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2026.02.28

国立劇場文楽公演「絵本太功記」を観る

Kaat2KaatWhen

KAAT神奈川県立芸術劇場(ホール) 
ホール入口には春節に合わせた大きな飾り物があり
ました
前にも見たな、とちょっと調べたら、この日も2階の
中スタジオで上演中、成河くんもご出演の「冒険者たち」の
第一弾もやはり2月で、その時に拝見してました。
今回は「冒険者たち」の上のホールへ。
何しろ「絵本~」と言えば「(絵本)太(功記)十(段目)」と
言うくらい、歌舞伎では「尼ヶ崎」しか、かからない
現状、他の段がかかる!となれば、必見。
伺うしかありません
一部二部を、二日にわけて連日で拝見しました

「太十」で登場する、武智の母・さつき、息子・十次郎、
許嫁の初菊などが、前の段から登場し、悲劇のフラグ
立てまくり盛り上がると思ったものの、全体的に
なんだかあっさりと言うか、あれれ、で終わって
しまった気がしました(個人的に)

何とな〜く感じたモヤモヤは大きくはふたつ。
一つ目は、そもそもの物語の構成と、今回の上演段の
選択。
光秀が春長(信長)を本能寺で弑するに至る発端の
「安土城」から、久吉との天王山での合戦を約しての
「尼ヶ崎」まで、で構成されていますし、普段「尼ヶ崎」を
メインで見ているので、全編も光秀をメインに、
プライドや家族との意見の食い違い、親子の情などに
ゆすぶられながら、私たちの知る「尼ヶ崎」、さらには
小栗栖の悲劇に突き進むプロセスを、一気に追体験
するもの、と思っていたのですが、意外にも、光秀
さんは余り登場しない
してもカタブツで、春長にキレられ、面倒な役目を
押し付けられた森の蘭丸に額を打たれ、お母様には
「上司を弑するなんて、親不幸もの!」
と怒られる。
遂には、変装した久吉に家に潜入され、挙げ句に、
「太十」で「じゃあ天王山でね」って戦いのイニシアチブ
まで取られて、通して見れば見るほど、主役的見せ
場が意外に少ない。
どうやら全段の構成自体が光秀と久吉、今風に言うと
「W主演」で、しかも通し、と言いながらカットされた
段に、光秀が春長打討を決意する部分があったらしく
(なんてこと!そこ!)

この状態で、十段目以外を見てしまうと、寧ろタイトルの
「太功記」→「太閤記」の通り、久吉(秀吉)の、光秀の
側近の変装を見破る思慮深さや、策略が際立ち、
「何を見に行ったんだっけ?」な感じになりました。
文楽の本拠地、大阪は、いまでも多分に秀吉贔屓
なので、そう言う部分が反映されたのでは?と見ながら
ちょっと思いましたが、違うかなぁ

個人的には、やはり光秀は正義のため上司を討つべきか
悩むインテリで、やっと下克上を決断したのに予想
ほどには賛同者が少なくて、結局はやむ無く滅亡する
悲劇のヒーロー、で見たいけど、そう言うハナシじゃ
なかったのか(汗)

二つめは、劇場の聴こえ方(多分)
国立(小)や国立文楽と違って、今回の神奈川芸術劇場の
ホールは実際には2階(実質3階)まであり、客を入れた
のは1階だけでも、高い天井を下げている訳ではなく、
客席の奥行きもあって、大夫の声や三味線の音が
広がりすぎたのか、文楽劇場ならかなりの良席に座って
いたにも拘わらず、大夫の声と三味線の聴こえ方の
バランスがかなり良くなかったです。
希大夫の落ち着いた語り&演奏な時は、そうでも
ありませんでしたし、千歳大夫さんの「長左
衛門
切腹」の語り(先月も「新薄雪物語」で合腹の「三人笑い」で
血管切れそうだったのに) くらい極端なのも(勿論大
絶賛)そうでもなかったのに、肝心の「太十」の切、
語りも三味線もクライマックスなのに、大夫の語りが
かき消されるようで、大夫の体調が万全ではなかった
のかしらと思うくらいでした
いつもとの条件が違うとすれば、やはり劇場構造。
特に天井の抜けによる影響かなと。
人形の動きも勿論ですが、語りと三味線の演奏の
バランスあってこそ、の文楽。
企画が素晴らしく、貴重な機会だっただけに残念
でした。
そう言えば、「妙心寺の段」で、母君に怒られて、
後悔?した光秀が、衝立に遺言?を書く場面。主遣いが毎回、筆で(人形越しに!)実際に書かれて
いるそうで、それは凄いのですが、語りと三味線は
その間「待ち
合わせ」をしている、静かな場面で、時々妙と言うか、
不思議な反響音?がして、周りの席の方も何人か
「何?」と音源を探すような仕草をされていました。
さすがにこれは気になって、終演後にスタッフに
お尋ねしたら、同じ様なお申し出は、前日にもあった
らしいのですが、なんと実はそれが「効果音」だった
のだとか。
そうだとしても、いや、そうだとしたら、尚更
、随分と
不穏でしたし、私には正直「逆効果音」でした。

また、この作品、メイン二人(形)にあまり派手な動きが
割になくて、玉男さんも勘十郎さんも我慢な感じ。
また、久吉が旅僧に変装して入ってきますが、人形が
変装すれば、顔のパターンは限られているので、最初は
誰?感はあるのですが、何しろ主遣いの勘十郎さんが
出遣いされているので、身元バレバレでしたね(笑)

勿論、期待通り、前が判ると「太十」への伏線が色々
肚落ちする納得感はありましたが、折角なら、もう少し
濃密な、演劇の特性を引き出す演劇空間で見たかった
です

そうそう、もう一つ、普段使わない会場ならではの
スタッフも想定してなかったらしい、小さいイライラが。
今回私は拝見しませんでしたがら3部に「勧進帳」が
かかって、それが珍しく人形遣いが花道を走って出る
演出のため、下手客席側の通路を中途半端に塞ぐ形で、
仮花道が出現していました。

当然、花道を横切れないので、花道より下手席の観客
以外は、化粧室がある下手側通路からロビーに出られず、
ロビーに出ようとする全員が、上手と後方の出入口に
集まってしまう、と言う、かなり不便な事になって
いました。
後から聞けば、後方出入口を出た外にも、多個室の
化粧室があったらしいのですが、アナウンスも場内
誘導もなかったのは、かなり不親切な気がしました。

普段使っている会場なら、予め想定でき対応、予防策も
打てるのでしょうが、このしょうもない放浪
生活が
もたらすデメリットについて、国立劇場、所管行政
機関は理解しているのか、本当に謎。


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2026.02.22

京阪で初詣と、憧れの正月菓子

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またも旧聞の類い(笑)

「エリザベート」と「初春文楽」観劇で、珍しく正月に
京都&大阪にいたので、京阪ならではのお正月を
ちょっとだけ体験しました

まずは初詣

京都で初詣と言えば、伏見稲荷、八坂神社、北野
天満宮、下鴨神社、上賀茂神社、平安神宮あたりが
有名らしいのですが、去年初冬に偶然、伏見、八坂、
北野の定番三社をお詣りしたばかりでもあり、折角
なので普段あまり伺わない社寺に、でもできれば
京都駅からあまり遠くないところ、で、「厄払い」に
霊験あらたか、と言う 「城南宮」に伺いました

「城南宮」
最寄り駅、と書いてある割には、同じタイミングで
降車した方に、同じ方面に行きそうな方が全然いらっ
しゃらず、あれ?正月にはあまり参拝される方は
いない神社?と思いつつ、更に途中には殆ど案内も
ないので、スマホ地図をたよりに大きな国道や住宅地、
工場も混ざるあたりを随分歩いて若干不安になり
ながら漸く到着したら、出入りの交通整理をされる
警備員さんがいるくらい、殆どの方は自家用車で
おいでになってました
なるほど
初詣の家族客、海外からの観光客は勿論、時期的に
休み明けが近かったためか、企業や団体の方たちが
集まっての新年祈願のグループがたくさんいらっ
しゃいました
この手の「社内行事」に参加した事がないので判り
ませんが、どうやら祈願のあとは新年会の模様でした 
いかにも効き目?のありそうな、大きめサイズの健康
お守りと、のほほんとした(笑)小さくて可愛い茶色の
馬の置物の干支みくじを頂戴しました

ここからは、京都以上に行っている割に、全然伺ってなかった大阪の寺社ふたつ

「大阪天満宮」
『日本一長いアーケード商店街』としてよく紹介
される、天神橋筋商店街、の「天神」はこちらの事、
と到着して理解しました(笑)
駅名にもなっているのに全然場所を把握できてなかった
のですが、見事にビルの谷間
立地柄、こちらは城南宮以上に、グループや会社の
ご祈願が多かったです
ただ、あまりに朝早く伺い過ぎ、社務所オープン前で、
梅柄の絵馬をいただき損ねました

「四天王寺」
梅田と並ぶ、大阪の南のターミナル天王寺。
近鉄渾身の?ランドマーク、ハルカスや天王寺動物園、
大阪市立美術館などは有名ですが、駅からちょっと
北に上がったところにある「四天王寺」も、聖徳太子
さん建立以来の超有名ロングランのランドマーク(笑)
南から中門、五重塔、金堂、講堂が一直線に並び、
全体を回廊が取り囲む、独特の伽藍配置は「四天王寺
様式」として昔は歴史の試験に出たもので、こちらも
今回初めて伺いました。
入口にお寺なのに鳥居があり、また、まるで塔頭の
ようにしっかりした入口を構えた「四天王寺高校」
(因みに府内有数の進学校らしい)もあり、なかなか
不思議な雰囲気
回廊に囲まれた、中心伽藍のみ参拝料を支払っての拝見。
何と言うか、ここだけ完全に奈良、でした(笑)
余りにも奈良過ぎ、完璧に現実離れし過ぎて、最早
オープンセットのようでした(失礼)
立派な伽藍ごしにハルカスが見えましたが、高さで
負けても、歴史的価値と貫禄ではまだまだチーム
四天王寺、負けてません
五重塔の中に入れるとの事で入ってみたものの、
極めて細くて急な螺旋階段で、途中で断念
(年を取るってこう言う事)
内部は撮影禁止なので写真はありませんが、独特の
空間でした

【おまけ】花びら餅
名前は知ってましたし、京都の料亭の、おせち料理に
付いていて、頂いた事もありましたが、何より、
よしながふみさんの「大奥」で、京都から下ってきた
和宮(漫画上では、の妹)が、京都の食べ物を懐かしんで
家茂に自慢する場面が印象的なのが「花びら餅」。
NHKドラマでも志田彩良さん演じる甘党の家茂が
話を聞いて羨ましがるシーンがあり、いつか、本場・
京都で花びら餅買うぞ!と思っていたのが、ついに
実現(笑)

京都伊勢丹には、年内から扱う各店の花びら餅の特徴が
比較できるチャートまでついた特別サイトがあり、
事前予約可との記載
当日行って売り切れていたら意味がないので、しっかり
2店ほど予約してから、伺い、無事に確保しました
頂いた花びら餅(贅沢にも一度に2個食)は確かに違って
いて、どちらも美味でした
このためだけに京都に行くわけにも行かないので(
今時は東京でも買えますが、そこは気分(笑))、ニヤニヤしながら頂きました

因みに亀屋良長さんでは、懐中汁粉に運試しができる
五種のおめでたいフォルムのゼリー(松竹梅亀桜の
どれか)が仕込まれた「おみくじしるこ宝入船」も売って
いて、うかうか購入
こちらは外装の最中部分を壊さないように慎重に
家まで持ち帰り、後日頂きましたが、仕事運、の竹が
出てきました
遊んでばかりいないで仕事もしろ、ですね(笑)
✳︎ショーケースの写真はお店の許可をいただいて
撮影しました

滅多にない、松の内の京阪体験
楽しませて頂きました

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2026.02.21

去年今年と「リア王」祭りか。秋に内野さん主演×森新太郎版が登場

今年は、5月に、さいたま芸劇で「リア王」、PARCO
劇場で「リチャード3世」、そして日生劇場で「ハム
レット」と、首都圏で3作集中する上に、6月には
成河くんも風姿花伝で「ハムレット」と、何やら沙翁祭
状態ですが、秋に東京芸術劇場で、内野さん主演、
しかも信頼しかない、森新太郎さん演出での「リア王」の
上演が発表されました

それにしても「リア」はここ数年、突然集中的に上演が
増えていて、私が観ただけでも以下の通り

✳︎PARCO劇場
リア役/段田安則さん
演出:ショーン ホームズさん
2024年

✳︎神奈川芸術劇場
リア役 /木場勝己さん
演出 :藤田俊太郎さん
2024年
(読売新聞演劇大賞受賞)

✳︎Theater Milano-za
リア役/大竹しのぶさん
演出:フィリップ・ブリーンさん
2025年

そして、今年も既に

★さいたま芸術劇場
リア役/吉田鋼太郎さん
演出:長塚圭史さん

と発表済みのところに更に、な状態です

内野さんは、去年WOWOWで放送された、「ゴールド
サンセット」で、シニア劇団でリアを演じる謎の高齢者を
なさって、舞台場面もけっこうあり、共演の六平さんや
和久井さん、益岡徹さんも含めて、このまま舞台化で
よくない?と思っていたので、実現は嬉しいですが、
急に集中しだしたのは、400年前に描かれた物語が、
現代の超高齢化社会を先取りしていた、と言う事なのか?

勿論、行きます!

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2026.02.18

下関市内、半日観光

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「子午線の祀り」を見たり、歌舞伎で「義経千本桜」を
拝見する度に、屋島、一ノ谷、壇ノ浦など、源平合戦の
史蹟をちゃんと巡りたい、と長らく思っていました。
特に山口県は私のルーツの一つでもあり、学生時分に
一度、萩と津和野、山口、下関と旅行した時に
(昔は「アンノン族」とか揶揄されながら、こう言う所謂
「小京都」巡りが流行ったものです)、赤間神宮と高杉
晋作銅像?はちらと寄った事はありましたが、その
記憶もそろそろ曖昧。
壇ノ浦の知盛と義経の像は勿論、司馬さんの小説から
歴史に馴染んだ世代なので、高杉晋作ゆかりの功山寺も
行ってみたいと、下関熱が盛り上がっていました。
ただ、関西、福岡、名古屋などと違い、劇場に行く
ついでに行く~と言う「ついで」もない場所のため、
ずるずると先伸ばしにしていましたが、予定していた
休みをさらに半日延ばす事ができたので、思いきって
新幹線で小倉往復の贅沢な半日旅をしてきました 。

それにしても、いくら乗換案内を検索しても、関西
からは一旦小倉に出てから、在来線で関門トンネルを
通って本州に戻る方が、新下関から在来線で行くより
速い、と出るのが、なんとも不思議。
新下関駅が、のぞみ通過駅だからなのですが、一度
九州に行ってから戻る、下関旅に出発しました。

小倉~下関間は年期の入った在来線車両で、間に門司
だけ挟んであっさり関門トンネルを通過し、ものの
15分足らずで到着した下関駅は、学生時代に撮った
写真の駅とは当然ながら、まるで違っていました

ネットで事前に調べた限りでは、市内観光は路線バスが
便利そうだったので、さっそく一日乗車券を買うべく
観光案内所(バス乗車券販売所でもある)に、序でに
地元情報もいただけるかな、と期待して伺いましたが、
ネットで知り得る以上の情報もチラシやマップも
あまりなく、一日乗車券だけ買ってバスターミナルに
向かいました
しかし、素手(笑)で立ち向かうには下関の路線バスは
レベルが高過ぎた(笑)
「便利そう」のレベルを越えて、ルートが細分化、
路線が余りにも多くて、一方、いま「このタイミング」で、
「どこに行く」には「どのバスに乗れば良いか」が、
全く分からず、うろうろしている間にも、目の前で
バスが何台も出発。
結局、停まっていたバスの運転手さんにお聞きして
エイヤッと乗車する羽目になりました。
もう少し旅行客にも分かりやすくなるといいなあ。
因みに戻りは「下関駅行き」を選ぶだけだったので、
らくらくで、しかも、「発」が多ければそれと同じだけ
「着」があるわけで、全く困らず、でした(笑)

さて、まずは実家跡に行き(親族ごと離れたので、
いまは何も痕跡なし)、次は一番見たかった壇ノ浦の
「壇之浦古戦場跡」へ
(壇「之」浦、か、壇「ノ」浦か表記の違いはなに?)
橋がかっこいいのは勿論ですが、八艘飛びの義経と、
知盛の像の躍動感が、橋のダイナミックさも相俟って、
やはり期待通りで、写真撮りまくりました

次は功山寺へ
ここは、下関、と言っても駅からも壇ノ浦からも少し
離れていて、かなり山側に入ったエリア。
観光案内でも「駅周辺」とは別に「長府エリア」として
紹介されていて、実際、港町感は皆無の、落ち着いた
雰囲気でした。
しかも功山寺は最寄りバス停から、更にまたゆるゆると
した傾斜でうねうねと曲がる坂道を上がった先。
山の自然を存分に取り入れた壮大な境内で、晋作の
「回天挙兵の地」と言う史跡としてもでしたが、期待
していた以上に素晴らしい紅葉を楽しめましたし、
近くで、可愛くて全体水色の、ちょっと珍しい河豚
ポストも発見
エリア全体で景観保全の取り組みをされているようで、
城下町の気配を残した、ゆったりとした街歩きを
楽しめました

帰りの新幹線の時間もあるので、ここから一気に
下関駅まで出るつもりでしたが、乗り換えを調べると
もう一ヶ所くらいは寄れそうだったので(欲張り)、
ここは、やはり特徴的な社殿と、海を臨む眺めが
楽しめる、赤間神社に寄り道

相変わらず、竜宮城ってこんな感じ?な、日本の
神社らしからぬ鮮やかな色目の特徴的な社殿がどん!
境内は上がってみると、思っていた以上に前の道路
からの高低差が大きく、関門海峡を挟んだ小倉側も
よく眺められる絶景でした

ここから駅までバスで出て、またさっきまで対岸から
眺めていた九州側・小倉に出て、新幹線で帰路に。

今回はスルーした唐戸周辺、歩いて関門海峡を潜る
歩道、幕末史にまつわる史跡など、行ってみると
もっと深掘りしたいポテンシャルのある町で、また
機会があればあちこち行ってみようと思えましたが、
まず攻略すべきは、あの路線バスダンジョンです!

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「エクウス」を観る

Ekuusu

東京グローブ座
「アマデウス」「ピサロ」で知られるピーター・シェー
ファー作品
日本では劇団四季で市村正親さんアラン、日下武史さん
ダイサートの舞台が伝説
当時、と言うか、初期の劇団四季は、「アンチゴネ」や
「オンディーヌ」などフランス近代のストプレの上演が
メインの劇団だったと、創成期の四季に詳しかった
家人が良く言っていました
最近では、海外で、「ハリー・ポッター」のラドクリフ
くんがアランを演じて話題になった「エクウス」。
そして演出は翻訳ものに手堅い小川さん。
キャストに千葉さん&長野さん&津田さん&岡本さん&
坂田さんと、安心しかない役者さんばかりのカンパニー。
こんな必見ポイントだらけなのに、チケット扱いが
「十二夜」同様特殊で、情報集めからチケット取りまで
なかなか苦労しました。
これこそ、芸術監督権限で、新国立で広くやって
ください、小川さん!
考えると蜷川さんはこう言う事をコクーンやさい芸で
普通になさってました。
チケットは取りにくかったですが、それでもここまで
クローズドではなかったかと

「エクウス」自体は完全に未見で、殆ど予備知識なし
でしたが、ラストのダイサート先生の独白を聞いて、
医師と患者が登場する2つの作品「レナードの朝」と
「アルジャーノンに花束を」を思いだしました。

治療により症状や心身が(医者から見て良く)変わる
ことは、社会的には正しいと受容され、良かったと
言われるのだろうけれども、果たして本人の感受性や
個性、これからのその人生にとって本当にそれが
幸福なことなのか、社会あるいは治療者側の価値観の
押し付けと、自己満足でそこに価値観の違う存在を
認めないことはエゴではないのか
治療者側には「そこ」がゴールでも、その先の被治療者の
人生を医療者はどう受け止めるのか等々

ダイサート先生は今回、戯曲の男性から女性に置き
換えられました
アランの思考回路を読みとく対話の中で、ダイサート
先生はアランから度々
「自分も答えるからあんたも答えろ」
と言い返され、図らずも自らについて語るうちに、
自身の内面の矛盾や弱味に直面させられるスリリング
さも見どころでしたが、ダイサート先生が今回

女性に置き換えられていた事で起きた、男性と女性の
一対一と言う対話シチュエーションは、未見なので
判りませんが、ひょっとすると男性と男性の設定より、
更にダイサート先生に与えるダメージが大きくなった
かも知れません

また戯曲未読なので推測で、馬の表現やセットには
戯曲側の指定があるのかもしれないのですが、あの
金属フレームの馬頭のサイズが、ちょっと今回の
舞台ではやや大ぶりに、何となくアンバランスに
感じました。
何より「夏の夜の夢」の途中でボトムがテイターニアの
魔法でロバ頭にされた時のようで、シリアスな舞台に
違和感がちょっと
身体表現だけで、充分表現できると、役者さんの
身体を信頼できたらいいのにと感じましたが。

舞台は丸く光る円環の内側に納められた四角く置か
れた床板に装置はベンチのみとシンプルで、一部
正面だけでなく、左右にも客席のある三方正面。
観客はアランとダイサートの対話と言う言葉の格闘技を
リングを囲んでライブで観る感じでした

主役は勿論、アラン役の織山さんですが、とにかく
ダイサートの台詞量が半端なく、実質はダイサード
役の力量、村川さんの言葉との格闘を拝見するお芝居
でした。
台詞量のせいか、ずっとテンション高いままで、
逆にちょっと単調になってもしまい、もう少し緩急が
あってもかな、でしたが、比較的控えめな役柄の印象が
強い女優さんだったので、今回はイメージが随分
変わりました。
アランもラスト前までほぼテンションマックスなまま
なので大変そうでしたが、このタイプの役は、「奇跡の人」の
ヘレンもそうですが、ともすれば、「体当たりの熱演」、
をするだけで、「高い評価」をされてしまうのですが、
そこは振り切ってしまえば、なので、寧ろ普通な男女と
してつながり合おうとする、ジルとの繊細なシーン
とかの方が難しいのかも。
しかし、バッタリと倒れたりする身体的負担とか、
ラスト前の一連を見ると、あれを毎日やる心身は
なかなか大変そうです

千葉さん演じる、大声を出したもの勝ち、なアランの
父はともかく、長野さんが演じた、医者に息子を
取られた気になって視野が狭まる母親のエゴイズムは、
今でも変わらないリアルさがありました

でも面白い舞台でした

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2026.02.14

25年晩秋紅葉狩り(京都編)

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完全に旧聞の類ですが、今年の秋の自分のための覚え用、です
ご容赦を(汗)

「南座顔見世」とセットで伺った去年の京都の紅葉。
私の旅程にしては珍しく、滅茶苦茶スケジュールを
詰め込んだので、かなり盛り沢山になりました(笑)

⭐伏見稲荷大社
京都駅から近いのに、参拝した事がなかったのですが、
近年は「千本鳥居」がビジュアルのSNS映えから観光客が
急増でより大混雑、と聞いて、それも嫌だなぁ、と
思って敬遠していたのですが、今回、かなり早い時間に
京都駅に着けたので、勢いで行ってみました。
しかし東福寺駅もですが、京都寄りのJR奈良線の駅は、
なんで駅がホームも階段も改札も、こんなみんな
どれも激狭なんでしょうか(笑)
この駅も案の定、キツキツのコミコミ
何年か前、夜の東福寺に行った帰りにJRで帰ろうと
東福寺駅で待っていたら、運悪く運転見合せに遭遇。
それでも参拝帰りの乗客がどんどん駅にやってきて、
狭い駅ホームが客で完全に埋まって、ホーム上を
行き来すらできなくなった事もあります。
ホームドアもないので恐かったです
寺社に協力して頂いてもう少し大きくしないと、
直に床が抜ける(笑)。

さて、伏見稲荷です。
噂の千本鳥居は予想以上の長さで、それも往復分
あってびっくりしましたが、鳥居から離れた境内
各所に紅葉がたくさんあり、去年はシーズンやや
終わり目でしたが、タイミング合えば素晴らしく
良さそうです

⭐東福寺
次の予定があり、最初は伏見稲荷だけのつもりでしたが、
意外に早く回れたのと、2つのお寺は電車移動する
までもなく、歩ける距離なのは前から知ってはいたし、
お天気も良し、で、イキオイでの早朝散歩。
日中だと大混雑の東福寺ですが、早朝のおかげで
並ばず入れました。
去年の「そうだ、京都行こう」のポスターにもなって
いたように、寺庭の売りが、自然溢れる谷を造作した
庭を見下ろす橋からの眺めなだけに、時間帯によっては
寺庭部分に日が差し込まないエリア、角度もあり、
何回か伺ってますが、なかなかピタリな紅葉のタイ
ミングに意外にあたりません
今回は「橋から」、でなく、敢えてポスタービジュを
狙って、「橋を」眺めてみました。
うまく日が当たっていたのでちょっとポスターっ
ぽくなりましたが、どちらかと言えば、東福寺駅までの
道路の両脇や社寺の塀ぞいの紅葉が素晴らしかったです

⭐(ごく早朝の)嵐山エリア
混雑はするものの、確かに風景は美しいし、京都の
名所の中ではエリアで囲われていない開放感がある嵐山。
日中は団体バスもで大混雑ですが、だったら朝なら
空いている筈!、と、早朝紅葉見物に、嵐電の始発に
乗って行ってみました
(始発に乗ったところで、嵐電嵐山に着くタイミングで
夜が明けていないと意味がない)
本堂には入れませんでしたが、びっくりするほど
人がいない天龍寺の参道の紅葉は勿論、朝日を浴びる
嵐山と紅葉と殆ど人がいない渡月橋は、無料で楽しんで
申し訳ないくらい素晴らしい風景でしたし、日中と
違い、飲食の売店や団体バスなどがなくて静かだった
のが何より良かったです
ただ、SNSで評判、と言うので興味本意で行ってみた
「竹林の小道」だけは、インバウンドのお客さまで
びっくりの混雑。
中にはいったい何時起き?(徹夜?)な、着物フル
着付けのグループもいらして、熱心に写真撮られて
ましたが、朝だからか、いつもか判りませんが、
背の高い竹に囲まれているだけに、かなり暗いし、
紅葉目当ての私には無縁の場所でした(汗)

⭐桂離宮
ここ数年、修学院離宮、京都御所&仙洞御所、と、
宮内庁管轄のお庭廻りをしていますが、去年はこちらも
数十年ぶりに伺いました。
紅葉もですが、やはりお庭の見事さ
どんなに引いても電線など現代のものが写りこまない
壮大さ、何より広大な離宮庭園を毎回人数制限しての
グループ参観なので、混雑する、と言う事が全くない
ストレスフリーなのが最大の魅力
本当は桜も藤も紅葉も見頃にあわせて伺いたいのですが、
日程が近づくと空枠が少なくて抽選に外れまくるので、
運次第なところ以外は、本当にありがたいシステムです
(桂離宮以外は無料と言う太っ腹だし)
伺った日は特徴ある雲が出て、風情にダイナミック
さが加わりました

⭐長岡天満宮
秋の京都の混雑回避策は、「桂離宮」のような『予約』、
今回の「嵐山」のような『時間ずらし』、そしてもう
1つが『混雑域外に出る』
京都で実際大混雑するのは、一部、季節限定で混む
以外は、だいたいイメージとして「京都」と言われる、
ざっくりと京都駅北側、鞍馬、比叡、嵐山に囲まれる
内側と、南は平等院あたり
で、その外側、に出たのがこちらと次。
まずは阪急の駅名にもある長岡天神
ここ5年以内くらいは、再訪問も含めると大宰府、
北野、谷保、そして年明け正月には大阪天満宮に
伺いましたが、こちらは、鳥居からのアプローチが
池を取り込んだ大きな公園になっていて、ちょっと
他と雰囲気が違いましたし、本殿が意外に入口から
高低差があり、外から見るより数段ワイルドな境内
でした
(因みに谷保天満宮は、ここと逆に甲州街道から盛大に
坂を下る、これも不思議なアプローチ)

⭐光明寺
長岡天神から近く、広大な寺域を持っていて郊外の
紅葉の名刹と聞いて伺いました
確かに石段と整えられた参道も、本堂まわりも紅葉
だらけで大変きれいでしたが、他人の迷惑そっちのけで、
ひたすら、何かに出ていた通りの、無人の紅葉の
参道だけ撮りたいグループがいて、思う通りのショットが
撮れるまで参道を塞いで動かす、参りました。
その手の人たちが集まるポイントは決まってるので、
お寺さんもちゃんと人を置いて注意してほしいですが、
実はそこよりも、本堂裏に更に見頃の紅葉があって、
季節限定の国産の焼栗を頂きながら楽しもました

⭐(早朝の)智積院
個人的には京都駅徒歩圏内で最高の無料撮影スポット(笑)
9時までは寺内には入れませんが、広い境内は朝日に
映えるたくさんの紅葉があり、これが無料なら有料
スポットは一体何なんだ(笑)なレベル
特に鐘楼まわりと駐車場が最高(笑)
駐車場は周りに日光を遮るものがない事が多いからか、
鮮やかな紅葉に遭遇率が高く、ひそかに
「綺麗な紅葉を探すなら駐車場」と思ってたりします

⭐永観堂
まえに伺ったのは何十年か覚えてないくらい。
今でも紅葉と言えば必ず名前の出るお寺で、久しぶりに
これも朝イチなら混んでもないかな~と思って伺って
みたのですが、こちらは大誤算(笑)でした
参拝時間前から団体含めて大行列。
と言うか、私の記憶にあった永観堂とは明らかに異なる
門構えに、内外の大団体にも対応する、システマチックな
拝観料ブースにびっくりしました。
しかし入ってみたら、朝イチが一番混雑で、あとは
落ち着きましたし、手入れの行き届いた回遊式庭園の
紅葉見物はやはり快適でした。

⭐(夜の)北野天満宮
地理好き、市街地に潜む歴史遺構好きとしては、
北野天満宮内のお土居は近くにあるなら毎週でも
通いたいくらい好きな場所
最近は夜間ライトアップもあって、しかも入場料に 
喫茶ブース利用料が含まれています
散々ぐるぐるした最後、見学の出口の、丁度座りたい
な~な丁度タイミングで、日替わり?の京和菓子と
セルフサービスで緑茶をいただけるのが、京都の
夜間拝観の中でも特徴的。
最近夜間ライトアップは増えましたが、遅い時間に
開いている店が少ない事が多い寺社周りでは、これは
ありがたいサービスです。

早朝から夜まで、こうして書くと改めて去年は私も
結構な紅葉ハンターでした(笑)


 

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2026.02.06

ついに成河くんが「ハムレット」!

定評のある風姿花伝プロデュース公演が最近ないなぁと
思っていたら、いきなりとんでもない情報が。

なんと成河くんがついに「ハムレット」!
しかも「現代語」で「少人数バージョン」でやる、のだとか。

ハムレット
6月22日~7月12日
シアター風姿花伝
.
演出のニシサトシさんと言う方は、2016年のシアターX
での成河くんたちの二人芝居「マクベス」も担当された
方だそうで、拝見してますが、なんとも不思議な
仕上がりだったのを覚えています

オリジナル台本の元になる翻訳は、松岡和子先生版とのこと。
5月の、染五郎くん版「ハムレット」も松岡先生訳
ですから、間をあけずに、同じ翻訳を元にした、
しかし既に今から、明らかにテイストが異なることが
容易に想像できる2つの松岡訳「ハムレット」が相次いで
上演されるのは、かなり楽しみです

しかし、今年も既に上半期に「ハムレット」(×2)「リア」「
リチャード3世」と沙翁作品ラッシュですね

まずは成河くん版「ハムレット」、なんとかチケット
確保、です。

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2026.02.05

NHK「プロフェッショナル」と「バタフライエフェクト」の歌舞伎特集

「国宝」ヒットに肖ったとは言わないと思いますが、
NHKが、無関係とは思えないタイミングでたて続けに
歌舞伎関係のドキュメンタリーをオンエア。

何しろ、大量に映像アーカイブをお持ちのNHKさま
だけに、どちらも貴重な映像満載で、録画してあと
から見るつもりが、手を止めてのがっつりリアル
タイムで見入る内容でした。

✳︎「プロフェッショナル~仕事の流儀/心で魅せる、
芸を貫く~歌舞伎役者片岡仁左衛門」

去年7月の松竹座の「熊谷陣屋」から弟子たちへの
稽古、9月の歌舞伎座「菅原伝授~」まで、密着取材と
インタビュー
「菅原~」の「道明寺」の装置、池のサイズ拡大の提案
とか、体調不良の休演前後、何より、道明寺の立
稽古日、稽古場内にいる共演の左近くんやWキャストの
幸四郎さん、後見などのお弟子さんは勿論、稽古場の
扉外から稽古を見学している米吉さん、染五郎くん
などが映っていたりするのはかなり貴重でした。

✳︎「映像の世紀 バタフライエフェクト 人間国宝
女形に生きた男たち」

これなど明らかに「国宝」に便乗だなぁと思いましたが(笑)
更にレアな映像盛りだくさんでした

五代目は勿論存じませんが、私が歌舞伎を見に行く
ようになった時期は、まさに六代目歌右衛門さんの
全盛期。
家にあった「カラーブックス」(知る人も減ったでしょうが、
ある時期まで保育社からたくさん発行されていた、
文庫サイズのワンテーマシリーズ。まだカラー、
と言うのが売りになった時代ならではでしたが、
凹凸のはっきりした透明な硬質ビニールのカバーが
良く切れた(笑))の「歌舞伎」巻の表紙は、歌右衛門さんの
「道成寺」、赤の衣装で金の烏帽子を付けて、キッと
形を決めた姿(鐘を見込んだところ、とわかったのは
後年)の写真だったのをはっきり覚えていますし、
「先代萩」など多くの演目の紹介に歌右衛門さんの
写真が使われていて、「余程な役者さんなんだ」と
何となく理解していました。
そして、どんなに人気がある花形女形さんも、序列
なんだな、と言う事も(汗)
しかし、この映像とご本人の御言葉を聞くと、現在の
10年以上の歌右衛門名跡空位も致し方ないなと思い
ます。
その歌右衛門さんの休演が目立つようになった時期に
雀右衛門さんが脚光を浴びた、と言うのも、既に
劇場通いをしていたので、立役さんの休演の度に
羽左衛門さんが頻繁に代役に立たれていたのと同じく
よく覚えています。
いかにも女形さん、なイメージだった歌右衛門さんに
対して、雀右衛門さんは舞台の外ではさばさばと
話され、かっこいい革のライダースジャケットを
着てバイクに乗る、と言うスタイルだったのを思い
出しました

玉三郎さんは、若い頃は、なかなか歌舞伎座では
活躍の場がなかったためか(汗)歌舞伎以外のジャンルの
舞台にも出られていて、個人的には「オセロ」のデズ
デモーナを良く覚えています。
因みにオセロが二代目松緑さん、イヤーゴーが初代
辰之助さん、と言う、今で言うなら、歌舞伎NEXT的!
海外のクリエイター方たちとのコラボも多く、また
泉鏡花作品も今は歌舞伎でしますが、以前は玉三郎
さん以外は新劇の俳優さんだった事も思い出しながら
見てました

いまや人間国宝になり、後進の指導にあたる立場に
なった玉三郎さんの「スクール」からは、いま、八代目
菊五郎さん、七之助さんといった中堅から、「阿古屋」を
直伝した時蔵さん、最近では左近くんのように
20歳
近くなってから突然変異のように女形の才能を開花
させる若手も登場して、気がつけば、いま若手には
様々なタイプの女形が成長しつつあるのも、玉三郎
さんの「後進のご指導」の賜物と感じます

やはり歌舞伎は魅力的、としみじみしました

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2026.02.04

読売演劇大賞

1月半ばにノミネート作品が発表されていましたが
2月2日に各部門賞が発表されました。
最近は歌舞伎に傾倒気味で、今回作品賞にノミネート
されたお芝居は一つも見ておらず、若干距離感も
ありますが、最優秀主演男優賞には、ついに亀田さんが!
2019年の「タージ・マハルの衛兵」で紀伊國屋演劇賞も
受賞されていて、今回の読売演劇の最優秀男優賞。
W受賞者はそうそういない筈で、これは凄いこと。
最優秀女優賞は予想通りの望海風斗さん。

歌舞伎界からは、芸術栄誉賞に仁左衛門さん、杉村
春子賞に尾上左近くん

毎回思いますが、期間限定でよいので、授賞作品を
まとめて映像配信するとか、授賞して終わりにしないで
ほしい気はします
役者さんもスタッフさんも、勿論観客も、評価された
作品を改めて見てみたい気はする筈ですが。

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2026.02.03

結局「シネマ歌舞伎~朧の森に棲む鬼~松也版」も見る(笑)

Oboromatsuya

歌舞伎版「朧の森~」幸四郎さん版のシネマ歌舞伎を
見てから1カ月弱
見ようかどうか迷っていた「松也」版でしたが、結局
1月末に見てきてしまいました
(だから最初からムビチケ2枚セット買うべきでした、
自分。
特製デザインあったのに!)

きっかけは勿論?、国立劇場歌舞伎「鏡山~」。
耐えて耐えて耐えきれなかった時蔵さん尾上のはか
なさ、手弱女ぶりと、「朧~」のツナ様とのギャップが
凄すぎ、逆に「ツナ様」見るぞ、なモチベーションに(笑)
で、ツナ様見て、速攻、三月の「再岩藤」を早く見たく
なりましたが、その絶妙のタイミングで「シネマ歌舞伎」
サイトから、東劇限定ながら、今月、両バージョンが
日替りで追加上映決定のお知らせ
どう考えても行く選択肢しかなさそうですが(笑)、
東劇限定、と言うのが個人的にはちょっとスケジュー
リング的に難易度高
困りました

さて「松也版」です
まず感じたのは、生の舞台を幸四郎さん、松也くん
版も劇場で両方見ていて、更にシネマ歌舞伎幸四郎
さん版を見て1カ月経ってもいないのに、細かい動きや
セリフに
「え、こんなだったっけ?」
とあちこちで感じたのと、松也版の方が、ストーリーも
キャラクター全員が見えた気がしたこと。
特にキンタ、シキブ、マダレはよりクローズアップ
された気が。

「妖刀」の扱いは、松也くんの方が明らかにクルクル
度が高いとか、カメラワークの違いも勿論ありそう
ですが、見ながら、これが円盤で発売されたら、
両方買って、二台のプレイヤーで同時に再生スタート
させて、2バージョンの違いをとことん見比べたい、と
思うくらい違いを感じました。
(片方ずつだと多分、永遠に覚えきれない(笑))

劇場で見た時から、元から「そのつもり」で寧ろオボロの
「コトダマ」を思い込みに上手く利用したくらいの
勢いで、全部自分の欲望にのしきった幸四郎ライに
比べると、インタビューで時蔵さんもおっしゃって
ましたが、最初は良い人だったのが、オボロに完全に
魂を操られて自分の意思以上の力を出して最後まで
突っ走るのが松也ライでした 。
また、ライがツナに言う「その目だ」あたりのセリフが
リチャードがアンを口説くセリフにそっくりでした。
ただ、シュテン、ツナ、シキブがオボロと同じ顔だ、
とライが気がついた時の表情など含めると、全体的
には「マクベス」味が強い。
更に松也ライ限定ですが、冒頭、オボロがライに
妖刀を与えるところが、まるで「エリザ」でトートが
ルキーニにナイフを渡すのにそっくり~と見えたのは、
人ならざるものから与えられる、と言うだけでなく、
松也くんが東宝版でルキーニを演じているからこそ、
余計に感じるのかも

また、幸四郎版ではツナもシキブも終始ライに圧倒
された受け身なイメージが強かったのですが、松也版で、
届けられた夫・ヤスマサの首をとりあげて唇に接吻
するツナ様は、明らかに「オボロ」味が出ていたし、
どう見ても「サロメ」で、無駄に美しく、かなり危険
でした(笑)

また、忘れられないのが、松也版での、幸四郎さん
サダミツのふざけ?ぶり
ライの重厚さと真逆に、「博多にわか」みたいな無表情
メイクのはずなのに、態とらしい芝居が別次元で、
みなさん我慢が大変だったはず(笑)

それにしても延々3時間半突っ走ってきてからの、
ラストに本水立ち回りに宙乗りって、歌舞伎役者さんの
体力は一体どうなっているのか
まあ、ライ(たち)が大変なのは勿論ですが、昼夜
公演でも二人いるので最大一日一回ですが、キンタの
右近くんとか、普段そこまで立ち回らない時蔵さん
とかはシングルキャストなので、あの衣装で一日2回
やっていた訳で、みなさん凄すぎです
何より、もう贔屓でしかありませんが、怒ってキレ
まくるツナさまの啖呵を聞く度に、この迫力はさすがに
新感線版のツナさま秋山さんでも出てなかったし、
女形がやるからこその迫力とやわらかさ、この世なら
ざるもの感の振り幅は抜群だったかと。

そう言えば、繁栄するラジョウの盛り場の背景は
ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」、ツナ様の居室の
衝立の絵は(多分)簫白のと、絵の選択がまたなかなか
独特なのも印象的でしたが、どなたの趣味か(笑)

しかし新感線も随分見ていますが、やはり「朧〜」は
元々が染五郎当時の幸四郎さんに宛書きだっただけに、
歌舞伎版も全く違和感がないのですが、堤さんや
堺さんも出ていた時期の、比較的シリアス路線だった
「蜉蝣峠」や「吉原御免状」「蛮幽鬼」あたり、まだ新感線
では再演ないですが、古典味が強いので、歌舞伎
には合うと思いますし、いま若手花形が絶好調なので、
いっそ「髑髏城」が歌舞伎になったらと、妄想炸裂中

ともあれ、まずは2月の東劇スケジュール!

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2026.02.01

「国立劇場歌舞伎公演~『鏡山旧錦絵』」を観る

KagamiyamaKagamiyama1Kagamiyama3Kagamiyama2

国立劇場の「新」国立劇場での歌舞伎も、花道が短い、
舞台の幅より外の席が多いなどの欠点に耐えながら
ついに三回目。
今回は個人的には大好物の一つながら、長らく上演の
なかった、「鏡山~」の通し
本当は「忠臣蔵」に準えた十一段ですから、通しと
言えるのか微妙ですが(笑)、しかし、三月には今度は
歌舞伎座で、後日談的な「加賀見山後岩藤」もやると
言う、国立→松竹連携の続編決定済みのありがたい
番組で(笑)、個人的には1月の東京四座の中では一番
楽しみにしていました。

前回、歌舞伎座で観た時は、玉三郎さん尾上、菊之助
当時の八代目菊五郎さんのお初でしたが、今回は
時蔵さんが尾上に菊五郎さんお初。
彌十郎さん岩藤。
しかも、その時蔵さんが、三月歌舞伎座「再岩藤」
には二代目尾上に「転生」!と既に発表されていて、
既に期待しかありません
尾上の花道の入りがポイントだったりするので、
短い花道を逆に時蔵さんがどう見せるかも楽しみでした

行った日は、国立劇場歌舞伎では、鑑賞教室以外では
滅多に見ない(失礼)「満員御礼」の札が入口にあって
びっくり(失礼失礼(笑))
しかも学生団体もいないしかも土日。
面白い演目なら国立でも?ちやんと客はくる、と
言う事だと思いたいです

「女忠臣蔵」と言うだけに、立役の役者さんは出番が
圧倒的に少ないお芝居で、ご高齢の七代目や楽善
さんはともかく、去年「彦山権現誓助刀」では悪の権化で
大活躍?だった彦三郎さんで奴一役で出ちょっととか、
めったにない(笑)

話はお局のいじめに耐えかねて自殺に追い込まれた
中臈の仇を、直属の部下が討つ、と言う仇討ちもの
ですが、武士道どうこう、より、部長のパワハラに
耐えかねた課長が自殺し、ヒラの部下が「倍返し」
する(笑)、いまの会社組織ででもまるでない話では
ない、密室的組織内のパワハラ案件としてより身近
江戸時代も奥勤めの女性たちの宿下がり時期である
三月に上演されて、ご見物方々「あるある」で盛り
上がったそうですから、皆さん、お初の仇討ちに
さぞスカっとし、溜飲を下げ、実家でも勤務先でも
「見た見たぁ、岩藤って、○○さまですよねぇ」みたいに
盛り上がった事でしょう。

まあ、岩藤の彌十郎さんが、イカツいがちょっと
うっかりさんでら実は楽しいキャラがどうしても
滲み出る身体なので、ゾワゾワする怖さに若干欠ける
怨みはあるものの、いま、他にこの手のやれる役者
さんも心当たらず。
「奥庭」で討たれる時に、両手を前に垂らし、お初を
近寄らせない仕草が、三月の「再岩藤」の予告。
三月はこれを、松緑さんと巳之助くんがなさると
思うと、ワクワクしかありません。
そう言えば、岩藤の「配下」の奥女中・桐島が、尾上の
かわりのお初と竹刀の試合をするときに、岩藤に
対して
「働いて働いて働いて働いて働いて参ります~!」と
言っていて客席がわきましたが、正月の音羽屋歌舞伎は
時事ネタ使いが定番だったのを思い出しました。
(仕上がっている古典作品だけに、今回はここのみ、と
控え目でしたが)

菊五郎さんのお初は、前回よりちょっとふっくら
しましたが、お母さまの富司純子さんの若い頃を
何となく彷彿とさせる雰囲気でびっくり。
実年齢では時蔵さんより上なので、そこまで年の差は
感じられませんでしたが、ここまで一途に真面目で、
「女子」を武器にせず、か弱くもない役は、女形でも
意外に少ないので、客席もひたすら頑張れ、と応援
できる一体感(笑)
大団円で、頼朝に呼ばれたお初が黒の留袖で登場
した時に締めていた帯、多分、亡くなった尾上が
愛用していた、落ち着いた緑地に銀杏などが散りば
められた打掛だった気がしましたが、どうでしょうか?

で、いよいよ、時蔵さんの尾上。
もうね!(強調(笑))、先日観た「朧~」の勇ましいツナ様と
同一人物と思えないくらい身体を小さくされて、
衣装(立場)の重さに耐えかねて、な尾上の立場の
大変さが伝わってきましたし、気になっていた、
花道の入りの辛そうなところは勿論、次の場の出まで
ちょっとしかないのに、一段とやつれたように見えて、
いやもう、そんな弱気にならないのよ~尾上ちゃん!(笑)
と同情しまくる一幕

国立劇場も「くろごちゃん」キャラも良いけど、ここは
せっかくロビーに「お初」「尾上」「岩藤」の等身大?
パネルまで作ったのですから、ついでにアクスタとか
作ったら、ほんとにみんな買いましたよ!
もっと言えば、Sanrioさんとコラボで、マイメロお初、
キティ尾上、クロミ岩藤でぬいぐるみとかシールとか
作ってくれたら買い占めましたね(笑)

元々2回行くつもりでチケット買っておいてほんとに
よかったよかったの大満足でした 

そうそう、大詰での時蔵さんの畠山重忠姿の二役目の
凛々しさも最高でしたが、彌十郎さんが岩藤から
北条時政での再登場は、勿論「鎌倉殿の十三人」を知る
ご見物には大受けしてました
やはりテレビの影響は大きいですね

さあ、三月、まずはチケット取り頑張らないと!

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「壽新春大歌舞伎」を観る

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正月の東京の歌舞伎は、若手の「浅草」、恒例の音羽屋
さんによる通し狂言の「(新)国立」、團十郎家の「新橋」と
それぞれ特徴がはっきりしてますが、さて「本丸」
歌舞伎座の正月は?

「実盛」「女暫」を見ればプレ「猿若祭」のようでもあり、
ご本人はいらっしゃいませんが、仁左衛門さんが
得意とされている「実盛物語」と「女殺油地獄」を若手が
奮闘して挑んでいるので「松嶋屋スクール」的でも
あります
ただ、夜の打ち出しが「女殺」と言うのは、演目自体は
素晴らしいのですが、若干初春らしさには欠けます(笑)


昼の部
「実盛物語」
実盛、と言えば、個人的には2005年、萬斎さんの
斎藤別当実盛、長谷川博己さん、当時、菊之助さん
だった八代目菊五郎さんが共演した、蜷川さん演出、
清水邦夫さん作の「わが魂は輝く水なり」を一番に
思い出します。
家に絵や写真を飾る趣味は一切ないのですが、この
演目のポスターだけはいまだに色褪せても貼って
あるほど、思い入れがある作品
源平の物語を描きながら、60年代の個と集団の社会
世相を色濃く写した、いかにも清水さんらしい作品
ですが、伝統芸能に身を置くお二人が演じた事で、
寧ろ時代ものの気配を濃く纏う幻想的作品になって
いました
(亀三郎時代の当代・彦三郎さんもご出演でした)

歌舞伎「実盛~」、外題は「源平布引滝」
私は続けて上演されるのを観た事はありませんが、
この前の段が、仁左衛門さんが復活されて「仏倒れ」の
場面で有名な「義賢最期」。
義仲の父・義賢が死に際に源氏の白旗を託した小万と
子の太郎吉、義賢の子を宿す妻・葵の前の逃亡など、
「仏倒れ」以外にも情報たくさんの場面なので、繋がって
上演されればもう少し話も判るし、小万の活躍シーンも
あるのですが、今回のように「物語」だけだと、小万が
ミラクルで一瞬甦りますが、登場も退場も死体、と
ちょっとお気の毒
何しろ七之助くんがこんなに動かない、見せ場の
少ないご出演はかなりレア(汗)
ともあれ、幼少の木曽義仲を助けた実盛が、後年、
成長した義仲の配下、手塚太郎に討たれた時に、
白髪を黒く染めていた、と言う、有名なエピソードを、
大逆算して組み立てられています。
逃亡中の葵の前(と妊娠中のお子様)の確保に乗り
込んでくる平家方の武将・実盛と同役の瀬尾
実盛は、実は源氏に心を寄せており、前の場面のあとで
白旗を握りしめて絶命していた小万の腕を切り落として
白旗を「守った」りしている
(と語るのが「物語」)
それを聞いて実盛を親の仇と思う小万の子・太郎吉
(後の手塚太郎)、そして実は瀬尾にも隠れたモノ
ガタリがあり、と、実盛のカッコよさ、家族愛、
そして「有名なエピソード誕生秘話」の答え合わせ的
種明かしと言う複合的面白さがポイント。
今回は勘九郎さん実盛に七之助さん小万、松緑さん
瀬尾。
太郎吉は、巳之助さん長男の緒兜くんでしたが、
とにかく上手くて、大活躍
葵の前の出産の様子を覗き見しようとして、何度も
実盛に窘められるところや、オモチャの馬に跨がっての
見得も勿論、義太夫にちゃんと乗った台詞など、
気持ちが良くて、これから暫く子役での大活躍期待大。
寧ろ、肝心の勘九郎さんの実盛の「物語」の方が、
義太夫への乗り方がもう一つしっくりしないところが
結構あって、乗りきってない部分の台詞が聞こえず、
姿は最高だったらだけに本当に残念。
瀬尾は松緑さん。
押し出しは最高ですが、こちらも時々出る癖である、
声を張るときのノイズが今回もあって、こう言う
「実はナントカ」的な台詞が聞こえないと、驚きようが
ないお芝居は、義太夫の気持ちよさだけで先に進んで
しまい、勿体ないと言うか、悔しいと言うか。
夜も「女殺」の母親役でご出演の梅花さんが、昼も
こちらで大活躍でした

それにしても、よく一幕で上演される作品の割に
人間関係が複雑すぎ(笑)
前述の通り、「義賢最期」から、全体にもう少し
「声よし」(の大人の)役者さんたちで拝見したい(願望)


夜の部
「女暫」
「十八番」の「暫」のアレンジ版のこれが比較的良く
出るのは、女形さまたちからのご要望かも知れません
七之助くんの、女形としては圧のある「男前」な声が
こう言う役に合うことは、「ナウシカ」のクシャナ、
「マハーバーラタ」(初演)の鶴妖朶などで証明済みで、
めったやたらに格好よかったですが、声に対して
顔が意外にやわらかめな仕上がりで、衣装も鬘も
ゴツいので、もう少しキリリ系に仕上げても全然
違和感なかった気がします
幕切れの舞台番(幸四郎さん)とのやりとりは、楽しい一幕
そう言えば、腹出しメンバーに歌昇さんが入っている
配役だったのですが、扮装が扮装なのと、腹出し
メンバーみんなの迫力がすごすぎて、最後まで見分け
つかず(笑)

また、善人方に奇しくも、昼の部の「実盛」に登場した
ばかりの、駒王丸(義仲)、手塚太郎がこちらにもで
太郎は勘太郎くん、そして前髪に紫の上下で凛々
しい駒王丸役は、なんと、芝のぶさんで、更に勝手に
盛り上がりました!
とは言え、こんなメインで出ていて、配役入りチラシに
名前出ていないこの現状、本当にナントカならない
ものか、松竹さま!
結局、読売演劇大賞の「選考委員員特別賞」を受賞する
ほどの大活躍だった「マハーバーラタ」(再演)のキー
パーソン・鶴妖朶役ですら、ご出演を劇場に行って
知りましたし、「木挽町の仇討ち」も主人公・菊之助の
母親役だったと後から知り、体調悪くて見逃したのを
倍後悔しました。
そろそろ成駒屋さん内でなんとかして欲しい です
(強い要望)

「女殺油地獄」
幸四郎さん与兵衛&新悟さんお吉、隼人くん&米吉くんの
ABの2プログラム
幸四郎さんは何度目かで、隼人くんは初役
幸四郎さんがこのタイプの手に負えないヤツをなさると、
「朧の森~」のライの時も思いましたが、迷いなく
悪い方に突き進む感じがし、新悟くんお吉は完全な
「もらい事故」案件
「朧の森~」シネマ歌舞伎見たばかりなだけに、
ライとシキブ味も(笑)
一方、隼人くんの与兵衛は明らかに年齢と立場に
対して社会経験の圧倒的な不足が原因。
周りが(この場合は、義理の父親の遠慮が原因)甘やかし、
本人にきちんとした決断や責任を取らせないで育てた
ツケが、依存して楽をしよう、思い通りにならない
事は回避しよう、自分が言えば何とかなる、と言う
ところに出た、と思わせる感じ
長い手足すらもて余すように見えて、ご近所の小さい
頃から見知った間柄として、お吉がついお世話して
しまうのも無理ない(嘆)
歌六さんが、弱い義父・徳兵衛、梅花さんが強気な
お母さんの対比、そして二人揃ってお吉に、与兵衛の
金の無心を聞いてやってくれ、と頼む我慢できなさに
「あ~これがまた」と思わせる上手さ。
油屋の場は、若いメンバーだけなので、ある意味
見ていて安心(笑)
しかし、お金を渡すと言っても「金額足んない」で
殺されるのでは、お吉さんには理不尽この上ない
話で、米吉くんにはちょっと背伸びした役のように
感じましたが、隙につけ込まれた感じに、若さが
出たような印象でした。

因みに芝居は大抵が与兵衛が油屋から逃げ出すところで
終わりますが、この後、与兵衛がしれっと、お吉の
法要に現れたところでお縄になると言う結末だとか。
与兵衛のどこまでも甘い脇まで描き切る、上方芝居の
リアリティ、一度良いから舞台で見てみたいものです。

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