委ねられる映画「ファースト。キス1stKISS」
昭和はトレンディドラマ、平成は硬派社会派、令和は
都会に暮らす経済的には問題ない人たちの日々の機微を
描くコメディ、そして「等身大恋愛もの」と、形は
かわりながら常に話題になる作品を提供し続けている
脚本家・坂元さんの脚本を、「アンナチュラル」
「ラストマイル」の塚原あゆ子さんが監督。
どちらも見る動機になるし、期待大で伺いました。
今作は坂元さんの「カルテット」「大豆田~」でも
主役だった松たか子さん演じるカンナが、色々と
ボタンの掛け違いをしたまま40代で不慮の出来事で
先だってしまった夫・駈(松村北斗さん)が、どうすれば
その未来を回避できたのか、を何度も過去に戻っては
格闘し検証する、と言う不思議な物語でした。
タイムリープものは過去を改変できない、と言うルールが
あるものだと思ってどうなるのかと見ていましたが、
ラスト前に、自分が死ぬ日を予め知ってしまった駈が、
妻の思惑とは違う決心をして「その日」に向かうと
言う、どこかオー・ヘンリー「賢者の贈り物」的
爽やかなラストでした。
早くから活躍されているので若い頃の松さんも知って
いるのですが、「昔」シーンのカンナが「HERO」
あたりの松さんそのもので全然違和感がなかったのが
凄かった一方、遺影の駈さんの「残念な中年ぶり」も
何だかリアルでした(笑)
人間、誰しも「あの時こうしていたら」と言う、
「選ばなかった未来」を思う時がありますが、これは
まさにそれを映像化
多分この映画は見る人見る人で響くセリフ、共感
できるシチュエーションはそれぞれ。
狙いはあるとしても、どこが印象に残るかは、観客に
委ねられた気がします。
唯一、カンナが携わっていた2.5次元舞台の美術の仕事が、
ラストまでに何かの伏線になるのかと、実は結構必死に
ディティールを見ていたのですが、特に何もなし。
ただひょっとすると今後お二人どちらかの作品に美術
スタッフ役で松さんが出てきたりする、「シェアード
ユニバース」な映画やドラマが今後登場するかも、と
ちょっと期待してます
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