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2025.06.06

ミュージカル「二都物語」を観る

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ミュージカル、それも成河くんが出ないミュージカルを
観るのは随分久しぶり(笑)
しかも東宝主催なのに劇場は明治座で、日比谷では
絶対見ない、浜町ならではの和風幟に俳優さんの
お名前が入って、普通に劇場前ではためいていたり、
神田祭の提灯がエントランス軒先に吊るされてて
違和感ないのがまたまた摩訶不思議(笑)

観ることにしたのは何よりキャストとスタッフの顔ぶれ
ルーシー役の潤花さんは、宝塚退団後初舞台だそうで、
存じ上げないのも無理ない以外は、プリンシパルの
役者さんを私ですら全員存じ上げている、と言う安心感
井上さん&浦井くん、と言うミュージカル界の両
プリンスは勿論、橋本さとしさんに、岡さん、W福井に
未来さん
更には文学座の大ベテランで、蜷川さん芝居にも何度も
出演された原さんに、先日の俳優座劇場最終公演にも
出演されていた、塩田朋子さん(ミシェル・ヨーから
エマ・トンプソン、ケイト・ブランシェットにグレン・
グローズまで並みいるオスカー女優の映画吹き替えを
されてもいる)、晩年の蜷川さん芝居にも出演され、
また「アナ雪」のクリストフ声優の原慎一郎さんと、
逆によくまあこれだけ実力のある俳優さんが1作品に
揃ったんだろう、くらいの豪華さ。
更に演出が、シェイクスピア芝居を始め、ストレート
プレイ作品で馴染みの深い鵜山仁さん。
作品は、古典の部類、それこそ「新潮文庫の100冊」
的なディケンズの「二都物語」
ただし未読(笑)
チケット取ってから、やはり読むかな~と一瞬は
思いましたが、有名な古典作品ですから、結末は
何となく知ってましたし、フランス革命時代の英仏の
貴族の愛と友情の物語なら、これまでの、「MA」
「モンテ・クリスト伯」「ベルばら」、ついでに
「レミゼ」で蓄積した知識を駆使すれば何とか乗り
きれるだろうと(笑)、いや、古典翻訳ものを読む苦手さに
負けて諦め、予習なしで拝見しました
(やはり)なかなか複雑ではありましたが、歴史的
背景や人間関係を特に前半は敢えて深掘りせずに
スパスパと省略しながら、すごい疾走感で見せ切った
のは、さすが鵜山さんの手腕。
前半は本当に端折り方がすごくて、ヒロインはずん
ずん育ち、会えなかった親にはスムーズに会え、
運命の出会いをして結婚、子どもはすくすく育ち、
敵の悪人は殺される(笑)
あれ、これらも時間かければ随分盛り上がる場面を
作れるのに、と思う場面もサラッと流した理由らしき
ものは、2幕で判明。
とにかく2幕冒頭の未来さん演じるドファルジュ
夫人の告白から、物語が濃厚なフェーズに一気に突入し、
怒濤のラストまでは息もつかせぬ血と涙と愛のドロ
ドロ炸裂展開。
出来すぎ(話、なんで当たり前ですが)だろう、とは
思いながらも、シドニーの決断によるラストは、
これまた随分久しぶりにミュージカルで泣きました。

明治座は、帝劇や日生と違って、客席が歌舞伎座や
演舞場に近い、シューボックス構造で、2階3階でも、
そこまで舞台から距離がないので、どこからも舞台が
近いのは魅力でしたし、多分ミュージカル公演を想定
していないので、オーケストラピットがなく、一階席
前方席を潰して囲った仮設オケピでしたが、3階席
からは特に聞こえに不自由はなかったです
ただ、エスカレーターが2階までしかなく、3階席には
階段のみ、とか、昔の歌舞伎座のようでしたし、
また2階ロビーには公演とは無関係の土産物や衣料品
店などの売店、ガラス窓からの眺めがよい、コーナー
レベルではない喫茶室など、最近の公演だけのための
劇場でなく、団体で来て一日、中で楽しむthat's
娯楽施設な雰囲気。
しかし、エスカレーターの配置が終演時の一斉退場には
明らかに向かないのは何とかしてほしいかも

でも楽しかったです

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