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2025.09.30

歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎~菅原伝授手習鑑」A&Bプロを観る

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千秋楽間近に漸くAB両プロ昼夜を全て拝見したので、
まとめてざっくりと

配役がベテランと若手、お家の芸風の違いが出で
色々楽しめましたが、プロ毎は勿論、場毎、昼夜で
クルクルと配役が変わる役が多くて、結構頭が混乱
しました
例えば夜の部「皆勤」の松王だけでもAプロは染五郎→
歌昇→松緑、Bプロも芝翫→彦三郎→幸四郎と6人
登場しましたし、昼夜登場の八重は、Aプロが新悟→
壱太郎、Bプロが種之助→米吉、また桜丸も「加茂堤」
「車引」「賀の祝」でA歌昇→左近→時蔵、B萬太郎→錦之助
→(八)菊五郎と目まぐるしい。
また同じBプロ内でも昼の部の苅屋姫の米吉くんが
夜の部「賀の祝」で八重になり、新悟くんは「加茂堤」では
斉世親王(B)と八重(A)で、「賀の祝」では両プロとも
千代、とか、もう配役がスクランブル過ぎで、「今は
誰の役だっけ?」でした(笑)
せめて、同プロ内は一役一人希望。

昼は「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」
「加茂堤」は、ほのぼのさらっと見てしまいますが、
後から考えればとんでもない重要なシーン。
また、通しで見たら、ここと「車引」に登場する「牛」は
天神様のお使いとして重要アイテム
三兄弟が舎人(牛車管理)役になっている理由なんて
今まで考えてなかったですが、昔の人は判って作り、
判って見ていたんですね
(最近の「べらぼう」に登場する文化人たちの、おふざけの
過ぎると言われ規制の対象になってくる制作物も、
和歌や物語などの古典への深い教養なくては成り
立たない)

Aプロの仁左衛門さん丞相の気品や美しさは言う
までもありませんが、地上1センチくらい浮いている
ようだった先代のお父様に比べると、苅屋姫に対する
愛情が完全にだだ漏れ(笑)

何より、Aプロで幸四郎さん源蔵に「一巻」授けていく
仁左衛門さん丞相を見ていると、どうしても「丞相」を
授け、後を託したように見えて涙腺がやられますし、
菅秀才を背負う戸浪と男泣きして花道を行く源蔵に、
これを見たらそれは「寺子屋」は大変だ、と思いながら、
幸四郎さんに「菅秀才」と「筆法」以上のものが託され
のし掛かっているように見えたのは、今回ゆえかも
しれません

しかし、「道明寺」は3人の母娘たちも重要。
つい苅屋姫の健気さに目が行きがちですが、考えて
みれば、丞相が陥れられたのも、そもそもこのお嬢
ちゃまと、斉世親王のティーンエイジャーカップルの
脇の甘さに加え、周囲が手を出し過ぎたせいでつけ
こまれた訳で、本人に責任はないとは言われても、
軽率な行動だったことは反省しなきゃよ、と苅屋
ちゃんには三回は言いたい(笑)
因みにBプロの幸四郎&米吉「親子」は、これまで他の
役での顔合わせが多いせいもあり、ちょっと「親子」に
見えにくかったりもして、寧ろ、一時、女子度の高さで
世間をザワつかせていた米吉くんを凌駕する「女子度」を
見せつけているAプロ苅屋姫の左近くんが今回は最強。
「妹背山」の「吉野山」の雛鳥役以降、めきめき女形の
レパートリーを開拓中の左近くんのは、「親不孝」も
許されそうな可愛さで、かなりズルい(笑)
橋之助くんあたりをリーダーに染五郎くんや團子くん
あたりの世代には、今のところ女形が少なめなので、
今後の活躍が期待大ですが、やはりこうした松嶋屋
さん所縁の演目だし、今後そうそう仁左衛門さん
「道明寺」もかからないかと思えば、今回だけでも
千之助くん苅屋姫で見たかったかも。

そして道真の伯母・覚寿と、姪であり苅屋姫の実姉・
立田前。
今月、覚寿は魁春さん、立田前は孝太郎さんと、
今月では数少ないAB両プロ共通単独配役。
覚寿は女形の「三婆」の一つと言われてますが、(ただし、
残りの二つは上演自体が更にレア)、以前玉三郎さんが
なさった時に、出ずっぱりだし、刀を振り回すし、
木像抱えて動かすし、セリフも動きも多いので、
本当に年配の方だとなさるのが大変な役なはず。
(「リア」のリアも同じく本当にご年配になってしまうと
なかなかできない役。木場さんは例外!)
今回の魁春さんはベテランですし、これまで余程の
お役をされている、と思ってましたが、意外にも覚寿は
初役だったそうですが、気骨に溢れる素敵な覚寿でした。

立田は孝太郎さん。
この松嶋屋所縁の演目には欠かせない方で、苅屋姫's
への橋渡しの役割も
でも孝太郎さんの覚寿もきっといいはず。
なさるまでこちらが生きてるかは微妙ですが(汗)
また、同じく通し配役の亀蔵の三善、橘太郎さんの
希世さんも、素晴らしく良かったです

因みに幸四郎さんの丞相と染五郎さんの源蔵については理由あって別項。

夜は「車引」「賀の祝」「寺子屋」
「車引」は「対面曽我」と同じく、様式美で見せきる
芝居だし、何しろ上演頻度が高いので逆に印象に残らず。
ABプロの平均年齢の差が凄かった事くらいしか(笑)

「賀の祝」
文楽のこの場面が大好きで、表向きはホワホワしながら
陰で進行する悲劇、と言う作劇が、寧ろ今時、と感心
しているのですが、今回はより桜丸はじめキャラクターの
悲劇性がより強まった気がしました。
文楽だとカットされにくい、三嫁のほのぼの
調理
準備場面がないからかもで、白大夫はともかく、
嫁たちはもう少しホワホワしてていいはずなんですけど
そしてここで「梅は飛び、桜は枯るる」ので、いよいよ
「松」の出番、「寺子屋」へ繋がるので、やはり単独で
やるより肚落ち度が上がる気がします。
欲を言えば、白大夫さん役お二人とも、枯れがもう
一息、お元気すぎでした(笑)

「寺子屋」
こちらも単独で良く上演されるので、まあまあな
組み合わせで見ていますが、今回は松緑さん松王&
幸四郎さん源蔵と、幸四郎さん松王&染五郎くん源蔵。
いや、やはり染五郎くんの配役にはびっくりしました。
「浅草歌舞伎」でならまだしも、いきなり歌舞伎座本
公演。
しかし、面白いもので、ベテラン俳優さんならまず
感じない「背負ったものがとんでもなく重い」と言う
プレッシャーとご本人の立場に共通点があって、
肚芸ではない、どストレートなリアクション、そして
スリルとサスペンス、でした。
勿論、歌舞伎大得意の「実は実は」の作劇が炸裂しますが、
今回気がついたのは、「筆法伝授」の前段で、園生の
前が訪ねてきた源蔵夫妻に
「二人の間に子はできましたか?」
と何気なく聞いているんですね。
これって、園生さんにそのつもりは全然ないのですが、
実子がいない以上、「寺子屋」で菅秀才の身代わりを
する人材を源蔵からは出せない、とはっきり観客に
理解させている訳で、深い。
松緑さんの松王は、音羽屋型で、音羽屋さんならではの
激渋ねずみ色のお衣装でしたが、隠しきれない殺気
出まくりでした(笑)
そして何より幸四郎さんの松王!
染五郎くん源蔵は感情が行動に出すぎていて、どう
考えても幸四郎さん松王の圧勝感は免れないのですが、
それはともかく、幸四郎さんの声や姿が吉右衛門
さんにそっくりでびっくりしました。
勿論血の繋がりはありますし、吉右衛門さん晩年は
幸四郎さんが貪欲に播磨屋さんのお役にチャレンジ
されていたので、形、としての似てる、は納得ですが
想像以上に似ていて、「いやいや~」と思いながら
拝見しました
一方、染五郎くんは、目鼻の感じは幸四郎さんより
白鸚さん似。
隔世遺伝、ですね。

また、今回は「寺入り」からなのも良かったですが、
悪戯者の涎くりに、戸浪が火の付いた線香を持たせて
文机の上に立たせる「体罰」シーンがありました。
しかし、何しろ涎くりを男女蔵さんがなさっているので、
元々体格良い方が、机の上に立つととにかくデカイ(笑)
深刻な顔をして入ってくる、千代'sはかなりびっくり
しているはず。

まあ、久しぶりに拝見した歌舞伎による「菅原」通し。
堪能させていただきました。

「筆法伝授」「道明寺」と、そのプラスアルファは別項に

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2025.09.15

映画「遠い山なみの光」を見る

Yamanami

原作は未読のまま見ました。
全編見終わってから色々考察してますが、何しろ
最後の最後に「どんでん返し」シーンがいきなり差し
込まれてきたので、まだ確信は持てていません。
できればもう一度見て、原作も読んで考察を深め
たい気分です。

物語は、イギリスに渡って30年以上は経った悦子が、
娘のニキ(父親はイギリス人、渡日歴なし)に問われ、
自身の渡英前の長崎での日々について語る形で進みます。
途中までは、環境は違うが「経験」と「母(である/
になる)」と言う共通点を持つ、悦子と佐知子と言う
二人の女性の、シスターフット的な物語、かなと思って
いたのですが、途中から何だか変だな、と。

ニキが気にする悦子のもう一人の娘(ニキの姉)・
景子と、渡米する佐知子との同行を拒否した佐知子の
娘・万里子と言う「二人の」キーマンの「関係」が
何となく不可解
渡米せずに残った万里子を悦子が預かって養女にし、
景子と名前を変えて後に一緒に渡英した?、と思ったり
もましたが、稲佐山での木登りの子への怒り方とか、
縁日での小遣いの渡し方が、他人の子に対する態度
ではないような。
また、渡英後の景子がピアニストとしての才能があった
らしい事が語られているので、バイオリンをしていた
悦子の実の子かなとも

さらに、何故、夫・二郎の父、つまり義父であり、
結婚前の悦子(学校の音楽の先生だったらしい)の上司
だった緒方(三浦友和さん隠れた好演)の事を
「お義父さんと呼ぶのも変」
と、なぜか名字(自分も同じなので、そちらが余程変)の
「緒方さん」と呼ぶのにも、悦子の体型もあまり
変わっていかないのも違和感が増し増し

このあたりから、確信はないながら、この物語には
最近だと伊坂さんの「アヒルと鴨とコインロッカー」
古くはクリスティの「アクロイド殺し」で使われた
手法が、つまり少なくとも画面で見せられている
(悦子の回想)は、真実ではないらしいと言う手法が
使われている事だけは理解し始めました
(詳しくないのですが、カズオ・イシグロ作品には、
こうした手法が良くでてくるそう)

仮説の一つは、リアル悦子は劇中での佐知子で、
三角巾をあててうどん屋で働く悦子が一瞬映ったように、
悦子がバラックでのその日ぐらし、結婚も妊娠もして
おらず、団地での生活を妄想しながら、景子と渡「英」を
目指していたと言うもの

もう1つは(個人的にはこちら寄り)、映像のとおり、
悦子は戦中、学校で音楽の先生で、戦後は元上司・
緒方の紹介で、戦地から戻った息子の二郎と結婚。
二郎の自己中心的なところ(この時代なら普通かも
ですが)や、二郎に伏せている戦中のある秘密についての
負い目とかで、平穏な暮らしに見えても息苦しさを
感じていたとしたら、町中で出会って交流ができた
佐知子に悦子が憧れた、とも見えますし、もっと
言うと、稲佐山のシーンあたりから、悦子と佐知子の
服装の色目が凄く似てくる事や、「決定的場面」の
少し前の悦子の喋り声、喋り方が佐知子そっくり
だったので、そもそも佐知子も万里子も悦子の脳内で
作られた架空の存在で、佐知子についてニキに語った
事は、「妊娠していた子」=景子が産まれてから二郎に
隠していた事が顕になり、離婚されてシングルマザーに
なった悦子の経験した事なのかもと感じました

映画では最後まで、全ての答えを示した訳ではない
ので、はっきりした起承転結や答え合わせが映画の
中で解明される事を期待して見ると不満を感じた
かもしれませんが、個人的には、あれこれ思いめぐらす
映画は嫌いじゃないです(笑)

ただ、悦子と緒方が、ニキと悦子がそれぞれの時代で、
「変わっていかないと」「私たちは変われるはず」と
希望を語る部分以外、「万里子」を探すために走る
一本道で悦子の足に絡まる紐(最初は植物の蔓だと
思ってましたが、景子の自死の示唆か)とか、衝撃的な
牛乳の木箱(に入ったもの)を川に沈めるところ、
とか、全体の暗さは相当で、人やタイミングによっては
考察どうこう以前に拒否反応が出てしまうかも、
とも思いました

個人的には、人あたりの良い、縁日の射的のおじさん
役で松角さんが出ていらしたのがサプライズでした
(松角さんも、物語の舞台であり、カズオ・イシグロ氏の
ルーツである長崎ご出身)

悦子が自分の経験を直視できずに、歪曲して話して
いる、と言う見方もありますが、人間の記憶ほど
あてにならないものはありません
私も旅行や自分や家族の病気など、イベント?に
ついては結構はっきり覚えている方、と思っているの
ですが、同時にかなり綿密に記録をする癖があり、
たまにその記録を後から読み返すと、順番とか経緯とか、
細かいところが自分の思っていた記憶と微妙に食い
違っている事が少なからずあることがしばしばです
悦子に改竄の意図なくでも、悦子のモノガタリは
悦子のものとして完結している訳で、そう思う悦子を、
貴方の話は事実と異なる、と責める事など、おそらく
誰にもできない気がします

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祝!阪神タイガース、最速リーグ優勝

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2023年も割にあっけなくリーグ優勝しましたが、
今年は更にそれを上回るスピードでぶっちぎり。
今回は優勝をきっちりテレビ中継で拝見しましたが、
球児監督、年間通して堅実な采配でした。

とりあえず翌朝は、翌朝の恒例行事、若干早起きを
して、近くのコンビニに行き「スボーツ新聞コン
プリート(但し東日本エリア)」

スボーツ新聞は、最近は阪神が優勝した翌朝しか
買わないため、今回見たら「トーチュー」の販売が
なくなってましたし、何より、今時のスボーツ新聞は
1紙150円とか、結構な御値段なのもびっくりしました

因みに優勝翌日は、黄色のTシャツに白地に黒の
ピンストライプのシャツと言う、一応一人祝勝気分の
服装で出勤しましたが、誰にも気がつかれず(笑)

しかし、いくらCSまで日程あるとは言え、優勝直後は
DeNAに連敗したり、近本が死球を受けたり、10点
取ったのに11点取られて負ける、とか、若干不穏な
気配も漂っていますが、とにかく23年には叶いません
でしたが、一生に一度くらいは生で優勝絡みの阪神戦
見てみたいです

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2025.09.14

頑張った8月の自分に、ご褒美の大贅沢。

Sushi

珍しい食べ物ネタです。

食事は基本自宅で自炊、外食は人に会うとか、芝居や
映画、買い物の合間の空腹を満たすため、などを
除いて、
「わざわざ何かを食べる(買いに並ぶも)」
を目的にでかけることは、ほとんどなく、年に1回
どころか、思い返しても、多分ここ10年記憶になし
しかし今年は6月からずっと微妙に体調がよくなく、
とりわけ8月はあちこち酷かったのを薬で騙し騙し、
何とか仕事のピークを乗りきった(多分)ので、今回
本当に久しぶりに、自分にご褒美、と甘やかして
並んで待ってまで頂いたのがこちら

写真のが食べたうちの一つ、ではなく、本当に好物の
穴子寿司だけ食べたかったので、これとビール一杯、
締めて約1500円、座ってから食べ終わりまで多分
15分もかからず終了

でも久しぶりの穴子寿司、美味でした

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2025.09.09

ルネサンス音楽劇「ハムレット」を観る

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新国立劇場(小劇場)
歌舞伎から距離をおいていると言う、片岡千之助くんが
タイトルロールの舞台
歌舞伎子役の舞台は随分拝見してますが、それ以外の
舞台では初めて。

しかし、歌舞伎から距離を、と言いながら、皮肉にも
自前劇場閉鎖中の国立劇場による、主催歌舞伎公演が
よりによって真上の中劇場で、しかも古典中の古典、
歌舞伎代表的作品の「忠臣蔵」上演中。
歌舞伎とはなかなか縁は切れないと言う暗示、でしょうか(笑)

さて、本題
今回の「ハムレット」、小書(笑)が「ルネサンス音楽劇」
演出がオペラ歌手の弥勒さんで、共演者が福井さんに
花乃さん朝月さんと、宝塚トップ娘役(あとから調べたら
お二人は同期生らしい)なので、オペラまではいかないと
してもミュージカル寄りの演出だったら辛いかもな〜と
チケット取るときはちょっと心配?したのですが、
幕があけば、冒頭の城壁のシーンや。父親を「もぐら殿」と
呼ぶシーンを含めて、父王の亡霊や、何よりフォー
ティンブラスの存在自体を一切カットするなど

変更(省略)はありましたが、独白含めて、ガッチガチの
セリフ劇で(翻訳は松岡先生のもの)、音楽は確かに
舞台袖での生演奏でしたが、寧ろ控えめでした。

そして何しろ長くて回りくどい(笑)シェイクスピア
台詞、つい早口でのし切ってしまおう、で聞き取れなく
なっている残念な役者さんがいたり、深刻なシーンの
多い「ハムレット」で数少ない笑いを呼ぶいくつかの
せりふが、今回ことごとくきちんと聞き取れずに滑った?
のは惜しまれますが、千之助くんは流石に子役からの
舞台歴は伊達じゃない。
見事にせりふに感情をのせて、同世代の共演者とは
圧倒的なキャリアと技術の違いを見せつけて、きちんと
伝わってきていたのはお見事でした。
何より、シェイクスピアと言うと、叫ぶ感情過多な
演出の多いなか、そうでなくても伝わるのがよく
わかりました
(派手にやらない、が劇中でのハムレットさんの演劇に
対するスタンスですしね(笑))

インタビューでも書かれてましたが、生まれながらに
決められた将来に対する生き方、みたいなところで、
千之助くんには役のつかみ方というか共感されている
部分があったのかもしれません

それにしても、千之助が口にすると、普通のセリフ
なのに「茶番狂言」とか「丑三つ時」とかが、何と
なく黙阿弥先生のセリフのように聞こえてしまって
ちょっと面白かったです

またどのカンパニーも工夫(苦労)する、劇中劇は、
台詞回しが何となく歌舞伎風だったかもですが、
やりすぎず、私は好みでした

演出は舞台に並べ置かれた大きな三つの額縁風セット
だけを使うシンプルなものでしたが、「尼寺」のあと、
オフィーリアが泣きながら、払い除けられたハムレット
からの手紙を集めながら去る場面に、出番の少ない
ながらオフィーリアの感情の揺れを感じられたのが
印象的でした

また、音楽の話に戻れば、キャストが歌う曲がいくつか
ありましたが、狂気にとらわれたオフィーリアが歌う
曲は「グリーンスリーブス」が当てられていました

全体によくできていて、公演期間が短かったのが
勿体なかったです

しかし、時代考証に則っているにしても、日本人の
体形には、あの「ヘンリー8世」肖像画byホルバインで
有名な、当時の腿部分がバルーン状に膨らんだかたちの
ズボンにカラータイツ、と言う服装は、よほど背が高く、
体格ががっちりしていないと難しい気がします(笑)


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2025.09.06

歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎~菅原伝授手習鑑」初日

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九月はこのところ毎年、秀山祭が定着し、播磨屋さん、
吉右衛門家にまつわる作品の上演が原則でしたが、
今年は三大作品のうち「菅原伝授手習鑑」上演と
重なり、ネーミングは残しながら播磨屋色は薄めかな、
と思いましたが、初日(昼夜Aプロ)を観る限り、要所
要所で播磨屋さんファミリーの活躍が目立ちました
(感想はまた改めて)

それにしても初日の仁左衛門さん丞相のAプロ回に
学生団体を入れる松竹さん、その方向性、いささか
謎過ぎ(2階席でした)

また今回、幸四郎さん丞相のBプロ昼の部は、半分
以上の日程が貸切で、団体営業の成果はなによりですが、
個人客としてはチケット取りに本当に苦労しました。
(その幸四郎さん丞相のポスター、何か不思議な気配を
感じます。楽しみ)

因みに今月、芝のぶさんは緊張感だらけの「菅原~」の
中でも、特に丞相の神性が強く出る場面「道明寺」の
腰元役でご出演。

今月は月額制がないので、最低限ですが、一応、
仁左衛門さん回はもう一度拝見予定。

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猛暑の昼間の氷川神社参拝は、最早ちょっとした修業仕様(笑)

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仕事も日常も、疲れに加齢と暑さも加わってもいる
からかもですが、どうも今一つ、な、事が続いていた
ので、これは何か食い止めてリセットさせるために
お祓いでもしなくては、と思い立ち、首都圏にあり
ながら今まで伺ったことがなかった、「武蔵一ノ宮」と
言われる、大宮の氷川神社に参拝してきました。

しかし前後の都合で、さいたま新都心駅のスタートが
真っ昼間の12時半!。
当日の大宮は、予想最高気温39℃と言う、「外での
活動は極力お控え推奨」な状況で、どうしたものか、と
一瞬思ったものの、判って来たのだし、ここまで来て
引き返す理由もなく、「一の鳥居」から日本一の長さと
言われる、約2キロのまっすぐな参道をひたすら本堂を
目指してスタート。
確かに猛暑ではありましたが、参道両側には、高さ
10数メートルはありそうな、ケヤキ並木が続いていて
(ところどころ参道を横切る車道との交差点でのアス
ファルトの照り返しが余計暑く感じましたが)天然の
日除けになり、思ったよりはかなり涼しく、とは言え、
まあまあ汗だくだくで本堂到着。

参拝し、珍しいカラフルなカラバリがある袋入り絵馬を
奉納。
最初は無謀かとも思いましたが、ここまで暑いと
もはや修業と思えばで(笑)
本堂に到着したら、すごい達成感と、汗かき切って
清々しさまで感じました
(やや脱水ハイなだけだったかも)

帰りは裏参道に出ましたが、ここから次の目的地までが
寧ろ本当に暑くて、大変でした

「次の目的地」についてはまた別項にて

しかし、やはり神社仏閣には、何かパワーを頂ける
装置がある気がしました。

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2025.09.03

8月の終わりの平日に台場に行く

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お台場と言えば、球体のビルのイベントから周辺
ショッピングビルでの回遊を目当てに、いつでも
駅から人が絶えない、と言うイメージがあり、猛暑だ
平日だと言っても夏休みだし、混雑を覚悟して新橋
からゆりかもめにのりました。

ゆりかもめは、沿線に以前よりビジネスビルが増え
ましたが、それでも新橋から15分足らずで何だか随分
遠くに旅行にきたようなシーサイドの異世界感に
包まれるのは相変わらず。

とりわけ「台場」周辺は、それこそ昔は名前通りの
何もないコンクリの敷地で「釣の名所」だったところ
から(笑)、「踊る~」ブームもあり、常に「行けは
何か面白くて新しいものがいつもあるところ」

でしたが、今回は、台場駅で同じく降りた、大きな
荷物の海外の方が周辺の外資系ホテルに吸い込まれると、
あれ?
あとは数人だけ。

目当ての買い物をしてから豊洲に用があり、終点まで
ゆりかもめも完乗しましたが、例えば「市場前」は
かつてステージアラウンド東京に「髑髏~」を見に
来ていた頃の寂しさとは打ってかわっで、文字通り
「豊洲市場」最寄り駅、「有明テニスの森」や「東京
ビッグサイト」もイベントで平日でも乗降客も多く、
何より、町としての歴史があり、かつタワマン群の
代名詞、豊洲駅が賑わっていたので、余計に偉容を
誇る建物が迫る台場駅周辺に、人が少ないのが際立った
気がしたのかもしれませんし、暑さを避けての室内型
アトラクションは混んでいたかもしれませんが、
なんとなく平成は沿線のトップランナーだった台場も、
周辺が開発でそれぞれアップデートが早過ぎて、
台場の変化のスピードが追い付けなくなったような
印象を受けました

因みに「台場の買い物」は、最近、「めざまし」
番組内でミニ番組がオンエアされている「パペット
スンスン」のグッズ(笑)
こちらはお目当てのパペット人形は午前で売り切れた
とかで、シールとミニサイズのマスコットだけ購入。

マチの変化を如実に感じた、ゆりかもめツアーでしたが
やっぱりパペットは買いたかった(笑)

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