コクーン歌舞伎「天日坊」、パンフレットを買わなかったので、オリジナルも
ちょっと気になり、黙阿弥の作品を解説した本を探していたら、黙阿弥と役者
との関係と出来上がった作品について書かれていて、「黙阿弥オペラ」を見た後
一度読んだ記憶があった、渡辺保氏の「黙阿弥と明治維新」に行きつき、再度
読んでみました。
前回読んだ時はさらっと読み飛ばしていましたが、ちゃんと「天日坊」の元に
なった「吾妻下五十三驛」(あづまくだりごじゅうさんつぎ)について記述がありました。
*黙阿弥と天才役者市川小團次との関係
*天日坊と頼朝、大江広元の関係は、吉宗と天一坊、そして大岡越前の関係を
暗示している
*公家である猫魔家が天下を狙い、主亡き後、旧臣らが在野の勢力を集めて
東上しようとする話は、明らかに江戸幕府に対して、京都の朝廷側や長州
などが対抗してきていた、幕末の世相を反映させた極めて政治的な内容である
*途中に出てきた「だんまり」が、「天」日坊、「人」丸お六、「地」雷太郎と
「天地人のだんまり」になっていること
まあこの「だんまり」は、舞台セットが屋台風、美術は串田さんの狙ってそうなのか、
狙わなくてもそうなのか判りませんが(失礼)手すさび程度のだら〜っとした感じ
なので余り闇夜の緊張感なんてなかったですけど。
以前に同じ箇所読んでいたのに今回見ても全然ピンと来なかった自分、どうなんだ
ですが、ともあれ、非常に示唆に富んだ内容でした。
読んでからもう一度見るとまた面白いかな。
WOWOWオンエアしないでしょうか。