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2026.05.23

大阪松竹座「御名残五月大歌舞伎」を観る

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現座最終公演
勿論、再開場を信じていますが、手を出すまい、と
思っていたのに、うかうか「閉店商法」に乗って(笑)、
緞帳柄手拭いと、席番プレート(勿論、レプリカ)を
買ってしまいました(汗) 
また、4月の舞台写真もあったので購入しましたが、
同じ松竹経営なのに、歌舞伎座と違って、筋書共々、
現金オンリーなのが、今や不便。
(因みに総合受付一部レジだけ、クレジット、バー
コード決済対応)
そもそも、東京では「筋書」「舞台写真」なのが、大阪に
来ると「番付」「プロマイド」と言い方が違うのも興味
深いところです

昼の部は「壽式三番叟」「源平布引滝~義賢最期」、
夜の部は「盛綱陣屋」を拝見

昼の部「壽式三番叟」
能狂言を歌舞伎が「松羽目もの」として取り入れた演目、
とりわけ「翁」(千歳、三番叟付き)や単独の「三番叟」は、
元の形式を、能楽堂や萬斎さん公演でかなりの頻度で
拝見し、そちらが完全にスタンダードで染み込んで
しまっているからか、歌舞伎版を見ると、どうしても
抑制のなさ、厳かさを犠牲にしての派手さ、賑やかさが
何ともムズムズして、回避しているのですが、今回は
お名残だし、と珍しく拝見
しかし結局、端々までオリジナルとの違いばかりが
気になってしまいました。
千歳が女形なのは、まだしも、一番びっくりしたのが、
千歳が翁面の入った面箱を恭しく持参したので
、当然、
翁がかけて舞うもの、と思っていたら、結局
箱は
運ばれただけで、後見が下げて終了。
よく考えれば、歌舞伎役者さんが能面をかけて舞う
のはなさそうな事
であれば寧ろ、面箱出す必要あるかな?とか、更に
邪念出まくりで、やはり松羽目ものは回避、が私には
正解かも(冷汗)

「義賢最期」
孝夫時代の仁左衛門さんが復活された、ラストの
「戸板倒し」や「仏倒れ」などのアクロバティックな
幕切れの演出で、松嶋屋さんの代表的演目になった
「義賢」。
いまは直伝で愛之助さんで演じられますが、何度
見ても、見る方は一度でさえヒヤヒヤハラハラして
いるのに、一ヶ月間やり続ける役者さんの技術と言うか、
フィジカルと言うか、メンタルと言うか、ひたすら
尊敬しかありません。
とりわけ、花形役者を上に乗せて、最後の最後に戸板
から手を離す、捕り手役の方の責任感は大変そうですし、
義賢役者さんとの息が見事過ぎです。
ラストだけでも凄い、とワクワクする訳ですが、
この物語、実は周囲の登場人物の活躍も見逃せません。
と言うのも、歌舞伎座で上演中の「菊畑」が、平家の
追及をおそれて周囲を欺き続ける常盤御前の夫・
一條大蔵長成の「活躍」を描く、「一條大蔵譚」の
前段である事が、意外に知られていないのと同様に、
「義賢~」も「九郎助住家」で有名な「実盛物語」の前段に
あたる物語で、それを踏まえると面白さが倍増する
気がしています
「義賢~」で瀕死の義賢を励ますのが小万、義賢は
その小万に死守した白旗を託し、小万の父、九郎助が
義賢の奥方、葵御前を背負って逃げる。
「実盛物語」は、その九郎助の家で展開しますが、
義賢に託された白旗を死守した小万は、途中で腕を
切り落とされる(切った人物はのち判明する)、
その腕だけを先に九郎助が偶然回収し、さらに運び
込まれた瀕死の本人に添えられると一時的に小万が
甦る、と、まあ書くと奇想天外ホラー展開すぎですが(笑)、
話として矛盾なく繋がっているので、時には是非とも
続けて上演してもらいたいです

因みに、この「実盛物語」、平家方として葵御前の
(=義賢)子の確保に来たはずの実盛が、意外な行動に
出るのが眼目ですが、このエピソードが取り入れられ
たのが、清水邦夫さんの戯曲「わが魂は輝く水なり」。
清水さんの「盟友」蜷川さん演出で、萬斎さんが実盛を
演じてコクーンで上演された舞台には、菊之助時代の
(八)菊五郎さんが実盛の息子役で、また、亀三郎
時代の彦三郎さんの貴重な現代作家作品出演作でも
あることは、更に壮大な蛇足(笑)ですが、しかし、
これもまた、見てみたい作品です

「盛綱陣屋」
歌舞伎の時代ものには、「陣屋」とつくもの、身代わり
首の検分(首実検)が眼目のもの、兄弟で敵味方に
なるもの、そして源平が絡む物語が多いために「盛」が
つく登場人物が出てくるもの、がそれぞれ複数あり
ますが、「盛綱~」はなんと全部入り(笑)
盛綱は兄の高綱と敵味方で、子ども同士(従兄弟)も
戦い、高綱の子は、盛綱の人質。
高綱の首が運び込まれてきて、盛綱が検分することに
なる、果たして?
「先代萩」や「袖萩祭文」と並んで、できる子役が複数
いないとできないお芝居で、今回は種太郎くん&秀乃介
くんと言う、現時点最強(個人の感想)子役兄弟が登板
このお二人、最近では勘九郎さんがなさった
「一谷
嫩軍記~組打」の「遠見熊谷」と「遠見敦盛」役での、
種太郎くんの完璧な歌昇パパミニチュアぶりが印象的
で、これは歌昇くん熊谷も見たい、と逆向きに思い
ましたが(笑)今回もお二人絶対的安定

仁左衛門さんの実盛の目鼻は勿論、眉1つわずかな
口元にも意味があり、本当に素敵でしたし、隼人くんが
やはりイケメンで(笑)
壱太郎くん、娘役より、この手の、文楽で言えば
「老女形」役の方が、かつらなのか化粧なのか分かり
ませんが違和感がない気がしました

次の大阪での歌舞伎は「新歌舞伎座」と発表されました
歌舞伎座、と言いながら、歌舞伎を拝見したことのない
劇場
上本町に移転してから入った事もないので、どう
なりますか

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