「四月大歌舞伎」(昼の部~「鈴が森」)を観る
正直、四月の歌舞伎座、地味過ぎです。
通好み、と言えば聞こえは良いけど、演目並べたら、
華やかさを感じる要素がほぼない。
案の定、平日とは言うものの、初日三階西席、
がら空きって。どうした、歌舞伎座。
新作ばかりやっても、根本的な歌舞伎人口増える訳ではないし、
「実力のあって」「華のある」役者が演じ、「古典の
意義」が正しく伝わる仕掛けをキチンと考えて行かないと、
ですが、なんか考えてるのかなぁ、松竹さん。
珍しく公演中にA4DMが送られてきたので、売れてないことは
気が付いているらしい(苦笑)
で今月
昼はこれしか観る気にならず。
芝居は良かったです。まあ年は取ったけど、菊五郎さんには、
あの鮮やかな鶸色のお衣装がしっくりきますし、
吉右衛門さんの幡随長兵衛には、江戸の粋と気っ風が
200個くらい詰まってました。
実際これとか「五三桐」はストーリーでなく役者を観るもので、
分かってないとツマンナイでしょうね
そう言えば、亡くなるかなりギリギリ直前に、勘三郎さんが
今回と同じ吉右衛門さん長兵衛とで、権八で出演されたのを
観ましたが、あの瑞々しさ、端正な気品は、実際、数々見た
勘三郎さんの舞台のうちで三本の指に入る印象が残っています。
吉右衛門さんとの共演自体が珍しかったこともありますが。
ともあれ播磨屋さんと音羽屋さん、二大巨頭、令和もお元気に
迎えられそうで何よりで、それを確認できたという点で
意義ある上演でしたね(皮肉)