が歌舞伎で苦手なジャンルの一つが侠客もの。
なのでスルーするつもりでしたが、主人公・道玄の
奥さん役を芝のぶさんがなさっているというので、
追いチケして駆けつけましたが、やはり芝のぶさんは
長屋のおかみさんでは美しさが持ち腐れですよねぇ。

「天守物語」
玉三郎さんが富姫をなさるのが10年ぶりと聞いて
却ってびっくり
と思うくらい毎回観てます
しかも亀姫の七之助さんが初役もびっくり。
去年、富姫なさったので亀姫経験済みと勘違いして
ましたが、以前亀姫なさったのは、勘太郎時代の
現・勘九郎さん
と言う事で、もう眼福以外何ものでもない、玉三郎
富姫&七之助亀姫コンビ
しかも、最早、薄役は他に考えにくい吉弥さま。
10月休演されていたので心配してましたが、お元気
そうで何より
更に、芝のぶさんが侍女の一人でご出演。
道玄のおかみさんと同一人物とは思えない美しさを
炸裂なさっていました
しかも!一番驚いたのが、今回、図書之助に大抜擢の
團子くん。
「弥次喜多」シリーズでは染五郎くんとセット売り(笑)
だったのがついこの間、くらいのイメージでしたが、
「ヤマトタケル」の大役を経たからか、久しぶりに
拝見したら別人レベルの、鮮やかな若武者ぶりでした。
鏡花作品の独特のセリフも、何より富姫が惚れ込む
水際立った男振り、と言うのも違和感ない佇まいで
玉三郎さんが抜擢された理由も納得でした。

澤瀉屋さんの演目もやる義務もあるとは思いますが、
共演から学ぶ事がたくさんあるはずのお年頃なので、
是非これを機に、所謂古典で様々な先輩たちと共演
されたらと思います

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森新太郎さん版「ヴェニスの商人」

Venice

日本青年館
24年はシェイクスピアイヤーで、23年の内から「四大
悲劇」を観られる目算はついていたのですが、途中に
どんどん追加になり、本当によくシェイクスピア芝居を
拝見した年になりました。

因みに見たのは以下
★ハムレット(さい芸・柿澤さん)
★ハムレットQ(PARCO・吉田羊さん)
★マクベス(東芸→さい芸・内田くん)
★リア王(PARCO・段田さん)
★オセロー(文学座・横田さん)
★リア王(kAAT・木場さん)
★シンベリン(イエローヘルメッツ)
★ロミオとジュリエット(新国立・研修生)
★ヴェニスの商人(青年館・草彅さん)
★夏の夜の夢(さい芸)

これに翻案芝居「天保~」と「朧~」を加えたら、1年間、沙翁漬け(笑)
しかも有名作品ばかりのラインナップなのも凄い

さて、草彅くんの「ヴェニス」です
草彅くんシャイロックを見たかったからもありますが、
蜷川さんの後、森さんが一番安心して翻訳ものを
拝見できる演出家さんと思っているので、気合を入れて
チケット取りました(笑)
ただキャストの顔ぶれが若手メインなので、所謂
オーソドックスなシェイクスピア演出はしないだろうと
思っていましたが、まさに。
小道具以外のセットはなく、奥行きの深い広いウッド
感強い舞台の一番奥に、昔の駅のホームの壁に添って
仕切り無しに付いていたような長椅子型ベンチ。
キャストは幕開けに全員登場すると、そこに座って
自分の出番になると立ち上がって、芝居に加わる。
金銀鉛箱以外は椅子くらいしか道具が出なくて、
役者さんの服装も時代考証よりイメージ優先で、
例えばシャイロックはアンティークなコートで、
外側から「らしく」見せてない分、役者さんたちの
頑張りにかかっていた訳ですが、とにかく、シャイ
ロック以外の皆さんが割に脳天気キャラで、ポーシャと
ネリッサのやりとりは、ほぼJKのノリ(笑)
シャイロックの娘のジェシカですら、カーニバルでは
羽目を外してしまうし、自己破産確定のアントー
ニオなど、何とかなる、と思ってるフシがあるし、
バッサーニオを含むお友達たちも、かなり楽天的。

草彅さんシャイロックは常に笑顔で落ち着いたキャラ
クターで描かれ、この脳天気なヴェニス市民の中では
寧ろ、シャイロックの方が真面目だし、特に組織を
掻き乱す変人感は一切醸してないのが、従来の演出とは
違うところ。
しかし考えてみれば、一見組織内にいるように見えて
実はいざとなると、自分たちとの相違点から意識
無意識問わず、排除しようとする空気が醸されて、
昨日まで「仲間だね」と言っていたのが急によそよそ
しくなる方が明らかに怖い。
誰も排除されたくないから、内心そうでなくても
同調圧力に圧される
今回の「ヴェニス」はそう言う、一見陽キャの脳天気な
「お友達集団」の、いきなり見せるゾッとするような
怖さを感じました
それだけに、ラストのシャイロックの「反論」は
正論に、ポーシャに対する「見事な裁判官さまだ」
すら、強烈な皮肉に聞こえる、不思議な「ヴェニス」
でした

草彅くんは「アルトゥロ・ウイ」でもそうでしたが
ジワジワ効き目のある薬のように、ジワジワ存在感を
増す、不思議なシャイロックでしたし、いつもは
正義の代名詞、みたいなポーシャを佐久間さんが
ノビノビとなさっていたのが印象的でした

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2025.01.01

謹賀新年

「24年観劇録は《今年中》」にまとめる」と書いて
おきながら、呆気なく年越しました(汗)

12月の観劇感想もまだ積み残し状態
箱根駅伝見ながらなんとかします(笑)

25年は、まずは歌舞伎座が三大芝居の通し、更に
菊五郎襲名とあり、更に文楽劇場も40周年続きで
気合の演目

ミュージカルは「イリュージョニスト」4年がかりの
完全版
久しぶりに高橋洋くん舞台もあり。

美術系は大河「べらぼう」のおかけ、プラス、多分
万博のインバウンド狙いで、江戸浮世絵に注目が
集まる便乗企画展が出てきそうな気配が。

個人的には国博の「大覚寺展」
時代劇のロケ地と言う以外、今まで余り注目して
こなかったのですが、実は院政の地だったり、寺宝が
色々ある模様なので期待してます

今年もぼそぼそよろしくお願いいたします

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