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2025.04.30

国立文楽劇場「義経千本桜」通し上演

BunrakutYoshitsune

まさに外題にぴったり、桜の季節の「義経~」通し
上演

文楽劇場前の桜も丁度満開、劇場内も桜の装飾にあふれ
華やか、公演も勿論素晴らしかったです

まず一部は、歌舞伎などでは殆どかからない、「仙洞
御所の段」そして「堀川御所の段」
この2つを観て、漸く頻繁にかかる「河連法眼館」の
静ちゃんが初音の鼓を持っている理由とか、佐藤
忠信(本物)が静に同行して「いない」理由とか、
維盛、知盛が後に「実は」と登場する伏線がはっきり
判ります
また、偶然ですが直前に、今の「仙洞御所」を見学
していたので、勝手におおっと言う感じでした
(詳細は別項にて)

「堀川御所」
物語後半になると「御大将」感が増す義経ですが、
このあたりでの空気の読めなさが自分で自分の首を
緩やかに締めてるじれったさが、こっちには伝わって
きます
(「子午線の祀り」に似た感じ)
卿の君は気の毒だし、何より「弁慶君!!」(笑)

「伏見稲荷の段」
歌舞伎で言うところの「鳥居前」
ここで静ちゃん鼓の紐で縛られてセットで置き去り
ですが、しかし、みんな義経のために犠牲払いすぎ(笑)

しかしここまで見てから、続けて見る「大物浦」
「すし屋」「河連法眼館」は、単独で観るより明らかに
解像度が高かったです。
勿論、私が通し好きだからですが、「彦山~」にせよ
「妹背山~」にせよ、やはり私には「発端」は理解が
深まる納得ポイントでした。

「渡海屋」「大物浦」
何より玉男さんの遣われる、知盛のスケール。
人形ならラストの入水もいくらでもダイナミックに
できるところ、足が最後の最後にじわじわ引きずられて
落ちていくのが、スポーンと背面落ちする歌舞伎が
覚悟と達観だとすれば、ミリ単位の生への執着を
見るようでした
和生さんの典侍局の美しさも格別で、しかも歌舞伎と
違って官女は一人も出ないのに、全然気にならない
典侍局の迫力と存在感でした

「すし屋」は文楽で観るのは多分かなり久しぶりか
或いは初めて。
清十郎さんの遣う、お里のお年頃女子の多感さ加減が
いとおしいったらない訳ですが(笑)、人形さんたちの
大活躍?は勿論の事、今回一番ひかれたのは語り。
歌舞伎から文楽に入ったためか、今まで文楽を見る
時もどうしても視覚(人形)メインで見てきた気が
するのですが、今回は自然と語りに注意が向き、
そして、本当に一人で語り分けているんですよね?と
何度も確認するほどに、素晴らしさが印象に残り、
ほんの少し、文楽の楽しみ方の幅が広がった気が
しました。
 
「河連法眼館」
「本物の」忠信と「狐」忠信はそっくり、静ちゃん
見抜けず、と言う話ですから、歌舞伎では同じ役者が
2役、それも早替わりで出てアクロバティックな
動きをするのが醍醐味であり見せ場ですが、文楽は
人形ですから、アクロバティックは当たり前、
また
人形は頭〔かしら)を揃えれば自然と同じになるので
(寧ろ、いやそうなのに、衣装と動きで別人キャラに
見えるのが不思議)普通に二役を別の方が遣われていて、
そうか!と寧ろ新鮮でした
そして、狐忠信が勘十郎さん、ですから、当然?
早変わりは遣い手さんも早替わり、ラストは予想通り
一緒に宙のり!
勘十郎さん、相変わらず身体を張る!(笑)

「義経千本桜」、秋には歌舞伎座での通し公演。
こちらも楽しみです

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2025.04.24

歌舞伎座「四月大歌舞伎」(夜の部「彦山権現誓助劍~杉坂墓所/毛谷村」)を観る

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すわ、「七つの会議」by池井戸潤か!?な(笑)「椅子
不具合」案件で、サラッと紙切れと化した、歌舞伎座
四月昼夜チケット

公演は予定通り再開したものの、残り日数も少なく、
昼の部は諦め、眼目の仁左衛門さん「彦山権現」の
ためだけに奇数日夜の部のチケットを取り直して、
何とか滑り込みました

「彦山権現~」は普段、「毛谷村」ばかりかかり、
イケメン六助とハンサム女子お園の格好いい場面
ばかり見せられて、正直、何が面白いのやら、と
いつも首を傾げていたのですが(笑)、今年1月に、
(新)国立劇場歌舞伎で発端から結末まで見て(それでも
お園妹バートは割愛されたものの)、漸く、「毛谷村」
だけだと主役に見える六助が、実は「杉坂墓所」
から漸く登場で(名前だけは頻出)、お園が本当の
主人公なことも、なぜお園が、はるばる毛谷村まで
来たのか、六助を敵と勘違いしたのかも、「杉坂墓所」
でも十分怪しいが、微塵弾正が冒頭からどれだけの
悪事を働いたかを見、すっかり判った上で「杉坂墓所」
「毛谷村」を見れば、見え方はまるで違いました。
(特に微塵弾正ったら!)

大ベテラン、仁左衛門さん六助と孝太郎さんお園の
息のあったやりとりも肚落ち数倍、歌六さんの弾正の
裏表ありまくりの敵っぷり、秀ノ介くんの弥三松の
可愛さ、東蔵さん頑張って(二人の後見さんのサポートも
グッジョブです)、の一幕でした。

今月は「こんぴら歌舞伎」でも、一月の(新)国立と
同じく時蔵さんがお園をなさって(六助は萬太郎くん)の
「毛谷村」がかかっています
今月の歌舞伎座版がレジェンドメンバーでの絵の
美しさを堪能、とすれば、若手メンバー版は、立ち回りが
ガチで(一月の「瓢箪棚の場」の時蔵くんは凄かった)、
「キルビル」ばりのアクション大作(笑)
どちらにしても、やっぱりこれは通しで見たいし、
微塵弾正の最期まで見届けたい(笑)

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俳優座劇場最終公演「嵐~テンペスト」を観る

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俳優座劇場の最終公演に選ばれた作品は、最終公演と
なれば、普通なら劇場の歴史を語る代表作を、となる
ところ、劇場の意思の現れかと思いますが、「世代
交替」「新しい船出」と言う、コンセプトが強い、
それでいて400年前の古典、劇場でこれまで一度も
上演してこなかったと言う、シェイクスピアの「嵐~
テンペスト」
この作品を選んだ劇場のセンスがまず秀逸。

前回、二兎社の公演がはこちらの劇場であって、
それが閉場前最後になるかなと思っていましたが、
シェイクスピアなら、そして信頼しかない浅野さん
出るなら、と気合をいれてチケットを取りました

さらに見てみれば、この物語世界が、劇場や役者、
何より「演劇」そのものを象徴するようでしたし、
それを文学座、俳優座、青年座、文化座など、所謂、
日本の老舗新劇劇団の、百戦錬磨のメンバーによって
見事に表現されていたのを堪能させて頂きました

実は「テンペスト」は、「ウィンザーの陽気な女房
たち」などと共に、シェイクスピアの中では観劇
頻度が私の中ではかなり低く、ちゃんと見た、と
覚えているのが、映画版(ヘレン・ミレンさんが女主
プロスペラとして登場)と、何故か文楽版「天変斯止
嵐后晴(これで「てんぺすとあらしのちはれ」と読む)」)、
舞台でちゃんと?フルバージョンは記憶が曖昧
(多分見てない)
なので、意外に?ダンスと歌パートが結構多いのは
発見であり、それを、所謂ミュージカル俳優さんとか、
ダンサーさんとかをキャスティングしている訳でも
ないのに、若手からベテランの皆さんどなたも美しく
されていたのにはかなり驚きました。
さすが、演技にまつわる様々な基礎をきちんと勉強
されてきている方たちは、場数と経験が違います
とりわけ、エアリアル役の平体まひろさん(文学座)の
歌と佇まいは、とても美しく魅力的でした
(去年、横田さんの「オセロ」のデズデモーナをされた
Saraさんを思い出しました)
勿論、一番はプロスペロー役の外山さん。
元文学座の大ベテランで、私は蜷川さんシェイクス
ピア舞台の重鎮役でしばしば拝見してきましたが、
主役で拝見するのは実は初めて
さすがのセリフ、さすがの存在感、でした。
そして怪物キャリバン文化座の藤原さん
長く民芸の滝沢修さんの持ち役だった「炎の人」の
ゴッホ役で最近評判を取られた役者さんとは知って
いましたが、実際の舞台を拝見するのは初めて
長い手足、彫りの深い顔立ちは、舞台の人、らしく、
シェイクスピアにはぴったり。
「ヘンリアド」なら、「6世」でキングメーカーと
して立ち回るサフォークとか、「リチャ2」のボリング
ブルック(後のヘンリー4世)とか、清濁併せ持つ複雑な
キャラクターで見てみたいです
去年「オセロ」で感情先行のオセロを論理的に追い
詰める(多分本人無意識)イヤーゴーと、「旅芸人の
記録」のダメダメ昭和のオヤジの両極端が見事だった
浅野さんは、小悪党のアントーニオを、ひたすら
楽しそうに演じておられました。
素敵~とか正義の味方~とかには全然ならないキャラ
クターですが、特別な能力を持たない、普通の人たち、
な感じが、なおなお(笑)
ラストにプロスペローからジャケット(王位の象徴?)を
受け取ったのはまさに「世代交替」な感じでした

劇場内部は、紀伊國屋ホール同様、バリアフリー
ではないし、ホールレベルに化粧室がない、など
合理的な造りでは全然なかったけれど、階段横の
スペースに何気なく置かれた土方与志はじめ、俳優座に
関わる先人たちの頭像やレリーフなどは歴史を感じ
ました。

思えば、ヒルズのなかった頃の六本木のアイコンは
待ち合わせ定番の「ALMOND」、音楽は「WAVE」、
書店は「青山ブックセンター」と「誠志堂書店」
レストランは業界人は「キャンティ」に、接待なら、
の「瀬里奈」、逆にお江戸を感じる「おつな寿司」、
そして「俳優座劇場」は当時から渋くて、判った
大人のための劇場のイメージでした

ALMONDとおつな寿司は建て替わり、書店2つと
「WAVE」は消え失せ、そそり立つタワーとお洒落な
複合施設と首都高速の谷間にまるで「ちいさいおうち」
のように、周りの変化に揺るぐ事なく佇んでいた
俳優座劇場
これからどうなるのか、詳しくは存じませんが、
叶うなら、緑のマークのコーヒーチェーンとか、
コンビニではなく、小さくてよいので「行けば何が
面白いものをやっている」プロデュース力の高い、
役者さんが出たい、と思うような劇場がまたできたら
なぁと思うのですが。
無理か。

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2025.04.20

WOWOWドラマ「ゴールドサンセット」

内野さんが、久しぶりに連続ドラマに主演!とあって
原作未読、予備知識なしで見始めましたが、色々
贅沢で、特に最終回は引き込まれました

内野さんの演じるキャラが変人、と言うのはある
時期から定番ですが(笑)(特にテレビドラマにおいて)、
今回は
しかも初回冒頭に狭い部屋に家中に紙を貼り付けて
ブツブツ物騒な独り言を大声で撒き散らす、ときたので、
またか!と思いましたが(笑)、実は所属するシニア
劇団で上演される「リア王」のセリフでした
(それでもまあまあ不気味ですが)

ドラマは、蜷川さんのさい芸ゴールドシアターを
連想させる(実際、取材協力にさい芸がクレジット
されていた)シニア劇団に属するメンバーの群像劇
でしたが、個人的にはやはり劇団の公演として演じ
られる松岡和子先生訳の「リア」が演じられるのが
胆でした。

劇中劇と言いながら、結構な尺でしたし、「リア」
自体、超高齢化社会である今と見事にリンクする、
キャリアのあるシニアの老後を描いた物語だけに、
劇中のセリフとドラマの内容のリンクもありましたし、
何しろ六平直政(ケント役)さん、大滝寛さん(グロ
スター役)など大ベテランに、風吹ジュンさん(ゴネリル
役)、和久井映見さん(コーディリア役)。
何やり、文学座出身で正統派主役キャラ、シェイクス
ピア向きなイメージにも拘わらず、少なくとも私が
これまでに拝見した事のある、シェイクスピア出演
作は、蜷川さんの「ペリグリーズ」(録画)と、ジョン・
ケアードさん演出の「ハムレット」、そして宮藤
官九郎さん脚本(松岡訳)、いのうえひでのりさん演出の
新感線版「メタル・マクベス」(初演、青山劇場)
のみだった内野さんによるリアだったので、ダイ
ジェストでも見られたのが何より。
(大ベテラン木場さんが去年の「リア」で読売演劇
大賞受賞されているくらいだから、内野さんもまだ
可能性はあるはず!)
しかし「蝉しぐれ」の文四郎、がいよいよリアが
似合う年齢になったのも感慨で、是非ともフルバー
ジョンを見たくなりました。

また、内野さん演じる阿久津の若い頃を、朝ドラ
「カムカム」や「虎翼」でも主人公のよき理解者役で
出演されていた平埜生成さんが演じられていましたが、
黒子の位置とかは特殊メイクの力もあったにせよ、
歩き方や表情もそっくりで、途中から内野さん(ちょっと
若づくり(笑))に切り替わったのですが、「今、どっち
だった?」と思うくらい見分けがつきませんでした
と言うか、クレジット見るまで、青年時代も全部
内野さんだと思っていたくらい(笑)

劇団員以外の役も、阿久津の亡くなった妻の三浦透子
さんや、阿久津の隣人で阿久津を通してシニア劇団
そしてリアの世界に誘われる中学生・琴音を「おちょ
やん」のヒロインのこども時代や、「虎翼」の優未を
演じた毎田暖乃さん、また、琴音の同級生役を「カムカム」の
るいの少女時代を演じた古川凜さんなど、安定の
キャスティングで、安心して見られました

ちなみに脚本と演出は、内野さんが山本勘助役で
主演された大河「風林火山」でも脚本担当されていた
大森寿美男さんでした。

そう言えば、内野さん、この春は地上波でも(しかも
深夜枠ではない!)ドラマ出演、しかも主演!
航空救難団が舞台らしく、また随分な振り幅です(笑)

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日曜劇場「キャスター」

今クールは阿部寛さんを再び主役に据えて報道現場の
ドラマですが、日曜劇場に阿部さん出る時は、ほぼ
間違いなく谷田さんも出られる筈、と思って見ていたら
やはり登場されました!(笑)
これに河内大和さんも登場されたら一般的には「VIVANT」
でしょうけど、個人的にはさらに鋼太郎さん➕で
「ヘンリー8世」(笑)

しかし、このドラマ、てっきり、ちょっと前に同じく
阿部さんがキャスター役で主演されていた映画「ショウ
タイムセブン」の続きがドラマで展開する「続きは
ドラマで」のバージョンかと思っていたら、全然
別物だったので寧ろびっくりしました(笑)

とりあえず今週も見ます

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2025.04.17

歌舞伎座19日から予定通り公演再開

歌舞伎座サイトが更新され、予定通り19日昼から再開
との事。

観劇予定組み直さねば!

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2025.04.15

歌舞伎座が「客席椅子の不具合」を理由に元からの休演日含めて4日間休演、とは

見事に期間中チケット持ってました(泣)

最初「休演」だけを見て、あの忌まわしい「体調
不良者複数人発生」による休演再び、かと思ったら、
なんと「客席椅子の不具合」を理由に昨日の夜の部
から、元々の休演日金曜まで、都合4日半休演。
昨日も昼まで普通に公演していたらしいだけに、
何があったのか。

と言うか、夜の部の方、行って判明、とか、とりわけ
遠征していたら、泣くヤツ。
チケット代は払い戻しされても、交通・宿泊費は補填
されないでしょうし、とにかく唐突に過ぎる。

万博開会式で、隼人くん、莟玉くんと見事な「連獅子」の
毛振りを見せて、日本の伝芸、やはり格好よいなぁと
思わせたばかりの菊之助さんが、来月再来月と、
歌舞伎界屈指のビッグネーム「菊五郎」を襲名する
披露公演も目前な、折角のタイミングだけに(だからか?)、
無駄に気になります

コロナの時も、休演日程を区切りながら延ばしている
うちに、結局全日程休演と言う失望を何度も味あわ
されたトラウマがあるだけに(「イリュージョニスト」
とか)、今回も19日に本当に再開されるのか、俄に
信じがたく、どうしたものか、と思案投げ首です

しかも今回昼夜通しの予定だったので、丸一日すっぼり
空いてしまい、何するか。
日本のエンゲキは、前売り段階で売り切れ上等、
開幕してから買えるチケット、もしくは当日券など
ないのを誇る土壌がなんとなくあり、初日開けてから
評判聞いてチケット買う、が殆どできないだけに、
こう言う場合、エンゲキをエンゲキで補填できない
のがツラい。
はあ。

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2025.04.07

歌舞伎座の「定額観劇サービス」を利用してみた

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3月歌舞伎座の「忠臣蔵」通し公演、多分、次に通しを
やる時には行ける状況ではないだろうし、と元から
複数回観るつもりではいたので、思い切って前から
気になっていた歌舞伎会員限定の定額観劇サービスと
言うのを、初めて利用してみました。
以下、個人的な感想。

【システム】
①会員発売日前の指定期間(半月くらい)に「電話」で
エントリーする(希望月毎申込)
②資格カードが郵送される
③購入希望日1週間前から指定の番号に電話して申込
④チケットは当日受取
✳︎送付された②と会員カードなど提示
✳︎18時までは歌舞伎座地下チケット売場前
 以降は1階チケット預かり→玄関もぎり
 (と、説明されましたが、18時半頃に
  行った時は毎回もぎり、でした)

【メリット】
①2階と言えども、さすが一等席
普段は3階B席でしか見ていないので、1階下がった
だけ、とは言いながら、見え方、入ってくる情報量が
全く違いました

②「自分に行ける算段がついて」(個人差あり)
「チケットが取れれば」(最重要)支払い額は2等
2回分で、2階の一等席が、回数や部に制限なく何度
でも見られるのは、やはり大きな魅力。

③予約時に席が選べる
定額の選択肢には桟敷席もあり、滅多にないしと
1回だけ選択してみましたが、やはりちょっと気分が
上がりました(笑)
花道出から(3Bだと出を下階の拍手で知る)、入りまで
見えるのは、滅多にない事でしたし、小テーブルに
飲み物、筋書、オペラグラスが置けて、手元がごちゃ
ごちゃしないのは良かったです
ただ小テーブルが固定の上、掘炬燵式の足元スペースの
入れ口が意外に小さい
そして何しろ慣れない座椅子
足の出し入れや姿勢を保つのが結果大変で、お大尽
にはなれないなと痛感(笑)

どの位置も3階に比べればとてもよく見えましたが、
特に下手の花道の真上席からは、花道に入る役者が
真正面からよく見えて、目があった?と錯覚する
ヤツでした(笑)
場所の見え方は、写真にて。

【デメリット】
①予約がいまどき電話限定!
しかも電話がなかなか繋がらない。
長らく使ってなかった携帯のリダイアルの仕方を
覚えました(笑)
繋がらないと売り切れかも分からない、電話でチケットを
取るのが当たり前だった頃には良くあった絶望感を
ひさしぶりに味わいました(笑)

②一般発売優先で、定額サービスは観劇日の1週間前
からしか予約できないし、定額用席、がある訳では
ないため、3月のように売切が続出してしまうと、
希望日回チケットがそもそもない

大人気だった仁左衛門さん出演のAプロ昼、Bプロ夜で、
定額制で買えたのは平日1回ずつのみでした
ただ、私の場合は、夜の部が定時あがりに駆け
つけ
れば、丁度七段目の頭から間に合う上演時間
だった
ので、Aプロ夜の部だけは何回か見ました
(五&六段目は休日にしっかり拝見)
まあ、反動で行かない日は、そもそも年度末だった
事もあり、残業残業、また残業
メリハリある一ヶ月でした(笑)

③3階が比較的常連(歌舞伎会会員)が多いのに比べて、
2階は団体さんや初めましてさんが圧倒的に多い
ようで、残念ながら観劇マナーを知らない人が毎回
結構いて、ここで観るなら、忍耐力と鈍感力が随分
必要。

ず~っと飴の個包装が開かず、六段目の悲劇が進行
中なのをそっちのけで、チリチリチリ言わせた挙げ句、
さすがに我慢できなかった周りのお客に「お静かに」と
言われると、結構な声量で「だってこれが開かねえ
んだよ、しょうがねぇだろ!」と逆ギレする人、
イヤホンガイドを節約したのか、存在をしらないのか
ずっと一人がもう一人に、進行を小声で説明し続ける
「囁き」コンビ、無意識の癖なのか開幕5分で、
後ろに席があるのきまるで構わず、前のめりで見続ける人
(2階には途中入場の誘導以外、3階のように上演中の
客席に常駐係員がいないのは何とかして欲しい)、
空席に勝手に移動する、勝手に荷物を置く人(どちらも
あとから当該席の方が来ると、謝りもせず、寧ろ
不機嫌に渋々対応していたのも意味不明)と、いちいち
気にしていたら、全く舞台に集中できない、まあ
まあなカオスでした

定額制は、1週間前になっても埋まらない2階
1等席
チケット販売促進対策、な部分もあったはずですが、
3月のように売行きが良い時には余り機能しない。
しかし、そんな魅力的なプログラムだからリピート
したい客が出る、という、なかなか両立しない悩ましい
システムだと言う事は実感しました。

ただ、個人的には歌舞伎は最大の楽しみの一つでも
あるので、他は節約しまくってでも、一月に何度も
歌舞伎座に通う贅沢な体験ができたのは貴重でした。

写真は上手から、下手花道上、そして桟敷席からの
見え方。

ただ、今後再チャレンジするかは未定
とにかく電話、がねぇ(笑)

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2025.04.01

ミュージカル「イリュージョニスト」見納める

Raku

東京公演千秋楽

結局、何回見ても、結末を知っているのに毎回ドキ
ドキが止まりませんでした

数回見て聞いての、極力核心そらしながらの感想を。
まずは舞台セット。
開幕時にはプロセニアムの上部中央に双頭の鷲が
あしらわれたエンブレムがあったり、最近の「エリザ」
にもある、メタリック色目のデコラティブな柱や
アーチの舞台セットが日生劇場の、劇場にしては
不思議な曲線をモチーフとした、個性的なモダン
デコな内装との相性が抜群でした
またセット自体も結構なイリュージョン
例えば序盤、アイゼンハイムが歌っている後ろの
閉まった状態の臙脂色の緞帳(セット)が、吊りバトン
ごと床面まで下がりきると、奥からソフィとレオポ
ルドが歩んでくる(アイゼンハイムのイリュージョンを
見に劇場に入ってくる)シーン、間をおかすわに再度
吊りバトンごと緞帳が上がりきると、全く違うシーンに
切り替わる、と言うのが、よくイリュージョンにも
ある演出風だし、そもそもこう言うバトンの使い方が
凄く斬新でした。
また、濱田さんのラジオで栗原さんと超盛り上がって
もいた、人力でのセット転換!
とりわけ一幕ラスト前の、なかなかの速度で複雑に
動くセットの中外を、キャストが歌いながら動く
シーンとか、誰か一人間違えても成立しない筈で、
緻密な曼荼羅。
これは2階席からも見てみたかったです
栗山さんでさえ?最近は使われる映像もなし、実に
アナログな、だけに確かに演劇的、でした。

前田さんによる、抑えた色目、オーソドックスな
スタイルながら動きの美しさが際立つ衣装も流石

成河くんの皇太子については、初日の頃より「すべては
解決できる」の歌い方中心に、囁くような歌の部分が
芝居寄りになった部分が数ヵ所あって、セリフの
聞こえが更に良くなりましたし、一幕ラストの爆音の
ロングトーンは、私の見ている範囲で成河くんの
ミュージカル曲におけるベストアクトの一つだと
思いました

また、◯(敢えての伏字)の上に乗って歌うところが
衣装のせいかどうも「エリザ」の「HASS」っぽく、
また乗る時降りる時の、足元ノールック、ブレなさも
見事でした。

セリフではラスト前に警部に向けて叫ぶ内容が、
全く20世紀のオーストリアを予言になってるのが、
「エリザ」や「ルドルフ ラスト キス」を見ている
だけに勝手に理解が深まってました(笑)

それにしても毎回、皇太子さんの怒りのテンションは
上がる一方で、脳血管切れませんか?と心配になり、
終わるや毎回今回もそうよねってなってました(笑)
そしてふと「4」発目の銃声を聞きながら、解けない
誤解で追い詰められ、一線を越えるキャラ、は、
三月散々通った歌舞伎座の「六段目」の勘平に通じる
かもとか、相当突飛な事と思っていました。
(単に菊之助さんの勘平の見すぎ(笑))

成河くん皇太子はカテコでもず~っと不機嫌なのが
SNSでも随分話題になってましたが(笑)、千秋楽も
変わらず(笑)
海宝くんがニコニコと千秋楽挨拶しているのも、
ずっ~と、横目で睨んでいたのに、海宝くんは最後
まで気づかず、見ている方はもうニヤニヤが止まり
ませんでした(笑)
最後の最後は漸く、お隣の愛希さんと一言二言にこやかに
あって、勝手に安心してました 

どうしても「目と鼻の先」とは言え大阪には行け
ないので、既に再演希望、です。

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若冲の「乗興舟」を見に「エド イン ブラック展」を見に行く。

Artinblack

千葉市美術館、府中市美術館、町田国際版画美術館と
並んで、企画展のチェックが欠かせないのが、激渋
ながら、ツボにささりまくる展覧会をシレっとされる(笑)
板橋区立美術館

久しぶりに伺ったのは、「エド イン ブラック」と
銘打った企画展
眼目は、仕上がりの独特さのインパクトが凄い、
若冲の「乗興舟」を見るためでしたが、文字(?色?)
通り、渋い展示ながら期待以上の広がりと深さを持つ
黒のオンパレードに、後ろに予定がなければあと
1時間は見ていられました

お目当ての「乗興舟」は、NHKドラマの「ライジング
若冲」では永山瑛太くんが演じていた大典顕常の
所々に跋がまたお洒落。
他に注目したのは、錦絵なのに敢えて華やかさを抑えた
「紅嫌い」の浮世絵
光源から近い部分はカラー、遠ざかるとモノクロ、
カラー部分も淡い緑と薄紅、と言う、窪春満さん
「できるのにしない」余裕を見せる粋と卓越した
技術。
其一さんの、夜桜と暁桜の二枚対も素晴らしいく、
とても良い展覧会でした

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