「おもしろびじゅつワンダーランド展」を体験する
サントリー美術館。
別に漢字変換を怠った訳ではありません。
夏休み向けイベントとして、サントリー美術館が仕掛けた、体験型企画。
主にジュニア層を視野に入れたのでしょうが、「かつてこどもだったオトナ」にも
ぴったりで、クールシェアを兼ねて楽しんできました。
企画は大きく7つ。
ざっくり感想と共に
★蒔絵の箱の外側ではなく、内側の柄が天井に映写され、まるで自分が蒔絵の
箱の中に入った気分を味わう
→映像が画一的で期待ほどではなかったのと、ちょっと「入った感じ」が薄かった
のが残念
★秋草図屏風の手前に大量の薄が植えられて、屏風を立体で実感。
→屏風の柄が割に筆致が弱くて明らかに実物に迫力負け(笑)
これはやっぱり其一さんくらいはっきりした柄目のでないと絵が埋没…。
★藍色の切子の硝子器をトンネル状のスペースに置いて、ブルーのライトを当てる
→全体が当たり前ですがブルーに。
ミニチュア立体万華鏡の気配。ただもうちょっと大がかりにやって欲しかったなぁ。
★洛中洛外図をデジタル処理。
屏風の一局を一枚の巨大なiPad様タッチパネルに収め、好きな所をタッチすると
その箇所が拡大し、描かれた場所やイベントの名称が確認できる。
→パネルを通り抜けた先に「実物」があって、タッチした場所を確認したり、
全体を俯瞰できる。
パネルが完全二次元なのに比べて、屏風は描かれた絵の具の盛り上がり、また
W字に立てる事で新たな立体感が生まれるのが実感できてなかなか。
まだもう少し、「八百屋」「髪結」レベルなものもタッチして出てきたら良かった。
タッチしても空振りする箇所が多すぎでした
★所謂名所によくある、絵の顔部分をくり抜いたところから顔を出して成りきる、
江戸ダンサーズバージョン
★道具を使っての人間影絵実体験(國芳の戯絵によくあるやつ)
→オトナ一人で行っているので流石にやれず。
フラッシュ無しなら撮影可能なようで親子や二人連れがスタッフにサポートされ
ながら必死に成りきろうとしてました。
★茶器「熟柿」の見立てを巨大な模型で体感。
→確かにひっくり返した巨大な茶器は、高台がヘタに見えて柿そのもの。
中に置いてあったクッションの一つがなり口の星形の葉?そっくりだったのも
ナイス。
まあお化け茶器に飲み込まれる見立ては余り落ち着きませんでしたが(笑)
★デジタルで鍋島絵付け体験
→一番はまったのがこれ。
iPad様小型パネルで皿の地色と基本形を3種類から選び、あとは提供されている
鍋島の代表的柄を画面皿上に取り込んで大きさや位置を自由に配置、最後に自分の
サインを自由に描いて完成させると、展示ケース内の大パネルに自分の「作品」が
「展示」される。
皿の焼成は無理でも、完成デザインをプリントアウトできたら良かった。
個人的には紐絵を組み合わせて「まじ欲しい」柄の皿ができました。
後ろに代表的な鍋島皿がさらっと並べてありましたがいずれも好きなタイプの
もので、改めて鍋島のクールな良さを実感しました。
夏休みだったので、もっとこどもたちが多いと予想したのですが(こどもは入場
無料だし)意外にオトナばかりで、スイスイ拝見でき、色々体験できました。
満足!