« 2026年4月 | トップページ | 2026年6月 »

2026.05.30

シェイクスピア強化月間(笑)その2「ハムレット」を観る

Hamlet1HamletNissei

日生劇場
デヴィット・ルヴォーさん演出で、「ハムレット」を
染五郎くん、オフィーリアを當間あみさんと言う
情報だけで、チケット購入していて、あとの配役は
全部当日知りました(笑)

開演前だけ撮影許可が出ていたので、舞台上のスク
リーン(始まってから可動式と判明)にモノクロームの
波の映像が流されていたのを撮影しましたが、何しろ
日生劇場。
個人的にはベストポジションと思っている2階後方
席からだと、天井や壁の唯一無二の独特の曲線と
ラインが照明に当たって構成されるキラキラな輝きが、
舞台映像の無機質な色の対比で格段にお洒落でした

それにしても初のストプレに「ハムレット」を選び、
これだけのセリフを滑舌だけでなく、きちんと届け
きる染五郎くん、すごすぎる。
先年、千之助くんが「ハムレット」をなさった時も
思いましたが、歌舞伎役者が、叩き込まれ、子ども
時代から舞台で鍛えられまくった、セリフ術をはじめと
するさまざまな演劇技術と、それを普遍化するポテン
シャルは凄まじいの一言。
とにかくあの沙翁の罰ゲームみたいなセリフを覚えて
いるだけでなく、表現し、伝える能力、更に今回の
染五郎くんで言うと、特に踊りから来ているのだと
思いますが、手の表現が綺麗
顔が小さいのかも知れませんが(笑)、手が大きくて
指先までの美しさが際立ちました 。
通例、ハムレットは、燃え尽きるばかり、声が枯れん
ばかりになるか、眉間に皺の、哲学者のように悩み
どうみても行動力欠如、のパターンが多いですが、
染五郎くんのは、独白も、更に俯瞰して物語るような
客観性、冷静さが感じられ、独特でした

クローディアスの石黒さんは、初めて舞台を拝見
しましたが、明らかに「政治家」な一方、ガードルード
には骨抜きと言うのが唯一の弱点なのが判りやすい(笑)
ガードルードは元宝塚の柚光香さん
「イケメン(個人の感想です)パパを捨てて、こんな醜い
(個人の感想です)クローディアスに走るなんて安易な
選択をしやがってっ!」
とハムレットにボコボコに責められるので、意思の
弱い女性として描かれがちですが、柚光さんのガード
ルードは、
「じゃあどうすればよかったのよ!」
と逆ギレする
(ちゃんと台詞にあるんですけどね笑)
しかし考えてみれば、クローディアスがいつから
ガードルードを狙っていたのか(笑)
恐らくはガードルードの実家にも、デンマーク国の
統治に関わる政治的パワーか財産があってのこと
とも思え、また、ガードルードにしても、クロー
ディアスと再婚しなければ、ただの前国王妃、として
宮廷内のパワーを失う。
それを考えると、クローディアスとの再婚にはそれなりに
メリットがあっただろうし、彼女が王妃なら、その
次を、愛する息子ハムレットに受け継ぎやすいと言う、
彼女なりの愛情があったかも
となれば、息子の「言い種」を聞けば、それはないでしょ
と逆ギレするのも意外に納得。
そしてパンフレットのインタビューにありましたが、
最後の最後、毒入りの杯を煽ってしまってからながら
漸くクローディアスの発言に「NO」を言うのをみれば、
彼女なりに息子を愛してたんでしょうね

また、この芝居、台詞量からしてハムレットが一番
多く、ほぼ全ての登場人物と会話するし、どうしても
ハムレットだけ芝居になりがちですが(ただし、鋼太郎
さんがクローディアスをやった時だけは、クロー
ディアスの芝居になってた事はあるけど(笑))、今回は
ルヴォーさんの演出の賜物でしょう、ハムレット&
ホレイシオ、ロズ&ギル、クローディアス&ガードルード、
ポローニアス&レアティーズ&オフィーリア、と言った、
親子、友達、夫婦、と言った関係性が丁寧に描かれて
いたのも印象的でした
ただし、ハムレット親子3人のインパクトが強過ぎて(笑)
普通の上演ならもう少しクローズアップされる、
ロズギル、オズリックなどの「個性派脇役」の影が
若干薄かったかも
特に、三谷さん組のマルチプレイヤー、梶原善さんの
ポローニアス。
こずるさとか、言っている事を100%信じにくいが
世渡りが上手いみたいなキャラクターが似合うか方と
思っていますが、親子3人の存在感に負けて影が薄く、
またポローニアスは、笑いも含めてストーリー的に
重要なセリフをいくつも吐くのに、あまり良く聞こえず
残念でした。
當間さんは、翻弄されるか弱きヒロインにぴったり。
初舞台だそうですが、通る質の声は舞台に向いていそう

現・幸四郎さんも染五郎時代、かなり若い頃に「ハム
レット」を演じておられますが、何より高麗屋さんの
家系で翻訳物舞台、と言えば、やはり染五郎さんの
祖父、現・白鸚さん
ミュージカル「ラ・マンチャの男」は数回やりました、
レベルでなく、「勧進帳」と並んで長く持ち役にされ、
ブロードウェイ公演もされていて、歌舞伎(松竹)と
ミュージカル(東宝)、いわば演劇界の二刀流の大先達。
最近の染五郎くんの声や、化粧の顔を見ると、パパ
幸四郎さんと言うより明らかに白鸚さん似ですし、
幸四郎パパはどちらかと言うと、新感線など、ネオ
時代劇に血が騒ぐタイプのようなので、ひょっとすると、
今後二刀流の血は染五郎くんに行くのかも

そんな染五郎くんにはぜひ、いつか、「リチャード2世」を
演じて欲しい
「2」は、シェイクスピアにしては珍しく、全て韻文で
書かれていて、悲惨な物語なのに、セリフは美麗。
歌舞伎の義太夫ものと共通点のありそう。
死までひたすらbadチョイスを繰り返し、じわじわと
落ち目になり、最終的には王冠を失い、命を落とす
ダメダメなのに、「落ちて行く私よ」みたいセリフで
自分を微妙に他人事のように語るのをぜひ染五郎くんで
見たい(笑)

ともあれ、新しいハムレット役者を見出した素敵な
舞台でしたし、ルヴォーさん、衰え知らず、恐るべし
でした。

| | コメント (0)

2026.05.27

「風、薫る」先週から「復帰」(笑)

Kaze

序盤、Wヒロインのそれぞれエピソードを拾うために
話が散漫で、テンポが悪いしで、一度週間ダイジェスト
だけ流し見してましたが、ここにきて藤原季節くんに、
看護のバーンズ先生(昔、映画版「ハゲタカ」で鷲津
ファンドの秘書役されてた方!)、そして谷田歩さんと
気になる役者さんがご出演になり、また、看護学校に
入って、少しずつ話がまとまってきたので戻って?
きました

先週は何より、仲間由紀恵さん演じる千佳子さんが
メインでしたが、1つ大笑いしたのは、夫が見舞い
(機嫌取り?)に持ってきたのがカステラだった事。

NHKドラマで、仲間さんにカステラ、と言えば、
ドラマ「大奥」ファンには、ピンとくるはずの、あれ、
です(笑)

脚本の指定か、現場の演出か分かりませんが、病院に
そんな物騒な物を持ち込むなんて!(笑)
誰が気がつかなくても、仲間さんご自身は流石に
気がつかれたはず

確信犯ならこの朝ドラ、パンチ効きすぎです(笑)

| | コメント (0)

2026.05.26

シェイクスピア強化月間(笑)(1)彩の国さいたまシェイクスピアシリーズver,2「リア王」を観る

Cid317d44be3c424273a223d28fc54ea67eRose3Cid1de82d2cbe05456494196113863ccb1fCid0cb87865723e4375b32f9e5b343d836d

今月は、首都圏でシェイクスピア祭
しかも、さいたまで「リア」、日生劇場で「ハムレット」、
PARCO劇場で「リチャ3」と、どれも上演頻度の高い
作品ばかり。
勿論?コンプリートしてきました(笑)

まずは、さいたまで、鋼太郎さんの「リア」。
「リア」自体もここ最近、首都圏では「祭」状態で、
PARCOで段田さん、横浜で木場さん、新宿Milano-zaで
大竹さん。
そろそろ鋼太郎さんもやるだろうな、とは思っていた
ので、満を持して大トリの登場、と言う感じでしょうか。
(夏には芝翫さん、秋には内野さんもなさる予定)

ただ、鋼太郎さんが芸術監督になってからの鋼太郎
さん演出版「さい芸シェイクスピア」シリーズは、
個人的には「ヘンリー五世」と、「ヘンリー八世」以外は
蜷川さん版の時のようにリピートする気になれない
作品(演出)が続いています

「~五世」については、生前、蜷川さんが演出された
「~四世」の続編的位置付けだったこともあり、鋼太郎
さんにも御大への遠慮?があったのか、蜷川さん
カラーが強かったですし、「ヘンリー八世」は、完全な
台詞による政治椅子取りゲームで、阿部さん演じる
ヘンリーを取り巻く、強面オヤジたちの権謀術数の
罵りあいが面白かったのは、ひょっとすると、その
内容から、鋼太郎さんお得意の叫び、剣を振り回し
走り回る劇画的演出に持ち込めなかった?怪我の功名?(笑)

しかし、それ以外は、鋼太郎さんご自身の劇団(演出)版
から傾向で、比較的テキレジ多め、ご自身が役者さんな
だけに「役者が乗れるシーンはモリモリ」演出。
勿論、蜷川さんも巨大血糊を落とす、とか、巨大福助
登場させるとか(笑)「開始3分で観客を引き込む」
目論見で、インパクト大な演出でしたが、鋼太郎さん
版は、演技過剰演出で、私の好みとかなりずれて
いました
何より、シェイクスピア役者・鋼太郎さんを見たい
観客としては、演出を兼ねるために、肝心の「役者」
鋼太郎さんへの「演技指導」が後回しになっている感じで、
鋼太郎さんの良さが最大限まで引き出されていない、
詰めの甘さや妥協がある気がしてましたので、今回も
演目発表時は、ご自身演出だと、2幕までこちらが
持たず途中退散か、と不安だったのですが、幸い?
今回は演出を長塚さんに託して、役者に専念されると
知り、ちょっと安心(期待)して伺い、結論から言えば、
期待通りの「シェイクスピア役者・吉田鋼太郎」を堪能
させて頂きました

5月の与野本町駅前は、バラが楽しみです。
シリーズの「ヘンリー6世」で、白薔薇(派)赤薔薇
(派)の対立が物語に登場するので、シェイクスピアを
上演する劇場のある駅にぴったり。
今年は丁度満開のタイミングでした

観劇日は、ちょうど蜷川さん10年目の命日。
もう10年、とは本当に早いものです

奥行きが特徴の舞台には書割もなく、プレイエリア
には土俵状に丸く土が盛られただけ。
途中、椅子やあばら家など最小限のアイテム以外は
なく、装置の助けがない分、役者のチカラが引き立つ
舞台でした

家庭内介護が社会問題として顕在化した令和の今と
なっては、ゴネリル&リーガンは意地悪姉妹、コー
ディリアがシンデレラ的な不幸な立ち位置、と言う
単純な構図ではない事が、400年経って改めて証明
された感じ。
確かに二人とも父親に対して冷酷だし、寒い野外に
放置するとか酷いとは思いますが、 おそらく姉妹は
これまでも、散々ワンマンなパパ社長のワガママに
随分我慢してきたはず。
しかし相続となれば話は別。
これまでの我慢が少しは報われるならまだしも、
リアパパ、
「本当ならコーディリアに全部相続させたいな~」な
本音をうっかり漏らしてしまい、流石にお姉様たちが
カチン、と来ても無理はない。
しかも、それぞれに家庭と統べる領地かある訳で、
いくら親が
「財産分与し(てやっ)たんだから」
と恩を売ってきたからと言って、
「今後は1ヶ月交替でそっち持ちで世話になるから。
あ、部下100人も連れていくから、よろ」
とか言われても、どうぞどうぞ、とは、流石に虫が良すぎ。
お姉ちゃんたちに物凄く同感してしまいました

更に彼女たちの逞しいのは、パパが駄目ならそれぞれの
夫、その夫も当てにならないと見限るとエドマンド、と
金と権力の匂いに非常に敏感なところで、次々と
サバイバルのためのフックを掛け替えますが、結局、
策士策に溺れ、相討ちと言うのは皮肉。
また、三姉妹それぞれの夫、エドマンドとエドガーの
兄弟、そして、エドマンドとエドガーの父親である
グロスター伯と、ケント伯と言う、リアの側近2人と
対比する何組かの人物たちが、みな等しく生き生きと
存在し、自身の思惑や決断、あるいは成行きで、
ラストに行きつくゴールが、まるでアミダくじの
ように分岐し、絡み合い、気がつけば果てしなく
離ればなれになってしまっている、人生ゲームの
ような群像劇であることが今回の発見でした

まあ「おいしい役」である筈のケント伯の山内さんの、
雰囲気はともかく、セリフお化け(鋼太郎さん、山西
さん、藤原くん)に囲まれると、どうしても声がくぐもり
セリフが聞き取りにくかったのは惜しまれましたし、
逆に、藤原くんのエドガーは、主人公レベルの力の
入りぶりで(笑)、役柄として難しいとは言え、もう
少しチカラを抜いて良かった気がする主役芝居。
リーガンの松岡さんは、先般「欲望~」でも篠井さん
演じる姉ブランチに振り回され、複雑な感情で関わる
妹ステラを魅力的に演じられましたが、今回も姉
ゴネリルとの共闘から、エドマンドを巡る対立など、
じわじわと見せる存在感が素敵でした。
身を偽ってリアを守護に徹するケント伯に対して、
息子の真意を見抜けず、不幸にズルズルと引き込まれる
グロスター伯は、子どもの真意を見抜けないお言う点
で、リアとの合わせ鏡ですが、新国立での「エンジェルス・
イン・アメリカ」でのロイ・コーン役が今でも印象的な
山西惇さんが、とにかく声が素晴らしく、賢臣ですら
身内に呆気なく足を掬われる、ままならなさが、
絶望的に素敵でした

そして、鋼太郎さんのリア
まさに正攻法のリアで、こう言う鋼太郎さんを見たかった!
THANK YOU、長塚さん!でした
叫ぶし、無茶苦茶に動き回るけど、勢いのままありったけ、
にならずに、叫ぶにも走り回るにもそれだけの理由や
動機が明確に見えたのが素晴らしかったです
長塚さんは自作品の演出もなさいますが、建て替え
前のPARCOでの、大竹さんと白石さんと言う二大
怪獣女優(誉めてます)ががっつり組んだ「ビューティー・
クイーン・オブ・リナーン」 とか、個人的には翻訳
戯曲の演出の名手、だと思っていて、今回も期待通り、
鋼太郎さんと言うモンスターをリミット一杯振り
切らせながら、国と言うマクロの視野と、家族と言う
ミクロの視点が見事にバランスよく両立された、
現代的な「リア」でした

次回は、11月「間違いの喜劇」
とにかく蜷川さん演出の小栗くん版と、萬斎さん出・
演出の「まちがいの狂言」が素晴らしすぎたので、
余り期待せずにおきます

| | コメント (0)

2026.05.23

大阪松竹座「御名残五月大歌舞伎」を観る

Cid203b518754b64d248851d2511ef99277Cidcd41c05e0457409f88df4774795208fcCidaebb89ebd74a41bc9fcf82dde11db59a

現座最終公演
勿論、再開場を信じていますが、手を出すまい、と
思っていたのに、うかうか「閉店商法」に乗って(笑)、
緞帳柄手拭いと、席番プレート(勿論、レプリカ)を
買ってしまいました(汗) 
また、4月の舞台写真もあったので購入しましたが、
同じ松竹経営なのに、歌舞伎座と違って、筋書共々、
現金オンリーなのが、今や不便。
(因みに総合受付一部レジだけ、クレジット、バー
コード決済対応)
そもそも、東京では「筋書」「舞台写真」なのが、大阪に
来ると「番付」「プロマイド」と言い方が違うのも興味
深いところです

昼の部は「壽式三番叟」「源平布引滝~義賢最期」、
夜の部は「盛綱陣屋」を拝見

昼の部「壽式三番叟」
能狂言を歌舞伎が「松羽目もの」として取り入れた演目、
とりわけ「翁」(千歳、三番叟付き)や単独の「三番叟」は、
元の形式を、能楽堂や萬斎さん公演でかなりの頻度で
拝見し、そちらが完全にスタンダードで染み込んで
しまっているからか、歌舞伎版を見ると、どうしても
抑制のなさ、厳かさを犠牲にしての派手さ、賑やかさが
何ともムズムズして、回避しているのですが、今回は
お名残だし、と珍しく拝見
しかし結局、端々までオリジナルとの違いばかりが
気になってしまいました。
千歳が女形なのは、まだしも、一番びっくりしたのが、
千歳が翁面の入った面箱を恭しく持参したので
、当然、
翁がかけて舞うもの、と思っていたら、結局
箱は
運ばれただけで、後見が下げて終了。
よく考えれば、歌舞伎役者さんが能面をかけて舞う
のはなさそうな事
であれば寧ろ、面箱出す必要あるかな?とか、更に
邪念出まくりで、やはり松羽目ものは回避、が私には
正解かも(冷汗)

「義賢最期」
孝夫時代の仁左衛門さんが復活された、ラストの
「戸板倒し」や「仏倒れ」などのアクロバティックな
幕切れの演出で、松嶋屋さんの代表的演目になった
「義賢」。
いまは直伝で愛之助さんで演じられますが、何度
見ても、見る方は一度でさえヒヤヒヤハラハラして
いるのに、一ヶ月間やり続ける役者さんの技術と言うか、
フィジカルと言うか、メンタルと言うか、ひたすら
尊敬しかありません。
とりわけ、花形役者を上に乗せて、最後の最後に戸板
から手を離す、捕り手役の方の責任感は大変そうですし、
義賢役者さんとの息が見事過ぎです。
ラストだけでも凄い、とワクワクする訳ですが、
この物語、実は周囲の登場人物の活躍も見逃せません。
と言うのも、歌舞伎座で上演中の「菊畑」が、平家の
追及をおそれて周囲を欺き続ける常盤御前の夫・
一條大蔵長成の「活躍」を描く、「一條大蔵譚」の
前段である事が、意外に知られていないのと同様に、
「義賢~」も「九郎助住家」で有名な「実盛物語」の前段に
あたる物語で、それを踏まえると面白さが倍増する
気がしています
「義賢~」で瀕死の義賢を励ますのが小万、義賢は
その小万に死守した白旗を託し、小万の父、九郎助が
義賢の奥方、葵御前を背負って逃げる。
「実盛物語」は、その九郎助の家で展開しますが、
義賢に託された白旗を死守した小万は、途中で腕を
切り落とされる(切った人物はのち判明する)、
その腕だけを先に九郎助が偶然回収し、さらに運び
込まれた瀕死の本人に添えられると一時的に小万が
甦る、と、まあ書くと奇想天外ホラー展開すぎですが(笑)、
話として矛盾なく繋がっているので、時には是非とも
続けて上演してもらいたいです

因みに、この「実盛物語」、平家方として葵御前の
(=義賢)子の確保に来たはずの実盛が、意外な行動に
出るのが眼目ですが、このエピソードが取り入れられ
たのが、清水邦夫さんの戯曲「わが魂は輝く水なり」。
清水さんの「盟友」蜷川さん演出で、萬斎さんが実盛を
演じてコクーンで上演された舞台には、菊之助時代の
(八)菊五郎さんが実盛の息子役で、また、亀三郎
時代の彦三郎さんの貴重な現代作家作品出演作でも
あることは、更に壮大な蛇足(笑)ですが、しかし、
これもまた、見てみたい作品です

「盛綱陣屋」
歌舞伎の時代ものには、「陣屋」とつくもの、身代わり
首の検分(首実検)が眼目のもの、兄弟で敵味方に
なるもの、そして源平が絡む物語が多いために「盛」が
つく登場人物が出てくるもの、がそれぞれ複数あり
ますが、「盛綱~」はなんと全部入り(笑)
盛綱は兄の高綱と敵味方で、子ども同士(従兄弟)も
戦い、高綱の子は、盛綱の人質。
高綱の首が運び込まれてきて、盛綱が検分することに
なる、果たして?
「先代萩」や「袖萩祭文」と並んで、できる子役が複数
いないとできないお芝居で、今回は種太郎くん&秀乃介
くんと言う、現時点最強(個人の感想)子役兄弟が登板
このお二人、最近では勘九郎さんがなさった
「一谷
嫩軍記~組打」の「遠見熊谷」と「遠見敦盛」役での、
種太郎くんの完璧な歌昇パパミニチュアぶりが印象的
で、これは歌昇くん熊谷も見たい、と逆向きに思い
ましたが(笑)今回もお二人絶対的安定

仁左衛門さんの実盛の目鼻は勿論、眉1つわずかな
口元にも意味があり、本当に素敵でしたし、隼人くんが
やはりイケメンで(笑)
壱太郎くん、娘役より、この手の、文楽で言えば
「老女形」役の方が、かつらなのか化粧なのか分かり
ませんが違和感がない気がしました

次の大阪での歌舞伎は「新歌舞伎座」と発表されました
歌舞伎座、と言いながら、歌舞伎を拝見したことのない
劇場
上本町に移転してから入った事もないので、どう
なりますか

| | コメント (0)

2026.05.21

映画「黒牢城」に、新悟くん!

カンヌ絡みで予告編を見ましたが、いま「豊臣兄弟!」で
竹中半兵衛を演じている菅田さんが、こちらでは黒田
官兵衛なんですね
「女城主直虎」の時は、若さ炸裂の井伊直政だった
菅田くんが、わずかの期間を経て、秀吉の二大知恵者
(軍師)を演じるようになるとは、何だか感慨深い

何より、予告編で一番びっくりしたのが、最後にチラリと
映った、神経質そうな面長の特徴ある髭の「殿様」
これって、と思った通りで、先日「銀河の一票」で彌十郎
パパ演じる鷹臣の若い頃役でチラっと登場したばかりの
新悟くんが、なんと信長役で、カンヌデビューとは!

元々、見る気でいた映画でしたが、楽しみが増えました

| | コメント (0)

2026.05.19

坂東新悟くんが、民放連ドラにサラッとご出演

今クール唯一見続けている、連ドラ「銀河の一票」に、
昨日回、突然、新悟くんが登場しびっくり

昨日回は1シーンだけでしたが、回想シーンで、黒木華
さん演じる茉莉の父親、彌十郎さんが演じている
星野鷹臣の若い頃。
地味な背広で街頭演説だけでしたが、長身で背広も
似合う今どきなイケメンさんで、格好良かったです

新悟くんのドラマ出演は、NHKの「大奥」もありましたが、
あのときは時代劇でしたが、今回は現代劇
歌舞伎では真女形で、4月のこんぴらでは「鷺娘」も
なさっているのに、「大奥」でもそうでしたが、今回も
映像になると女形の気配が一切しないのがらなかなか
です
再登場があるか分かりませんが、サプライズでした

そう言えば、朝ドラ「風、薫る」には今日から、仲間さん
演じる千佳子の夫役で谷田歩さんがご登場。
仲間さんは、以前の朝ドラ「花子とアン」でもお嬢様の
役で、この時は無作法な成金紳士・加納と不幸な
結婚をしたのち、別の男性と駆け落ちする役でしたが、
この時の加納を演じたのが、鋼太郎さん
仲間さんはAUNメンバーとご縁があるのかも(笑)
こちらも再登場があるかどうか期待です

| | コメント (0)

2026.05.14

歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」を見る

Cid3620b067ddae44538510b82f12cf97eeCid324205435443406fab9db317ea8120d3Cid98173ccfc84c4b4b8e79a4049cdf5a19Cid85559486cc2e4528934814e8fb6a80b2

今年の團菊祭は、左近くんの辰之助襲名披露興行
でもあり、華やかな演目づくしです

昼の部
「六歌仙容彩」
(八)菊五郎さんが、五人の歌仙を早替わりでつとめる
趣向の舞踊。
個人的には舞踊は回避がデフォルトですが、時蔵さんが
小町ならばと拝見
結局「綺麗」しか出ない語彙不足の感想しかありませんが、
「草子洗」とか、能の「小町もの」から採り入れても、
歌舞伎になるとここまで華やかになるか、と、歌舞伎の
「イメージの具現化度」の高さに改めて感心していました

「壽曽我対面」
(七)菊五郎さんの祐経の声のよさは相変わらずですが、
体調配慮されたからか、すでに高座に座った状態から。
襲名披露演目の割に、登場人物は最小限ですが、
大磯の虎(雀右衛門さん)、化粧坂少将(新悟さん)に加えて、
黄瀬川亀鶴(右近さん)がいて、更に朝比奈を出さずに
舞鶴(萬壽さん)、と女性陣が多め
と言うか、幕開き演目で「芳流閣」で八犬伝やっていた
右近くんが、女形で出ていて、更にびっくり。
女形とのダブル、兼ねる役者をめざす、と言う新辰之助
くんへの暗黙のエールかも知れません
(深読みしすぎ?) 
新辰之助くんは最近、女形での伸び代に注目
して
ばかりいたので、寧ろ、「あ、五郎なのね(十郎でなく)」な
感じがしていましたし、桜丸や虎蔵ならともかく、
三宝を握りつぶす五郎のような体育会系立役となると
体格のためか、声にもう少しパワーが必要かも。
襲名口上は(七)菊五郎さん、(八)菊五郎さん、雀右衛門
さん、萬壽さん、團十郎さん、松緑さん、本人の順
でした
成田屋さんの挨拶で気がつきましたが、「令和の三之助」は
かなり年齢差が出ましたね
(菊新は同世代ですが、新辰之助さんだけ歳が離れた)

「鬼一方眼三略巻~菊畑」
吉右衛門さんご存命の頃には割と拝見してた気が
しますが、今回ちょっとお久し振り
実際、ここだけ見ても何のことやら、ですが、この後に
来るのが、「菊畑」には登場しない次男の鬼次郎が
常磐御前の真意を確認するために現在の嫁ぎ先の
一條大蔵卿の屋敷に妻のお京と入り込んで活躍する
「一條大蔵譚」
虎蔵実は牛若丸で、その牛若丸に鞍馬山で剣術を
指南したのが実は鬼一だったとかあり、その後に
「五条橋」が来ると言う、いわば「ビキニングオブ義経」
物語。
特に「菊畑」は舞台面が美しいので、襲名披露には
向いています。
それにしても、虎蔵くん、あんなに可愛い皆鶴姫の
口説きに、そんなはっきり迷惑そうに首ふらなくても
ねぇ(笑)
年上は嫌いなのか(笑)
彦三郎さんの鬼一は、知恵内の中の人との生まれ順を
考えれば、かなり無理がありますが、(中の人の)
ご実弟の亀蔵さんとのWイケボは耳福この上なし

襲名口上は、松緑さん、彦三郎さん、新辰之助さん、
時蔵さん、亀蔵さん
亀蔵さんが「新辰之助さんに初めて会ったのは、産まれた
日(に松緑さんに従いて行って)」と言い、時蔵さんが
「叱られて廊下の隅でしくしくしていた新辰之助さんが
すっかり大きくなって」と言い、松緑パパに「言わなく
てもいいことを」と愚痴る流れでした
それにしても彦三郎さんは勿論、時蔵さん年代が
口上挨拶なさるようになってこられたのも、ななか
感慨深い事です

團菊揃い踏みの「助六」は時間の関係で(なんせ長い)未見
時間ができれば平日に幕見予定
そう言えば、祝幕はちょっとやんちゃな青い辰。
講談の松鯉さんが誂主とのこと
確かに私は背景していませんが、最近、松緑さんは
講談原作の演目を積極的に公演にかけておられる
ので、その繋がりかもしれません

| | コメント (0)

2026.05.11

府中市美術館「春の江戸絵画まつり~長沢蘆雪展」(後期)を見る

Ciddbbb3c46699a41ff806c0a9935e5cb03Cid64ebe3dfa24a43c8ade577e761842c7e

前期は平日午後で、チケット売場、グッズ売場とも
入場制限する混雑、チラシ品切れと予想を上回る
人気で、後期はタイミングをしっかり見極めないと、
と色々考えて、連休の合間の平日の昼前に伺いました
まあ、2度目はチケット半額(笑)と、美術館自体が太っ腹
と言うか、リピート推進してますから混むのも無理ない
更に今回は、チラシもない上に、展示一覧(紙)まで
なくなって、QRをダウンロードする形になっていました
(前期にもらったのを持参して良かった。因みに、
府中では入手出来なかったチラシは、後日、横浜
美術館のロビーで「確保」)

後期もあらゆるカワイイが炸裂
と言うか、あまりのもふもふ人気からか、前期のみ
展示予定だったワンコ図(狗子図)を含む何点かが
通期展示になってました
後期はとりわけ、しっぽくるくる、前足もふもふの、
怖くない虎ちゃんをはじめとした、和歌山・無量寺
さんの動物コレクションを中心に、蘆雪先生の動物愛が
再びここかしこに炸裂
釣糸のようにびよ~んと伸びた蔓の先に開く朝顔の花を、
「萎む前に咲いてるの見られて良かったね~」と
見上げるカエルくんたち、文化庁所蔵で、豪華な
装丁の「花鳥遊魚図巻」は、横座りのぐたっな子、
どさくさに紛れつつカメラ目線のちゃっかりさん、
など、もちゃもちゃな蘆雪のワンコのオンパレード
前期は余りの混雑でしっかり見られなかった、人間に
どうやら闘犬のために首根っこ捕まれるも、あくまで
「嫌だぁ~」と足を真っ直ぐ突っ張って抵抗する「引き
ずられワンコ」や、その後ろから「ボクも行くボクも
行く」と何も知らない仔犬が三匹わちゃわちゃしながら
追いかける(「唐子遊図襖」)、開く度に「目があっちゃい
ましたね~」となる、目線の雀一羽もなかなかですが
(「雀図扇面」)、なにが蘆雪先生を引き付けたのか謎な、
蛞蝓(なめくじ)くん&蛞蝓くんの足?跡だけの扇面とか
(なめくじ図扇面)などは、最早、不思議すぎる蘆雪
先生の美意識アンテナ

また、蘆雪先生は、禅僧・豊干さんと寒山十得と虎の
「四睡図」をいくつも描かれてますが、よほどのんびり
ゆるゆるな虎ちゃんを描きたかったのか、中には
拾得抜きの寒山一人が、カーペット化したグダグタ
虎ちゃんに覆い被さるのやら(人間2人描くのが
面倒だった?)、或いは崖と豊干さんの細〜い隙間に
無理矢理入り込む虎くん(さすがネコ科)、挙げ句には、
余程眠いと豊干さんに直訴したのか、寒山拾得二人に
寄りそう豊干さんの背中に、なんと虎ちゃんの方が
凭れて寝ているのまでいましたが、その虎ちゃんの
寝顔の可愛い事(笑)

一方で、定番デザイン・龍虎図では、天界でパワー
炸裂させる龍に「迷惑なんだよ」と顔をしかめたような
目付きのものや(「龍虎図」)、身体中の毛を逆立てて
「フキゲンなんです!」みたいなのも(「酔虎図」)あり、
これら全部タイガースのTシャツの柄にどうかなと
思いながら見てました(つい)

ずるずる、のたのた、もたもた、もにょもにょ、と
言ったオノマトペがたくさん似合う、とにかく多幸感に
あふれた展覧会でした

| | コメント (0)

「没後110年日本画の革命児、今村紫紅展」を見る

Cide29d630eb28748688439ca7e517d8eb5Cidad22c6e17c164be38063814a88e802b8Cid321f2735c5674e64bac71198e70ef4a2Cid3f64819ff7804f0c88c0c6a16f052108Cid7e732cef457d4fe9806ddfbde73fc69aCid755c516029ea41a4b824d7ddc59a1841

横浜美術館
今村紫紅は、同時期の日本画家の中では、横山大観、
上村松園などと比べると、世間的知名度はちょっと
低いかも知れませんか、個人的にはかなり思い入れが
ある画家で、今回、久し振りの回顧展が開かれると
聞いて、オーディオガイド付き前売りも買い、会期
早々に勇んで伺いました

明治大正期の日本画作品は、その殆どは、まだ兜町の
本社ビルの上層階にあった頃の山種美術館で接し
知ったものばかり
この時代の作家の中では、横山大観は頭ひとつ抜けて
有名ですが、他にも安田靫彦は緻密で神経の行き
届いた歴史画、菱田春草は独特の朦朧体で、速水御舟は
明確なタッチと鮮やかな色味で、他にも下村観山、
上村松園、竹内栖鳳、奥村土牛、小林古径と芋づる
式に知り、たくさんの代表作を拝見させて頂きましたが
紫紅もその中の一人

兜町時代の山種美術館は、床にふかふかのカーペット、
ビル内にも拘わらず、中に専用階段があって、更に
上の階(8階)は、また違う雰囲気で楽しめましたし、
階段の壁にも由緒ありげな作品が何気なくかざられて
いて、まさに山種さんのサロンに招いて頂いて、
ゆったりした雰囲気で、鑑賞と言うより楽しめて、
結果的に近代日本画の流れは、殆どをここで実物を
見ながら学んだようなものでした
ただ、山種美術館自体が以降に移転×2を経て、今の
広尾に落ち着いてからは、展示の頻度やコンセプトも
随分変わり(美術品保護や消防法とかもきっと変わって、
昔のような展示ができなくなったとか、そう言う事情も
ありそうですが)、どっぷりと一人の作家の作品を
見せる、と言うのも減りましたし、何より、建物も
展示会場も何となくクールで取っつきにくく、余り
足を運ばなくなってはいます。

その兜町時代の展覧会の中でも、今でもはっきり
覚えているのが、この今村紫紅。
確か三ヶ月に分けての大回顧展があり、毎月通っては
一ヶ月ずつ、栞サイズの月替わりで柄の違う紙の
チケット半券を楽しみに頂いたものです。

他の日本画家たちが、比較的オーソドックスで正統派な
技法で、歴史画や花鳥風月をテーマにしていたのに
対して、紫紅はキャリアの前半(といっても36年で
亡くなる)はともかく、南画と琳派を採り入れた後半の
画風は、「近江八景」、そして「熱国の巻」に結実した
そのポップさと明るさが独特で、強く印象に残って
いましたが、長らく回顧展もないな、と思っていたら、
今回のが、まさにその兜町時代の山種以来、だそうで
全く滝汗ものです

ちなみに今回、なぜ横浜美術館で紫紅展かな?、と
思っていたら、紫紅自身が神奈川(馬車道辺)の生まれで、
かつ彼の最大の理解者であり支援者が、横浜「三渓園」
でも有名な、生糸で財をなした実業家でありコレクターの
原三渓だったからで、二重に横浜に縁がある方でした

展覧会は、紫紅の残した言葉をキーワードにして、
初期から早すぎる晩年までを丁寧な解説文を添えて
あり、向井理さんのオーディオガイドもお供に、
久し振りにどっぷりと紫紅ワールドに浸からせて
頂きました

最大のお目当てであった「熱国の巻」は今回、上巻の
「朝」がど~ん!
平日とは言え、集大成であり代表作で、絵巻だけに、
前の人が進まないと見れないとなぁと心配してましたが、
意外にあっさり拝見できて寧ろ拍子抜け(笑)でしたが、
本当にお久し振りの「対面」でした

まあ、一般的な同時期の日本画との乖離と言うか
ぶっ飛び具合は、やはりなかなかなもので(笑)、
パトロンの三渓さんも、仕上がりを見て、流石に
かなり辛口評をしたと言うのも然もありなん、ですが、
であれば逆に、インドまで行くと言われた時に、
三渓さんはどんな絵を取材してくると紫紅さんに
期待されていたのでしょうか?(苦笑)
東山魁夷さん的な、that's仏像画とか?
(無理無理)

因みに、ビジュアル的に最高に可愛かったのは、
鞠の神様の化身である、と言う両手で丁寧に白い鞠を
抱えた「鞠聖図」の子猿で、「枇杷二鶯」の可愛い小鳥
共々、フワモコチャームグッズになっていましたが、
チャーム、といっても事前にネットでイメージして
いたより、どちらもかなり大きめ、でお連れする
決断できず(笑)

因みに、こちらの展覧会、撮影不可の表示「以外」は可、
でした。
以前は展覧会作品は「不可」が当然でしたが、最近は
SNSの拡散期待なのか、「以外は不可」とか、展覧会
ごとにルールがバラバラになってきました
(だいたい不可なのは、他館所有品、重文などの指定)
とは言え、どちらも最初にきちんと、かなりはっきり
判るように表示は必要な気はします。
その館での「基準」はその館では当然でも、来館者には
どっちか判らない
周りの人が撮影して誰も咎めないのを見て「あ、ここは
OKなんだ」と判ることもよくあります

しかもこちらは展示室ごとにドアがなく、展示室
同士は中回廊で繋がるセミオープンな構造なので、
更にルールが曖昧に感じました
写真の「鞠聖図」「熱国の巻」は、勿論、撮影可作品。
しかし、「熱国の巻」の長さはなかなか伝わりませんね

ともあれ、久し振りの紫紅展、楽しかったですが、
このペースだと次の回顧展の時は、間違いなく生きて
ないでしょうね(笑)


| | コメント (0)

2026.05.03

都心とは思えない広々庭園でのんびり満開の躑躅を満喫

Cidef6722507d364f45b7abcd705141d343Cidbb65712d23df4476a514bd85c40e197eCidfc39103a10734beba864e20b72ba4e03Cidbd6efa9c1355483a9684bfd2125c626cCid2058bf191f884f909b1370cdc1f5079d

年度末年度初めの一ヶ月は、恒例のように完全に仕事に
埋もれ、休みも溜まった家事に追われて全く休んだ気に
ならなかったのが、やっと一息の4月半ば

遠出は疲れるけど、せっかくの良い気候に家にいるのも
ちょっと悔しい、で、先日の平日休みに、都心にあり
ながら、あまり伺ったことのなかった庭園二つをハシゴ
してきました

一番の目的だったのが「六義園」
いまは都の管理庭園ですが、元々は、有名な柳沢吉保が
下屋敷に作った巨大庭園
尾野真千子さんか、倉科カナさんか、とつい思うのは、
よしながふみ版「大奥」の見過ぎ(笑)
大河ドラマなら、「元禄太平記」の石坂浩二さんでしょうか
(更に古い) 

躑躅の季節だったからか、いつもは閉まっている染井門が
開いていて、そちらから入りました
とにかくこの都心ど真ん中に、電柱の一切ないことも
含めて、東京都心と思えない景観が見事
京都の修学院離宮、桂離宮など宮内庁管理の庭園たちが、
宮さまパワーによる雅の結集だとすれば、こちらは
将軍さまお膝元のご威勢炸裂、お江戸の富とお武家の
教養の結晶で、そのあたりから将軍さまがお小姓を
連れて登場しそうでした(笑)

名物の垂れ桜は終わっていましたが、期待通り、様々な
種類の躑躅がきちんと手入れされ、それぞれ品種の
案内や園内mapも完備
遠目には高台くらいに見えた藤代峠は、細く高い
段差のなかなかワイルドな細い細道でしたが、上がると
そのかいがある、素晴らしいながめでしたし、池を
挟んだ反対側から見る躑躅の山の眺めも壮大。
おまけで藤棚に大ぶりの藤の花まで咲いていて、
手近で空いていて、期待以上、大満足でした

さて、六義園入口でチケット買う時に
「お近くの旧古河庭園とセット券もありますよ~」
と言われました。
区を跨いでいるので 全くイメージがつかなかったのですが、
この二つの庭園、どちらも本郷通り沿いで、歩いて
20分の距離とのこと
旧古河庭園はバラで有名で、バラはまだ季節的には
早いとは思いましたが、そう言えばこちらも随分
伺っていないし、時間にも余裕があったので行って
みました

旧古河庭園は元は「カミソリ外相」陸奥宗光の屋敷だった
そうで、あのジョサイア・コンドルの設計
(内部見学は別料金)
六義園が完全な和風庭園なのに対して、古河庭園は
明治になってから建てられた洋館と、洋風と和風の
二つの庭園
やはりバラは開花待ちでしたが、令和の今の駒込とは
完全に隔絶した世界でした
(しかも携帯電波も弱かった)

遠出が気分転換に良いのは勿論ですが、近場で異世界
タイムスリップも心地良かったです。

| | コメント (0)

2026.05.01

虹。

Rainbow

通りがかりに偶然見かけた虹
しかも端から端まで完全で、しかもよく見るとダブル(更によく見るとトラブル)
ここまで完璧な虹は、私は生まれて初めて見ました
場所が東に開けていたのが何よりでしたが、足元のカラーコーンが絶妙な位置にあり、まるで分度器のような写真になりました

何かいい事がありそう
あるかな?

| | コメント (0)

国立文楽劇場公演「菅原伝授手習鑑」「ひらかな盛衰記」を観る

2604bunraku22604bunrakuZosho

国立文楽劇場 

大阪文楽劇場の春公演は、劇場前の桜が満開。
今年は珍しく?なんばWALKとのコラボで、劇場内で
2ヶ所、なんばWALK内2ヶ所合計4ヶ所でQRコードを
読み取ると今回公演のビジュアル壁紙がDLできると
言うので、速攻サクサク読みとって、すかさず壁紙
いただきました

伺った日は、偶然、文楽協会賞などの贈賞式があり、
撮影OKタイミングに写真も撮らせていただきました

さて、今回は大好物の「菅原伝授~」通し(1、2部)と、
まだ鑑賞回数は少ないのですが、気になる演目「ひら
かな盛衰記」

今回「菅原〜」では、人形遣いさんの役割に少し
参加が。
人間国宝の皆さんがいつも通り主役を張るのでなくて、
一世代下の遣い手さんがメインで先輩方が支える、と
言う感じでした
例えば玉男さんは松王ではなく白太夫(松王は玉志さん)、
和生さんは戸浪でなく源蔵(戸浪は勘壽さん)

「ひらかな」は上演頻度の違いか、勘十郎さんは
こちらは完全な主役の梅ヶ枝を遣われましまが、
あの傾城のフル装備は、人形と言えどもかなりの
重さだそうですから、遣える方が限られるのかも
知れません

「菅原~」は今回、第一部が「道行」と「車曳」、「茶筅酒」
「喧嘩」「訴訟」の所謂「賀の祝」(佐田村)に、「桜丸切腹」、
第二部は大定番「寺入り」「寺子屋」に、珍しく「北嵯峨」
がついた大好物のフルコース
更に「寺子屋」は、松竹座とのW上演で見比べられたのも
ありがたかったです

「茶筅酒」で、三兄弟の奥方たちが揃うところは、
いつもながら、八重ちゃんの雑な大根カットと、
指を怪我する不器用ぶりに、千代&春の兄嫁(本来は
三つ子なので上下はないのだけれど、何となく松→
梅→桜な序列感)とのわちゃわちゃが楽しい。
(歌舞伎はここカットされがちなので、尚更)
更に今回は「北嵯峨」で八重ちゃんが丞相の御台(歌舞伎と
違って名前がない)を守るために長刀で奮戦死と言う
展開が付くので、夫の桜丸共々、哀れが増しました
勘彌さんの八重はかなりの剣の使い手に見えてなかなか。
ちなみに「北嵯峨」で、「謎の虚無僧」が御台所を連れ
去りますが、人形とは言え、人形遣いさんの顔で、
誰かは丸わかり(笑)
勿論、歌舞伎だったら尚更ですが

「ひらかな盛衰記」は、吉右衛門さんが生前「逆櫓」を
なさっていたのを何回か拝見した以外は、歌舞伎では
あまり上演がなく、文楽では数年前に東京で通しを
見ましたが、一回で面白さが判る感じがなく、また
拝見したいと思っていました

まず思ったのは、メインの梅ヶ枝と景季の「箙の梅」を
含むあたり、傾城のフル装備で動き回る梅ヶ枝は、
人形も大変ですが、あのままで歌舞伎役者さんが
やるのは更に大変そうで、歌舞伎で出る場面が限ら
れるのはそのためかも

第三部の最初が「辻法印の段」。
いや、楽しみにしてただけに、三部の出だしがいきなり
チャリ場なのはなぜ?(苦笑)
個人的には景事も苦手だけど、チャリ場はもっと苦手
昔ながら一日かけて一演目で、途中に軽い場面が挟まる
のは判るけど、開幕いきなりだと正直辛い
メインは「神埼揚屋の段」から
しかし確かに梅ヶ枝ちゃん、彼氏のために頑張る話で、
めでたしめでたしになる訳ですが、意地悪な目で
見れば、労働実態の薄そうな景季くんのために、
梅ヶ枝ちゃんが妓楼で傾城になっているのもなぁ、
だし、何より、出陣だ、って言ってるのに「鎧兜がない
から梅ヶ枝よろ」とか、景季くん武士として明らかに
何かに欠けてませんか(笑)
梅ヶ枝も引き受けないで、自分でやってもらうべき。
甘やかすから、肝心な時にこんな事に。
挙げ句に、「息子のために花街で働いてくれて、すみ
ませんでしたね」って景季ママが、身分を隠して揚屋
まできて、梅ヶ枝にお金渡すならともかく、顔バレ
したくないばかりに、庭にいる梅ヶ枝に、建物の
中から小判投げ渡す(正確には、撒き散らす。リスキー
じゃないか?)のも、考えてみると、ダメ息子にママ
甘過ぎ。
で、最後かっこよくいってらっしゃい、で「箙の梅」も
良いけど、「彦山権現~」の「毛谷村」で、これに因む
のは、考えたら大丈夫なのか、お園ちゃん(笑)

と言う訳でよく考えると若干「トンデモ」話ですが、
まあ梅ヶ枝が健気だったから許す?
いや、なんかきっともっとちゃんとした見所があると
信じたい(笑)し、見つけたい
やっぱり「ひらかな~」は手強そうで、次回に期待

| | コメント (0)

« 2026年4月 | トップページ | 2026年6月 »