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2025.03.28

「チ。ー地球の運動についてー」舞台化

原作は手塚治虫賞なども取り、先日までNHKでアニメが
放送されていた話題の漫画
(サカナクションの主題歌が刺さった)
それを舞台「100万回生きたねこ」の演出をなさった
アブシャロム・ポラックさん演出で10月に上演
される
とか
脚本は長塚圭史さん、音楽は多分クローンが何人か
いる(笑)阿部海太郎さん
演出がこの方となれば、キャストも動ける人ばかりで、
とりわけ、新旧「ねこ」役者の共演、遂に来た!(笑)

ストーリーを追うばかりではない、パフォーマンスに
主眼がおかれる舞台になるに違いないので、まずは
流し読みしただけの原作を再読し、アニメも再視聴し、
何よりホリプロアカウントの再確認をしなければ(笑)
東京公演は新国立中劇場

ちなみに今秋は歌舞伎座で三大作品の残り2本の上演が
決定していて、10月は「義経千本桜」
個人的「箱推し」が9月の「菅原~」とは言え、
今月の「忠臣蔵」のように、またダブルキャストの
2プロ制でもされたら、歌舞伎座通い確定なので、
今から他の舞台には目を瞑らないと、と思っていた
のに、のっけから計算が狂いました(笑)

「チ。ー地球の運動についてー」
原作:魚豊
脚本:長塚圭史
演出:アブシャロム・ポラック
音楽:阿部海太郎 
振付:エラ・ホチルド
出演:窪田正孝 三浦透子 大貫勇輔/吹越 満 成河/森山未來 ほか
2025年10月 新国立劇場中劇場、 11月ツアー公演

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2025.03.21

映画「教皇選挙」が面白すぎる!

Kyokokaigi

キリスト教徒でない私ですら、名前とどんな時に
行われるものかくらいは知っているコンクラーベ
(教皇選挙)をテーマにした映画。
名優レイフ・ファインズが主演だし、これは期待!と
初日に伺いましたが、他にも同じように感じた方が
多かったようで、初日とは言え、こんなに満席回
だらけの作品、久しぶりでした

そして期待に違わず
謎に包まれた、その内部を覗きみるような感覚で
描かれる密室ミステリーは、それが教皇選挙という
特殊な設定と言う部分で、また生臭い人間
ドラマ
として絶品でした。

組織のトップを決める身内だけの相互投票システム
ですから、それが聖職者であっても清らかてあり
得ないのは、全ての人間組織において免れない事の
ようで、派閥争いに中傷合戦、ルール破りは当たり前
疑念と疑惑、戦争だ!と言いきる血の気の多い枢機卿も
いる始末。
しかし、公平のために全員を隔離しているあいだに、
「壁のすぐ外」では予想もしていない事件が発生。
レイフ・ファインズ演じる、コンクラーベを取り
仕切るローレンスは、選挙管理委員として、また
まるで探偵のように冷静にコトにあたろうとするものの、
徐々に自身にも若干の野心も生まれるわ、信仰に
迷いが出るブレっぷりを見せるのがまたリアルだし、
一方で、男性社会の教皇庁においては多くの権限を
得られていない修道女たちのほうが余程正論だったり
する皮肉

ラストに漸く誰もが納得しうる新教皇が選ばれたと
思ったとたんに、ローレンスは信じられない事実を
知らされるどんでん返し!
そう来たか!

初日すぐですし、ラストのネタバレは止めておき
ますが、脚本家さん、凄い手腕でした

暗い室内、息を吸う音、僅かな物音(エレベーターの
自動音声まで最初から字幕にしていたのには理由が
あった!)、緊張感を誘う音楽、システィーナ礼拝堂の
セットの再現ぶり(「大塚国際美術館」でリアルサイズを
体感した感覚ですが)し、とにかく、客席も、携帯の
着信音どころか、飴かガムかの包み紙の音すら響き
わたるくらいの緊張感
本当に集中して見られたのが良かったですし、この
映画はそうして見る覚悟(マナー)ない方は配信
まで我慢がお勧めです。

何人もの候補者が次々登場する前半は、皆揃いの緋色の
マントと丸い帽子、と言う同じ服装のため分かり
にくい部分もあったので(徐々にわかる仕掛けも上手い
のですが)結末を知った上でもう一度見ても、さらに
理解が深まるかも

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2025.03.20

ミュージカル「イリュージョニスト」(2)

Ilusionistw

2回目を見ましたが、やはりドキドキが止まりません。
判っているのに本当に心臓に良くない(笑)
あれを毎日(マチソワの日も勿論ある)やっている
役者さんが凄い。
ともかくネタバレ禁止なので、なんっとも言えないん
ですが、ちょっと冷静に考えると、これ観客全員、
アイゼンハイム&ソフィ側に何となく誘導されて、
ソフィの婚約者である皇太子が自然と敵役になって
ますが、よく考えて逆の立場から見たら、それはそれで。
皇太子の婚約者が消える、真相を追いかける皇太子
だって全然当たり前。
あれ?
どっちが正義??
イリュージョンですね。

そう言えば、成河くん、月刊「ミュージカル」の年間
ベストテンで男性俳優4位にランクイン。「LION」も随分評価されて「唯一無二」「ライフ
ワークに」とも言われているのに、今後のご出演
予定は相変わらすな振り幅が!(笑)
夏の「W3」や来週末公開の映画の吹替、更に来年は
KAATでまた「神奈川県役」なさるとか。
個人的には、去年仕事のスケジュールで身動き取れ
なかった、小野寺さんとの「点と線」再演渇望なんで
すが。


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2025.03.16

ミュージカル「イリュージョニスト」フルバージョン開幕!

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コロナ禍でコンサートバージョンに終わった前回の
リベンジ、「フルバージョン」が遂に開幕しました
結末は前回を見てますが、やはりタイトル通りの
イリュージョンが入るのが肝です

それにしてもメインキャスト5人が元四季3人、元宝塚
トップ娘役と成河くんで組まれるので、そう言うものと
思って聞いてしまいますが、改めて見れ(聞け)ば、
まあどれも音程、テンポ技巧こらしまくりの難曲
だらけで、それでいてどれも耳に残る曲ばかり。
そのせいか、我ながら驚きましたが、全ての曲を
覚えてました
オープニングと言い、美術の感じと言い、ライフルと
かピストルとか、「エリザ」好きには同じ匂いも
かなりしますが、その「エリザ」は別格としても
「モンテ・クリスト佰」に並ぶ大好物ミュージカルに
なりそうです。
(皇太子推しなので、心拍数がずっと下がらないのは
ちょっと辛い(笑))

1幕は若干咀嚼しきれない部分もありつつ、ともかく
ラスト前まで、どのセリフが、どの動きがラストの
伏線になるのかを、あるいは言っている事、見て
いるものの真偽を吟味しながら、見逃さないよう聞き
逃さないよう答え合わせにむけて集中するので体感が
秒!(笑)

ネタバレせずに感想を書くのは難しいですが、まずは、
誰が一番真実に近い事を言っているか?
そして目の前の事を全て信じてはだめだとずっと
思いながら観るのは、なかなか脳味噌を使います

しかし、久しぶりの大劇場の本格ミュージカル、
ご自身は余りお好きではなさそうだけど、やっぱり
成河くんのあの声には、これくらいの大きさの劇場が
必要でしょう!(笑)
「LION」も良かったけど。

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歌舞伎座「仮名手本忠臣蔵」(AB昼夜)を観る

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AB両プロ昼夜を見てきました。

ほぼ毎月歌舞伎座に行っている個人的感覚ですが、
多分、新しい歌舞伎座になってから、柿落としシリーズ
以来、久しぶりにチケットの売れ行きが凄い。
オールスターだし、何より演目が知名度抜群な「忠臣蔵」。
今年歌舞伎座で通し予定の三大作品の中でもより
初心者むき、インバウンド客向けでもあり、だから
かと思いますが、いつもは残る二階席まで既に完売の
日まであります、
とりわけ売れ行きが早いのがAプロ昼とBプロ夜。
共通点は
「仁左衛門さんが出てる回」!
人気とは正直なものです

また開場時間に入場列が松崎煎餅あたりまで延びて
いるのは滅多に見ません。

2階ロビーには、由来之助と判官の装束の展示がありました

昼の部開幕15分前からある口上人形の口上も、通しの
時しかやらないので早めの着席がお勧めですが、
結構ギリギリ来場の方もいて、ちょっと勿体ない
(昔と違って告知しないと知らない人も多いはず)
因みにこの口上、夜の部の配役も言うので、昼しか
見ない人には「あれ?」ってなる(笑)

しかしそれでも個人的には「忠臣蔵」で九段目を
やらないのがどうしても納得いかない(憤)
勿論、討ち入り→花水橋をやらないと、ではあり、
七段目終わって8時20分過ぎでは(かる&平右衛門
兄妹じゃらじゃらで、初日は更に予定より10分押した)、
諦めざるを得ないとは言え、九段目は本当にドラマ
なのに!

叶うなら余り間隔を開けないどこかで、九段目だけ
(欲を言えば同じストーリーラインでの二段目、も)、
今月歌舞伎座に出演なかったメンバーでやって欲しい
ところ
好みは幸四郎さん大星、又五郎さん本蔵、玉三郎さん
お石、新悟さん戸無瀬、米吉さん小浪、千之助さん
力弥、二段目やるなら、歌昇くん若狭之助!かな~

で、当月です
段の話をすれば、三段目の「進物」は、文楽と門が
向いている方向が違うとか、最近見るので文楽との
違いが今回よくわかりました。
また、四段目は判官切腹が眼目なのは勿論なのですが、
そのあと、城外の場までの、由良之助と家臣たちの
やりとりが印象的。
由良之助がバラバラな藩士の人心掌握のための意外な
策士ぶりを炸裂させるのは、通しでないとやらない
場面だけに新鮮でしたし、七段目に通じる四段目の
本当の意味を理解した気がしました

それにしても歌舞伎は三段目の「文遣い」をやらない
ので、なんで四段目のあの師直と判官の切迫した場面に、
顔世から「あんたには興味なし」と言う、師直の
神経逆なで確定、の手紙が届くのかがやっぱり唐突
(勘平に会いたいばかりに、「急がないけど」と釘を
さされていた顔世の手紙を、おかるがバイク便レベルで
届けたため、最悪のタイミングで師直に届いたの
だけど、師直は勿論、判官も事情を知らないので更に
拗れる
文楽だと観客は既に事情を見せられているので、
「あ~あ、お軽ちゃん!」ってなる)

夜の部は、九段目がないため(しつこいぞ(笑)、七段目が
終わると、あとはチャンバラだけなのは、蛇足感が
否めないのがなんか惜しい。

役者さんは日程前半で観た感じでは、判官役者は二人
ともまだ硬い。
多分、こちらが見ている以上にかなり難しい役柄だとは
思いますが、こればかりは経験しかないのかも。
しかし勘九郎さんが今更ながらお父さんそっくり。
判官コンビは逆プロではどちらも勘平ですが、こちらも
名だたる名優たちが繰り返し演じてきた場面だけに、
最早、正解やゴールがあるのかすら不明。

仁左衛門さんの大星は、四段目も七段目も、申し分
なくキュン(笑)ですが、愛之助さんの七段目の大星も
落ち着いていて、やる事てんこ盛りなのに見てて安心

松緑さんが四段目だけ由良之助をなさってて、いか
にも東京に支社のある地方の中堅企業の実直な部長風。
ただし、この感じのまま祇園で遊んだところで、
余りに浮いて、どうやっても「術」としか見えない。
ちなみに仁左衛門さんの大星さんは、東京支社長
経験もあり、若社長秘書室長の経験もある信頼も厚い
スマートな総務経理担当部長な感じで、接待も社交
辞令もお得意ですが、実は笑顔の目が笑ってない
シビアさが滲む、って感じでしょうか(笑)

巳之助くん平右衛門と時蔵さんおかる兄妹の七段目が
期待以上。
一方、松也くん平右がテンション高めに(平常運転)
つられたのか、七之助くんおかるがずっと金切声で、
見ていて疲れました。
七之助くん、化粧の感じが以前と少し変わって、
それは随分綺麗だっただけに惜しい。

六段目のお才が、萬壽さんが判人にもビシッと度量
Max太っ腹なマダムな一方、魁春さんのは感情を余り
表に出さないビジネスパーソンで、「べらぼう」の
各楼のおかみたちの違いもちょっと思い出します

師直のお二人は、共にごく若い頃から拝見している
だけに、「遂に師直やるようになったのね~」と言う
感慨が先行(笑)
47人を集団リベンジに走らせるに足る、パワハラ、
セクハラ、モラハラてんこ盛りの憎っくき爺さん、
でないと、見ている方も盛り上がらない?な役柄ながら、
芝翫さんのは地元ではいい人なのかも、とか(モデルの
吉良さんは本当にそうらしい)、松緑さんのが実は
小心者かも、とか、色々思い巡らすところです。
梅玉さん、歌六さん、錦之助さん、彌十郎さんなどが
脇に回って全体を底上げ、判人と伴内を橘太郎さんと
松之助さんの役がわりなど、端から端まで楽しめて
大満足
そうそう、諸士の中では歌之助くんの声がダントツに
良かったです
今月は再見予定なので、詳細はまた改めて。

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2025.03.13

静嘉堂文庫美術館に「歌舞伎を描く」展(前・後期)を見に行く

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太田記念美術館が「國周展」をやっているのはうすうす
知っていたのですが、こちらは最近はもう平日でも
狭い会場にインバウンド客がラッシュアワーのように
溢れて行く気になれないので諦めていましたが、
静嘉堂は完全にノーマークで、危うく前期を見逃す
ところを駆け込み、後期は平日に堪能しました。

と言うか、ぬいぐるみ?まで作って話題になった事も
あるように、静嘉堂、と言えば世界に誇る「曜変天目
茶碗」を所有する、関西に比べれば数少ない、古今
東西の陶磁器コレクションが有名な美術館のイメージ
でしたが、今回の解説に拠れば、実は浮世絵の膨大な
コレクションがあり、日本の浮世絵史を館蔵品だけで
網羅できるのだとか
え~~
世田谷にあった時代からそんな展覧会一度も見たことが
ないです、今さらそんな(笑)
「べらぼう」効果か?便乗か?(爆)

今回はタイトル通り、國周をはじめとして、国政、
国貞など、江戸末から明治初期に活躍した作者の歌舞伎
絵を中心とした展覧会
特にメインの明治期のものは、まるで今印刷したばかり、
みたいな発色(笑)
勿論、制作工房の予算やコレクターが保管にかけられる
経済的余裕と、思い入れの強さの賜物ですが、個人的には
写真のようなのっぺりした刷りは情緒がなくて好き
ではないのですが、当然、情報量は格段で、作品は
勿論、その時期の歌舞伎作品、歌舞伎役者、そして
劇場の様子を興味深く拝見しました

ちなみに、館蔵品コレクションオンリーの強みか、
展示品は全作品スマホ撮影可でした
(本格的カメラは、レンズ部分が飛び出して展示ケースや
他の来場者にぶつかる可能性のあるためNGなのだ
そうです)

面白かったのは、例えば「忠臣蔵」の名場面、役者の
顔の部分だけ、別紙に複数枚の役者の似顔があり、
それを重ねて、めくり絵にして、様々な役者での文字
通りの「顔合わせ」が楽しめる、とかは、もうこの
役者がこの役なら、相手役はこの役者、とか、贔屓の
ワクワク推し活の世界(笑)
丁度今月歌舞伎座で「忠臣蔵」をAプロ、Bプロとで
やっているのと同じアイデアで、しかもこの浮世絵の
仕掛けの顔ぶれ(ほぼ日替わり)を実際に上演したのだ
とか。
他にも「四谷怪談」の隠亡堀の戸板返しのめくり絵
とか、「梅幸十種」も「八犬伝」シリーズも面白い
ものでしたが、個人的にはこのコレクションの中でなら、
やはり清倍や豊国、あたりのが、型に収まった中で
寧ろ力強さや動きを連想して面白く感じたり、リアル
より寧ろ定型化によりピクトグラム的に見えた国政の
方が馴染めたのは本当に私の個人的好みの問題(笑) 
また、蔦重の版元印のある作品もちゃんと?展示
されてました

なお、春には唯一無二の「曜変天目」の公開がある
模様

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2025.03.12

日比谷図書文化館「桜田門外の編展」は資料に考察を加えた優れた研究展示

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ポスターは有り難い情報源でした。
静嘉堂@丸の内に「歌舞伎を描く」展(別項)を見に
行ったら、ロビーに、ご近所で、ご当地中のご当地の
歴史的事件「桜田門外の変」にまつわる展示をして
いる、と言うポスターを見かけたので、早速その足で
伺いました。
名前が変わっていたので最初判らなかったのですが、
こちら、元の都立日比谷図書館。
調べたら随分前に千代田区に移管されて、名前も変更
されていたんですね
独特の三角形のフォルムは以前のままでした

肝心の展示ですが、行くまでは図書館内によくある、
郷土の資料展示コーナー、くらいなのかな、と思って
いたので、入口に入場券の自販機があってちょっと
びっくりしましたが(大人500円)、見て納得しました。

当時の幾つもの一次資料を読み込み、誰が、いつ、
どのように見聞きしたものか、またそれがどのように
誰に伝わり、それがさらにどう伝播し、どんな立場の
人にどう受容され、もしくは意図的か無意識かで情報に
変更が加わったのか、と言うような、今で言うSNSに
よる情報拡散の分析もあり、また地理的な視点、
まるで、現代の殺人事件の現場検証のように丹念な
調査と分析がなされたていましたし、研究発表に近い
内容に、全く、図書館でやるに相応しいものでした。

中に襲撃に関わった人物のその後の追跡なども詳細で、
しばらく前に、中井貴一さんと阿部寛さんで映画化
された、浅田次郎さんの短編原作の映画「柘榴坂の仇討」を
思い出しました
(小説のキャラクターは架空の人物でしたが)

面白かったです

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先週の「べらぼう」は「忠臣蔵」のオマージュ?

解りやすいのは、鳥山検校が瀬川に「遅かりし由良之助」と
言ったところですが、寧ろ私は、新之助とうつせみの、
想定外の足抜けこそ、「三段目」の刃傷だなと思い
ながら見ました。

重三郎が瀬川との足抜けかなり真剣に考えて、臨時
「出国」パスポート偽造までしていたのに、凡そ
大胆な事を起こしそうにない真面目な新之助が先に
実行に移してしまって、二人が完全にタイミングを
失うと言う流れは、いびる師直に耐えかねて、刃傷
上等!、血気はやる若狭之助だったのに、知恵袋こ
本蔵が賄賂で先手を打ったお陰で師直が態度を豹変
させたため、タイミングを失ってモヤモヤしながら
その場を離れた一方、大序ではいきり立つ若狭之助を
押し止める冷静さがあった判官が、とばっちりを
喰らって結果刃傷に及ぶ。
「大序」の判官を見ながら、観客は「あれ、斬るのは
若狭なの?」と一瞬惑わされ、それがどんでん返しで
判官が、と言うところが、まさに重三郎と新之助、
でした。

丁度歌舞伎座でどっぷり「忠臣蔵」のタイミングでの
このシーン、図ってしたなら、森下さん凄すぎです

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2025.03.06

期待を裏切らない國芳先生!「江戸ッ子アートのラスボス~歌川國芳展~奇才絵師の魔力」展

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随分アップ遅れました。

大阪中之島美術館

「芦雪」展以来の中之島美術館。
どの駅からもアクセスが中途半端なのと、雨の時に
避ける方法がないのと、受付と展示会場を繋ぐエスカ
レーターが長い(超苦手。MOAと大塚国際はギブアップ
しました)のが難点ですが、展示会場の位置が高いのは
川沿い立地のため、水害から作品を守ると言う防災上の
理由とか。

さて。
タイトルにわざわざ「江戸っ子アートのラスボス」と
言う惹句
芦雪さんは京都で活躍されてた方ですが、國芳先生は
チャキチャキの江戸っ子だからなのか、と言うか、
猫ちゃん大好き、反骨精神バリバリ、自画像は後ろ
姿しか描かないシャイな國芳先生が、ラスボスなの?(笑)

北斎先生や広重先生のように、全国の名所を網羅した
風景画を成した訳でもなく、大好きなお江戸ネイ
ティブな土地や建物、人物(と猫)を題材にした作品
ばかりで、上方の皆様にはお馴染み薄いのでは?と
思いましたが、グッズコーナーの方によれば、私の
伺った前日は夕方に入場規制がかかったとか。
ディティールにエモさが宿る國芳作品、近寄って
覗き込んで見れば見る程面白いだけに、混雑していたら
楽しさ半減。
私の伺ったタイミングは混雑してきなかったので、
見たいだけ見られてラッキーでした。
しかし國芳先生作品、私も相当数見ていると思って
ましたが、今回新たに初見の作品が続々。
しかも前期しか見られなかったので、見そびれた
未見作品はまだまだありそう。

國芳先生、本当に楽しみの奥が深くて、「沼」に
どっぷりはまだまだ続きそうです

★ちなみに今回は一部作品は撮影可でした

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2025.03.03

「ポルノグラフィPORNOGRAPHY/レイジRAGE」を観る

Rage

久しぶりのシアタートラム
何より1月2月は歌舞伎と文楽漬けだったので、「LION」
以来久しぶりの現代劇

最近同じ役者さんが違う芝居を続けて演じる「ダブル
ビル」と銘打つ公演が増えてきた印象がありますが、
私は相性よくないかも
去年の本劇場の「ANumber数」「WhatIfifOnly」も
正直全くわかりませんでした
(ダブルビルかどうか以前の問題かもですが)

今回も前半が緊張感の強い一人あるいは二人芝居の
オムニバスで既に頭が一杯一杯のところに、後半は
然程の筋もなく(見え)、全く集中できず、1時間少しが
苦痛でした

客席通路を(D列の後ろ)に横通路が出現し、縦横無尽に
役者が駆け回り、客席を舞台の延長線に取り込む、
またトラムの特徴である高い天井を生かして、天井
近くから舞台面、さらに舞台面中央にぽっかり開けた
空間から地下にまで作られた仮設階段によるダイナ
ミックな空間構成は新鮮でした。

亀田さんの長い独り台詞は勿論、土井さん竹下さんの、
説明の殆どない中での独り芝居、吉見さんと岡本さんの
アドリブにすら見える「雑談」会話、田中さんと
SARAさんのじゃれあうようなやりとりなど、役者さんの
技量の素晴らしさは際立っていましたので、役者さん
目当てだった私には、それは満足できましたが、
お芝居の全体像はよくわかりませんでした。
また、亀田さんの台詞に象徴されるように、ロンドンの
地名や駅名が説明なく出てくるのは、距離感も地名の
意味も判らなかったので、非常に残念でした
例えば、渋谷から乗って永田町で有楽町線に乗り換える、
とあれば行き先は池袋か新木場方面、西日暮里から
乗って北千住で日比谷線に乗り換える、と言われれば
行き先は秋葉原か六本木あたり、と、乗車駅、行き先で
それぞれ、乗客の背景や行き先の目的があれこれ
具体的に想像つきますが、ロンドンが判らない私には
呪文でしかありませんでした
このへん、海外を知らない人間にとっての、翻訳もの
観劇の決定的な壁の一つだなと改めて感じました。

ホントに好きな役者さんがたくさん出演されていたから
まだ、でしたが、そうでなかったら、途中で退席
してたかもしれません。

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