カテゴリー「文化・芸術」の記事

2012.08.12

「おもしろびじゅつワンダーランド展」を体験する

「おもしろびじゅつワンダーランド展」を体験する

サントリー美術館。
別に漢字変換を怠った訳ではありません。
夏休み向けイベントとして、サントリー美術館が仕掛けた、体験型企画。

主にジュニア層を視野に入れたのでしょうが、「かつてこどもだったオトナ」にも
ぴったりで、クールシェアを兼ねて楽しんできました。

企画は大きく7つ。
ざっくり感想と共に

★蒔絵の箱の外側ではなく、内側の柄が天井に映写され、まるで自分が蒔絵の
箱の中に入った気分を味わう
→映像が画一的で期待ほどではなかったのと、ちょっと「入った感じ」が薄かった
 のが残念

★秋草図屏風の手前に大量の薄が植えられて、屏風を立体で実感。
→屏風の柄が割に筆致が弱くて明らかに実物に迫力負け(笑)
 これはやっぱり其一さんくらいはっきりした柄目のでないと絵が埋没…。

★藍色の切子の硝子器をトンネル状のスペースに置いて、ブルーのライトを当てる
→全体が当たり前ですがブルーに。
 ミニチュア立体万華鏡の気配。ただもうちょっと大がかりにやって欲しかったなぁ。

★洛中洛外図をデジタル処理。
屏風の一局を一枚の巨大なiPad様タッチパネルに収め、好きな所をタッチすると
その箇所が拡大し、描かれた場所やイベントの名称が確認できる。
→パネルを通り抜けた先に「実物」があって、タッチした場所を確認したり、
 全体を俯瞰できる。
 パネルが完全二次元なのに比べて、屏風は描かれた絵の具の盛り上がり、また
 W字に立てる事で新たな立体感が生まれるのが実感できてなかなか。
 まだもう少し、「八百屋」「髪結」レベルなものもタッチして出てきたら良かった。
 タッチしても空振りする箇所が多すぎでした

★所謂名所によくある、絵の顔部分をくり抜いたところから顔を出して成りきる、
 江戸ダンサーズバージョン
★道具を使っての人間影絵実体験(國芳の戯絵によくあるやつ)
→オトナ一人で行っているので流石にやれず。
 フラッシュ無しなら撮影可能なようで親子や二人連れがスタッフにサポートされ
 ながら必死に成りきろうとしてました。

★茶器「熟柿」の見立てを巨大な模型で体感。
→確かにひっくり返した巨大な茶器は、高台がヘタに見えて柿そのもの。
  中に置いてあったクッションの一つがなり口の星形の葉?そっくりだったのも
  ナイス。
  まあお化け茶器に飲み込まれる見立ては余り落ち着きませんでしたが(笑)

★デジタルで鍋島絵付け体験
→一番はまったのがこれ。
 iPad様小型パネルで皿の地色と基本形を3種類から選び、あとは提供されている
 鍋島の代表的柄を画面皿上に取り込んで大きさや位置を自由に配置、最後に自分の
 サインを自由に描いて完成させると、展示ケース内の大パネルに自分の「作品」が
 「展示」される。

 皿の焼成は無理でも、完成デザインをプリントアウトできたら良かった。
 個人的には紐絵を組み合わせて「まじ欲しい」柄の皿ができました。

 後ろに代表的な鍋島皿がさらっと並べてありましたがいずれも好きなタイプの
 もので、改めて鍋島のクールな良さを実感しました。

夏休みだったので、もっとこどもたちが多いと予想したのですが(こどもは入場
無料だし)意外にオトナばかりで、スイスイ拝見でき、色々体験できました。

満足!

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2012.06.23

「浮世絵猫百景」(前期)を見る

「浮世絵猫百景」(前期)を見る

「浮世絵猫百景」(前期)を見る

浮世絵太田記念美術館。

来月と2ヶ月にわたり、国芳先生一門による猫「総勢2千3百21匹」(美術館算出、
とポスターにあり)出演(笑)による大展覧会(笑)

国芳先生、猫アイテムあるいは謎解きや地口と言う、ただ見るだけでなく、鑑賞
者が能動的に関われると言う楽しみ方が注目されてか、森美術館での展覧会あた
りですっかり若い層にもブレイクしたようで、この展覧会も、普段なら入り口で室内
履きへ履き替えをするのですが、「混雑につき(スリッパ足りなくなるからでしょう)
そのままお入り下さい」表示。

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2012.06.22

秋に太田記念美術館で「月岡芳年展」

チラシビジュアルは大好きな「芳流閣」!
明治期の浮世絵版画は刷り色がけばけばしいのと、写実、リアルを狙い過ぎて
美しさが犠牲になりがちなのがもう一つなのですが、国芳の系譜で見るとその
過剰さも納得できたりするので、そろそろじっくり見たいと思っていたところ
でした。
これは楽しみ。

2012年10月11月「没後120年 月岡芳年展」
前期 10月2日(火)~10月28日(日)
後期 11月1日(木)~11月25日(日)

浮世絵太田記念美術館

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2012.05.04

「簫白ショック!!〜曽我簫白と京の画家たち」(後期)を見る

千葉市美術館。
「群仙図屏風」見たさにリピーター割引(半額500円で見られる、千葉市美さま
さまです)を利用して見てきました。
前期同様解説作品に添えられたキャプションコメントが相変わらず凝っていて、
今回も楽しめました。

勿論目玉は「群仙図屏風」。
以前に国立博物館で見た時より展示室が小さくなった分、更に間近に見られた
感じがしました。
勿論説明文は「これぞ簫白ョック」(笑)

「唐獅子図屏風」は例の「子獅子を鍛える為に谷に落とす」話なのですが、どうも
獅子の親子の顔が人間臭すぎて笑えます(笑)

また「波涛鷹鶴図屏風」は、「弱肉強食の鶴と鷹でめでたさゼロ」と説明。
確かに鶴、必死に逃げ、鷹、真後ろから追尾。
リアルの前には風雅もへったくれもありません。

更に「松鷹図襖」には説明に「逃げるウサギ2羽と猿一匹が描かれている」と
あったのですが、どうしても猿が見つからず。
どこに描いてあったのか、図録を見てもさっぱりで、薄く描きすぎですね。

一方で、極彩色の狩野派の向こうを張ったように、墨一色、モノクロームで孔雀を
描いた「松に孔雀図襖」は非常に真っ当でしたし、「松竹梅図襖」に至っては、
たまに真っ当過ぎると、却って何か隠されていやしないかと、こちらが疑って
しまいました。

最後の「同時代画家」の作品ではやはり若沖。
「旭日松鶴図」には「正月用掛軸若沖流」のキャプションが付いていましたが
いやこんな掛軸、是非一幅頂戴したいものでございます。

平日に見た前期よりは当然混んでいたものの、見るに困る程はなく、行きつ戻りつ
見たい絵をじっくり堪能できました。

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2012.04.19

「簫白ショック!!〜曽我簫白と京の画家たち」(前期)を見る

千葉市美術館。
相変わらず遠い(笑)
遠いですが、やはり楽しい美術館です。

今回は簫白特集。
代表的作品「群仙図屏風」が後期のみ出品、目玉が修復なった水墨の襖絵連作
だったため、印象としては「モノクローム簫白」で、やや地味目でしたが、さすが
千葉市美、そこらの公立美術館とは違って、作品に添えられた説明文のタイトルが
凝っていて、絵共々面白い。
例えばちょっと不機嫌そうな二羽の鶴を描いた「双鶴図」には「めでたくもかわ
いくもなし」、「高士騎牛図」には「霞もくもく、衣ひらひら」、山に隠った
林和靖をちょっと呆然と描いた「林和靖図屏風」には「高士もつらいよ」、果ては
拾得を「レレレのおじさん」呼ばわりし(笑)、どうみても蝶に怯えて見える獅子と
内気そうな虎を描いた「獅子虎図屏風」には「草食系唐獅子牡丹」と言った調子。
おかげで絵の中のキャラクター立ちまくり。

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2012.04.08

映画「はじまりの記憶〜杉本博司」を見る

超久しぶりのシアターイメージフォーラム
「出演:野村萬斎」の一行につられて、殆ど寝ぼけたまま11時のモーニングショーに
駆け込む。

2010年にWOWOWでオンエアされたドキュメンタリーを元に追撮&再構成、とあり
ましたが、印象としては茶室の話以外は初めて見る部分が多かった気がしたのは
番組をちゃんと見てなかったからか(笑)

で結局写ったのは、ラスト15分くらいに、例の杉本さんプロデュースによる去年
9月21日に台風のなか強行された、神奈川芸術劇場での「神秘域」の僅か数分の
映像のみで、他にクレジットされた「出演者」のようにコメントなしだったのは
ちょっとがっかりだったかな〜。

割にツクリが平板で、寝起きとは言え、ドキュメンタリー映画で寝たのは初めて(笑)

まあ、「神秘域」での萬斎さんの装束、電光を仕込んで、萬斎さんの踏む音に
連動して光った稲妻柄(放電場、と言うようです)の撮影(作り)方が判った
のは面白かったです。

因みに去年新アプローチをした文楽「曽根崎心中」に続いて、5年後くらいに
自作の新作能を小田原に能舞台から作って上演するそうで、これはまた舞台
披キに萬斎さん呼ばれそうだなあ…

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2012.04.03

府中市美術館「三都画家くらべ」(前期)を見る

生き物を描いた作品が多く、非常に面白かったです。
まず江戸代表は勿論國芳!
先日まで六本木の森アーツセンターで行われていた國芳展で目玉の一つになって
いた、金魚の連作のうち、金魚の手先(ヒレです)がめちゃめちゃ可愛かった、
「ぼんぼん」がさりげなくあったり、「壁のむだ書き」(黄壁)があったりと、
洒落っ気たっぷりの本領発揮。

京都からは当然、若冲。
妙に立体感の薄いインコみたいな白い鷹が兜に乗った図柄の掛軸、枝豆の葉が
どうもカメムシに見える「垣豆群虫図」とか、非常に人間臭い表情で耳を塞ぐ
猿図(ひょっとして「見ざる」「言わざる」図もあった?)とか、初めて見る
作品が多数。

更に珍しかったのは芦雪。
掛軸で一本松の向こうに富士と言う文字にすればありがちな図ながら、実はこの
松が左上から右下に定規で引いたように異様にまっすぐ、画面を二分するように
描かれていて、さすがは構図の天才。
芦雪にはもう一つ、画題にはおよそ向かない「なめくじ図」があって、これには
びっくり。
色紙サイズの画面に一筆書きにヒョロヒョロ描かれた線の先に、線を描いた?
なめくじくんが、今にも画面の左上に出ていこうとするところ。
なめくじくんの動きを連続写真で撮って重ねたようでもあり、時間経過を一緒に
閉じ込めたような不思議な絵でしたし、上に龍、下に虎の「竜虎図」は龍の爪は
かっこ良く、虎の目鼻はほとんどドラゴンボールとかのキャラクターに出て
きそうなかっこ良さでした。

不思議と言えば、Mr.不思議、司馬江漢。
油絵や遠近法を採り入れた、バタ臭い絵を描いては右に出る者のない画家ですが
初めて拝見する「異国戦闘図」は日本絵画には殆どない横長に構図的にも技術的
にもほぼ破綻ない仕上がりでびっくりしました。
他にも蕪村の「火桶図」、広重の「江戸近郊図」、田善の綵密な江戸図、岸駒の
「孔雀図」、芳中のがに股の鶴の後ろ姿、華山の繊細な「桃花扇面」など、見たら
語らずにはいられない個性的な作品目白押しで、これは後期も楽しみです。

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2012.01.25

「歌川國芳展」(後期)を見る

六本木・森アーツギャラリー

前期を見た時はもう十分と思っていたのですが、「首尾の松」「芳流閣」にイン
ドネシアの風景画を見事に描き替えた「忠臣蔵十一段目」など、個人的にわくわく
する作品群、また見た事がない三枚続き版が幾枚も出ていると聞いて、やはり
ファンとしては見逃せまいと後期を見に出かけました。
しかし、いつの間にか國芳大先生も随分知名度が上がったようで、平日昼間
にも拘わらず結構な混雑にびっくり。

しかしそれを我慢しても見るだけの価値はありました。

上記いずれもやはり見て良かったし、また他にもいくつも印象に残ったものが。
まず何が描いてあるのだか、ぱっと見には全然判らない「絵本合邦辻」
これは去年3月に国立劇場で仁左衛門さん主演でかかった芝居ながら、震災で
日程途中で切り上げとなった作品で今年4月の再演が決まっていて、今から行く
気満々な演目。
土俵のあるような建物の中心に閻魔が描かれ、その前に主人公らしき人物が
見得を切り、周りにたくさんの人物が群がる不思議な絵でした。演目見たら判る
のか?謎は深まるばかり(笑)
また、団扇絵の「船弁慶」のアンバランスな図柄の面白さ、全く劇画そのものの
「源三位頼政鵺退治」、どう考えても足元の猫(何しろ彼女のキーアイテム)を
描きたかったと推察される肉筆の「女三宮」、今も「葛餅」で知られるのと同じ
店と思われる「御菓子司船橋屋」の店頭の賑わいも、良く見れば足元の狆が
滅法可愛い。

「大物浦平家の亡霊」の波や背景の妖怪シルエット、「真勇競〜知盛図」は、
妖しのモノお得意の國芳ならではの迫力でしたし、「化物忠臣蔵」はオリジナルが
判って見るとより面白いし、妖怪がみな何だか愛嬌があり、怖いだけではない
のがまた國芳さんらしい。
一方、今回新発見と言う、「きん魚づくし ぼんぼん」は、実物を見たら、子金魚の
左手?を取る姉さん金魚の優しい目線と差し伸べる右手?が本当に可愛い
らしくて参りました(笑)

結局、カタログ買ってしまい、ますます國芳先生にはまりまくりそうです。

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2011.07.09

「歌川國芳展」(後期)を見る

太田記念浮世絵美術館

2ヶ月目。
全作品入れ替えで、後期は猫文字や影とその仕掛と言った遊び心満点のもの、
西洋画の画法を採り入れた物や、明らかに西洋の書籍の銅板の挿絵の構図を
浮世絵に採り入れたと近年の研究で明らかになった作品群、そして美人画など。
前期の武者絵、妖怪系作品、役者絵に比べると個人的にはややあっさりした印象
でしたが(ま、國芳作品においてあっさりと言っても浮世絵全般からしたら
ギュッとアイディアが詰まって濃厚ですが)、有名な作品は勿論、この展覧会で
初めて見た作品もたくさんあって、「國芳ワールド」を堪能しました。

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2011.06.21

「歌川國芳展」(前期)を見る

太田記念浮世絵美術館

今月来月と2ヶ月にわたる大企画展。

しかし私が國芳にはまった頃に比べると、國芳も知名度、人気度ともにかなり
上がったようで(若冲の場合同様、なんか私が嵌まるとブームがついてくる?)
平日昼間に拘わらず、入口の靴箱に、の美術館の混雑の目安、「スリッパに履き
替えずにお入り下さい」表示が。

前期は武者絵と妖怪系と役者絵とカテゴリーに分けて地下展示室も使って展示。
(後期は戯画や西洋画に学んだ絵など予定)

出世作である「水滸伝」シリーズ、三枚続きの有名な「相馬古内裏」、「源頼光〜」、
「鯨と宮本武蔵」と言った有名なもの、中には芝居の役者の様子を巻物に役者
一人分は3センチ四方くらいに小さくスケッチしたのが延々〜と描いていて、ちゃんと
見ると何の芝居なのか判るのがあって、「北斎漫画」もスゴいけどこれも相当でした。

初めて見る作品も、上記の役者スケッチ以外にもたくさん。
若い頃に描いたらしいと言う、知盛の霊が義経、弁慶、駿河、亀井の乗った船に
寄せてくる、とか、海底で蟹や貝類に囲まれた知盛とか、リアルな動物と役者っ
ぽい人間たちの組み合わせの絵もものすごく緻密に描かれて面白かったです。

ちょうど見たばかりの「夏祭浪花鑑」の団七を題材にしたものも2点ありましたし、
どれもこれもやっぱり國芳最高!

後期も平日に行かないと混みそう…

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