カテゴリー「文楽ほか伝統芸能」の記事

2017.05.21

「国立劇場文楽五月公演」(夜の部「加賀見山旧錦絵」)を観る

「国立劇場文楽五月公演」(夜の部「加賀見山旧錦絵」)を観る
歌舞伎座は「先代萩」、こちらは「加賀見山」と、今月は加役大活躍です(笑)

入口にご贔屓のお名前入りのお祝いの額?があり、葛西さんと詩人の
高橋睦郎さんのものがありました。

さて本編
前半に鳥井又助の物語があったのですが、実は全く集中できず、
岩藤さま登場の「草履打」から突如覚醒(笑)
何しろ岩藤が玉男さん、尾上は和生さん、お初が勘十郎さんです
から、面白くならない訳がありません。
廊下の段の咲甫さんの腰元の早口も相当面白かったですが、特に
長局の段の千歳太夫さん、やや勿体付けすぎだろう、と思わない
でもなかったですが、お初の大熱演?もあり、終わるや大拍手、でした。

因みにこれを見るたびに、続けて「加賀見山再岩藤」見たくなります。
確かに「骨寄せ」とかちょっとB級な感じもしますが、2003年の
平成中村座で勘三郎(当時は勘九郎)さんが串田演出でやったのが
振りきれてて未だに印象深いです。

ロビーでは一部の呂太夫さん襲名口上をオンエア。
凄いサービス。
グッジョブです、国立さん。

その一部は来週見ます

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2015.04.26

「四月文楽公演」(昼の部)を観る

続いて「昼の部」

まずは「絵本太平記」の「夕顔棚の段」「尼崎の段」
歌舞伎でかなりかかる演目ですが、やはり文楽で見ると印象が違います。
全体に文楽の方がそれぞれの心情の描写が丁寧な感じがします。

中で三味線を担当された清治さんの音色が美しかったのと、奥を語られた
千歳大夫さんの大熱演が印象的でした。

休憩を挟んで「天網島時雨炬燵」
有名な「心中天網島」の改作だそうで、しかも暫く前まではこちらが
専ら上演されていたのだとか。
ん〜滅茶苦茶難しかった!
要は治兵衛と小春、おさんのパワーバランスと言うか、何がどうなると
誰がどうなる、の因果関係がイマイチ解りづらく…。
心中を論理づけて説明しようとして、込み入り過ぎたのでは…
で、まあどうやっても、おさん偉すぎ、治兵衛駄目すぎなんですが(笑)

これを理解するにはもう少し勉強が必要ですね。

ラストにもう一番あったのですが、短い舞踊系の曲なのと、次の予定が
あり、端折って脱出。

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2015.04.25

「四月文楽公演」(夜の部)を観る

「四月文楽公演」(夜の部)を観る

「四月文楽公演」(夜の部)を観る

「四月文楽公演」(夜の部)を観る

大阪に来ております。
まず最初の眼目は、国立文楽劇場の玉男さんの襲名披露公演です。
文楽の襲名興業って見たことがなくて、しかも口上をするとは随分貴重。
(5月の東京では口上はなし)

しかし平日とは言え、襲名公演が「お膝元」大阪で空席が目立つのには
びっくりしました。

まずは狂言由来の祝い演目「靭猿」
松羽目仕立てでストーリーは一緒ですが、猿曳も舞ったり浄瑠璃が狂言の
内容とは全然違ってました。
そしてなにより見所(みどころ)は重力に関係ないキュートな猿くん。
延々と身体や長い足を触ったりクルクルさせたり、主人の猿曳の真似を
したり、カワイさ満点!でした。
因みに「ばさら大名」佐々木道誉は実際に猿皮靭を持っていたそうです。
(と解説で聞いて、陣内さんの顔を思い浮かべてしまうワタクシ)

次が襲名口上。
幕が上がると幹部さんか関係者が揃いの肩衣でずらり
司会?は千歳大夫さんで、嶋大夫さん、寛治さん、和生さん、勘十郎さんが
挨拶され、玉男さんご本人は一言も言わないのが不思議でした。
大夫さんはみなさん声が良いのは当たり前ですが、三味線の方、人形
遣いさんの声を舞台で聞けるのは貴重ですね。

次が襲名狂言「熊谷陣屋」
歌舞伎と少しずつ違うところを楽しみながら拝見。
一番の違いは、歌舞伎は熊谷が出家して花道を去る場面ばかりクローズ
アップされていますが、文楽はその他の人々のそれぞれもきちんとあり、
落ち着きます。
(「忠臣蔵」の六段目もそう)

(新)玉男さんはイヤホンガイドのインタビューでもこの曲に思い入れが
強いようで、それだけに勘十郎さんの遣う藤の局、和生さんの遣う相模
との息もピッタリの大きな熊谷でした。

休憩を挟んで「卅三間堂棟由来」
前の「熊谷」に比べると小品ですが、女房お柳、実は柳の精を簑助さんが
遣われています。

「葛の葉」似ですが、もっと儚い感じがするのと、輪廻転生のイメージが
強く、ファンタジーでした。
お柳の命が尽きてくると、はらはら上から柳の葉が落ちてくるのですが
その美しさが、特に緑の葉は透けて見えて、最初、プロジェクトマッピング
的な物かと思ったくらいです。

簑助さんの遣われるお人形は本当に「女子」で、特に肩ごしに振り返る
姿が可愛いすぎでした。

それにしても、関西のマダムはなかなか肝が太くて、「卅三間堂〜」
始まったら、後ろから空席にす〜っと引っ越して来られました。
確かにそこから客は基本来ませんが、東京では、なかなか移動する人は
いない気がします。

「熊谷」がある事もあり、4時間超えで、なかなか体力と集中力が要り
ましたが、襲名だけあり、力の入った公演でした。

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2015.01.07

「初春文楽公演」(第二部)を観る

「初春文楽公演」(第二部)を観る

「初春文楽公演」(第二部)を観る

「初春文楽公演」(第二部)を観る

「初春文楽公演」(第二部)を観る

松竹座から国立文楽劇場は歩いて15分くらいの距離で、ハシゴするには
素晴らしく良い立地(笑)

ちょっと寄り道して新しくなったと言う「グリコ電飾看板」見ましたが、
夕方で、ウリのLEDライトが点いてないので、違いがあまり良く判らず…

劇場入口には東京の劇場では余り見ない、生の鯛が「にらみ鯛」として、
二匹向かい合わせに置かれていました
(黒門が近いからでしょうか…)

文楽は私の「伝芸」中では見始めが遅く、女子の声も良いトシのおじさん
(失礼)がなさる、と言うのと、人形遣いの姿が気になると言うのが結構
ハードルでなかなか面白さが判らなかったのですが(動く人が演じてない
ので集中できないのもある)、今回は見てみて、昼の歌舞伎より集中でき、
自分でもびっくりな面白さでした。

演目は最初が「日吉丸稚桜」(ひよしまるわかきのさくら)から「駒木山
城中の段」
話全体はどうやら木下藤吉の出生から桶狭間までらしいのですが、ここ
では色々人間関係がぐちゃぐちゃした挙句(苦笑)、藤吉が主君・小田春永に
面目も立ち(いつも通り?の身代わり作戦)、鍛冶屋の倅の竹松が加藤正清
として藤吉に取り立てられるまで。
(人名が実名とわざとずらしてあるので厄介)

見所は、藤吉の部下?堀尾茂助と、奥さん・お政と、お政の父の鍛冶屋
五郎助(つまり茂助の舅)のやりとり。
お政を遣うのが簑助さんだけに、なにかある、と思っていたら、やはりで、
どんな役も簑助さんが遣われると生身の上品な色気が出ますね〜

最初からガンガン人物が登場するので、頭が混乱しましたが、判ると家族の
情愛と義理の、判りやすい構造で、75分程度の一幕物でもあり、とても
面白く見ました。

幕間に三業から一人ずつ若手さんが出ての、手ぬぐい抽選会。
無論?外れましたが、「上演中に(干支の)羊は数えないように」とか
「イビキはマナーモードでお願いします」とか、素の顔でおっしゃるのが
流石でした(笑)

更に面白かったのが、次の「冥土の飛脚」
「封印切」が有名で、歌舞伎でもよくかかりますが、見ていたら、これ、
近松が書いたオリジナル(笑)の方で、所謂歌舞伎の「封印切」で悪役の
八右衛門が友人思いのイイ奴で、寧ろ忠兵衛さんが、本当にダメ男。
金持って蔵屋敷に行くつもりが「足が勝手に梅川のいる新町に向く」
とか、挙句、八右衛門の好意を逆恨みして封印切っちゃうとか駄目すぎ(笑)

確かに改作したと言う「恋飛脚大和往来」に比べると地味だけど、リアルで
私は非常に面白かったですし、何より最初判ってなくて八右衛門いい人から
一気に裏切る?とか勝手にドキドキしてました。
(羽織落としの仕掛けとか、野良ワンコの人形がかわいかったし)

梅川が彼氏を「アタシが何とかしたげる!」と言うのが、却って忠兵衛
くんの(安っぽい)プライドを傷つけたと言うイヤホンガイドの解説にも
納得。

因みに忠兵衛は玉女さん、梅川は勘十郎さん。
勘十郎さんの梅川ちゃんが、いい感じにケバい感じがあって面白かったです。

帰りの新幹線の関係で最後の「道行」は端折らせていただきましたが
十分堪能できました。

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2014.04.09

「国立文楽劇場開場30周年記念公演〜『菅原伝授手習鑑』(第二部)」を観る

「国立文楽劇場開場30周年記念公演〜『菅原伝授手習鑑』(第二部)」を観る

「国立文楽劇場開場30周年記念公演〜『菅原伝授手習鑑』(第二部)」を観る

第2部は、歌舞伎では有名な「車曳」から「寺子屋」まで。
住大夫さんの語りに簑助さんの桜丸、文雀さんの八重と人間国宝揃い踏みの
「桜丸切腹」が眼目。
そう言えば来月の東京公演の「恋女房染分手綱」もですが、引退演目すら、
歌舞伎では超メジャーな段でないのが、歌舞伎と文楽の見せ場、聞かせどころの
違いなのでしょう。

歌舞伎だと、「茶筅酒」は省略、「喧嘩」から「切腹」までが一連で「賀の祝」と
区切り方も違いますね。

昼はやや眠気もありましたが、のんびりした白大夫の田舎屋で、悲劇の段取りが
着々と進み、桜丸の切腹、丞相の怒りに「寺子屋」で頂点を迎える人間?模様を
見せる舞台に目を奪われました。
「天拝山」はそれまで大人の分別を見せていた丞相の怒りが爆発する、それまでと
随分印象の違う段で、口元から火花がスパークする演出にはびっくりしました。
「寺子屋」は意外に歌舞伎とあまり印象が違わずでした
(「いろは送り」が歌舞伎ほど引っ張らないくらい)
とにかく1日通しで観るのは、前述した「ヘンリー六世」や「コースト〜」同様
満足度もバラバラより高いし、達成感があって、頑張って大阪まで遠征したかいが
ありました。

いや〜楽しかったです。

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2014.04.08

「国立文楽劇場開場30周年記念公演〜『菅原伝授手習鑑』(第一部)」を観る

「国立文楽劇場開場30周年記念公演〜『菅原伝授手習鑑』(第一部)」を観る

「国立文楽劇場開場30周年記念公演〜『菅原伝授手習鑑』(第一部)」を観る

萬斎さん狂言、こんぴら歌舞伎と続いた、伝統芸能遠征の絞めは、開場30周年を
迎えた国立文楽劇場での「菅原伝授」通し。
何より住大夫さんの引退公演、地元大阪では最後の本舞台とあって、特に住大夫
さんご出演の第2部は幕見も出る盛況でした。

文楽はまだまだ初心者ですが、丸1日どっぷり文楽漬けになってきました。

さすがに休憩含めて10時間余りのマラソン観劇、しかも両部長い休憩はそれぞれ
1回で、1、2部の間も短く、ほぼ2時間×4回なイメージ。
丁度「ヘンリー六世」や「コーストオブユートピア」並の長さで、時々襲う眠気
との戦いプラス、首と腰がかなり疲れましたが、わたし同様、昼夜連続の方も
結構いらっしゃいました
(中には終電のご都合か、住大夫さん終わりで帰った方もいましたが)

文楽は、役者メインの歌舞伎だとあまり出ない場面が出たりするので(「夏祭」の
「道具屋内」とか)、二つの比較を知るのが楽しみに観る事も多いのですが、
今回はたまたま前日の「こんぴら」でも「菅原伝授」の「加茂堤」「車引」
「寺子屋」を見たばかりでしたし、今回も「築地の段」では「寺子屋」で源蔵が
菅秀才を預かっていた理由が判りましたし、「天拝山」では菅丞相の「火吹き」
なんて珍しいものも拝見でき(実は御台の夢落ち、と言う仕掛けらしいのですが)
とても興味深く拝見しました。

昼、第一部は幕開けの「大内の段」から、「丞相名残の段」まで。
「加茂堤」冒頭でてくるのが仕丁でなく、松王、梅王だと言うのもちょっとした
発見でしたが、やはり「丞相名残の段」が一番印象深かったです。
これは歌舞伎でも「道明寺」と呼ばれる名場面ですが、最初に輿に乗って行った
丞相が実は木像で、と言うところ、何しろ歌舞伎と違い元々が人形ですから、
見分けが付かないのも道理ですし、女丈夫っぷりを見せる覚寿女、夫の犠牲に
なるためのような気の毒な立田などキャラクターも様々で、確かに「寺子屋」
ほどの劇的展開はないにしろ、やはり人形浄瑠璃ならではの「人形のお身代わり」の
説得力でしたし、通し好きとしては、ならではの面白さを堪能しました。

そういえば「筆法伝授」あたりで活躍する左中弁希世と言う、薄っぺらい小悪人が
出てきたのですが、悪役なのにドジでちょっと可愛げすらあって、今回登場した
キャラクターの中では結構一番のお気に入りになりました。

一階の展示室ではボランティア解説の方が何人もいらして、実際のツメ人形を
持つ体験や、三味線や下駄など道具に触れるコーナーがあって盛況でした。

一部終わって外に出、晩御飯を調達しがてら、ストレッチしてそそくさと劇場に
戻るや直ぐに第2部に突入しました。

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2011.10.17

「杉本文楽」メイキング番組

16日22時から、NHK教育(なんかEテレって言いたくない)で、「杉本博司、
曽根崎心中オリジナル」と題して、夏に神奈川で行われた公演のメイキングを
やっていました。
観た時に書きましたが、3階席だったので、あちこち見えないな〜とやや不満に
思っていたのですが、この番組を見たら今回の特殊な舞台構造や、演出の意図
などが漸く判って「あんな事やってたのね〜」と言う感じでした。
あれだけ暗くしたら3階から見えるはずないわけで、そんなに「暴力的な電力灯」が
いやなら、見えない2階3階に客を入れなければいいんじゃないですかね。

まあ私など文楽ビギナーは「変わったスタイルの上演方法だなぁ〜」とか「やはり
文楽は上から見るものじゃないや」くらいしか思わなかったですが、通常のスタ
イルで長年文楽を見慣れている家人たちは、「足元がスカスカで見ていて不安定」
とか「何もブランドもののスカーフを衣装にしなくても」とか「あんな長距離走らせて
簑助さんがお気の毒」とか、見ながらずいぶん辛口なコメント山積みでした。

今回はメイキングでしたが、ま、1〜2ヶ月以内に本編オンエアあり、と踏んで
ますが、いかが。

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2011.08.17

「杉本文楽〜曽根崎心中〜付り観音廻り」を観る

私の夏休みの締めくくりは、初めて伺う神奈川芸術劇場(KAAT)での文楽公演。

普通の文楽のホール公演ではなく、伝統芸能に造詣が深い杉本博司さんが(確か
萬斎さんの「解体新書」に骨董品持ってご出演されたのは杉本さんではなかった
でしょうか)新たに発見された台本に基づいて独自に構成、滅多に上演されない
「観音廻り」を付け、また一人遣い人形を使うなどいくつかの試みを盛り込んだ
企画もの。
本当は3月に公演される筈が、震災で延期され、お盆の時期になったおかげか
空席があり、拝見できる事になりました。

劇場は昔行きなれたカナケンこと神奈川県民ホールの真裏、NHK横浜放送局ビルの
上(5〜8階?)にあり、がっちり3階まで客席、天井まで相当高さがありました。

「杉本文楽〜曽根崎心中〜付り観音廻り」を観る

「杉本文楽〜曽根崎心中〜付り観音廻り」を観る

このエスカレーターの上が劇場入り口
「杉本文楽〜曽根崎心中〜付り観音廻り」を観る

来月ここで同じく杉本さんプロデュースによる、万作さん&萬斎さんの三番叟
公演がありますが、高さをどう克服するかが課題になりそうな、と言うか、さすがに
3階席は普段下から見上げる能狂言、もしくは目線高さで見る文楽を観るには
向かない気がしました。

ま、実も蓋もない言い方ですが、結論から言うと、学者さんの研究による新しい
部分より、長年先人が工夫を凝らして磨き上げてきた「天満屋」部分がやっぱり
面白かったんですけどね(苦笑)

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2011.04.09

「にほんごであそぼ」に勘十郎さん

これまでも咲甫大夫さんと三味線の鶴澤清介さんは出演されてましたが、先日
放送分に人形遣いの桐竹勘十郎さんも登場、後ろ向きで雨傘をさした人形が
「春雨じゃ、濡れて行こう」の語りで振り返るからどんな色男の人形かと思い
きや、何と河童だと言う遊び心ですが、河童が傘さす可笑しさが、果たして子ども
たちに伝わっているか、捻り効きすぎかも、とは老婆心でしょうか(笑)

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2011.03.15

地震30(5日目‐6) シアターガイドサイトに公演中止まとめサイト。

シアターガイドサイトさんが、毎日、公演の実施状況のまとめサイト
更新なさっています。(リンクしているのは15日分)

15日に新たに出たものとしては、神奈川芸術劇場と神奈川県民ホールが
3月中の公演全部の中止を発表。

杉本さんの「曽根崎心中」見ようかと家族とも言ってたのですが、
「横浜遠いねえ」でチケット買ってなかったのです。
別の機会で上演されるのを待ちたいと思います。

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